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ERA検査とは?|着床の窓を調べる検査の仕組み

2026/4/19

ERA検査とは?|着床の窓を調べる検査の仕組み

ERA検査(Endometrial Receptivity Analysis)とは、子宮内膜が胚を受け入れる準備が整っている時期(着床の窓:Window of Implantation)を遺伝子レベルで特定する検査です。反復着床不全の原因の一つとして「着床の窓のずれ」が注目されており、ERA検査によって個人に最適な胚移植タイミングを算出することができます。この記事では、ERA検査の仕組み・方法・費用・期待できる効果を詳しく解説します。

この記事のポイント

  • 「着床の窓」とは何か、ERA検査がなぜ必要なのかが理解できる
  • ERA検査の流れ・採取タイミング・費用が分かる
  • pERT(個別化移植タイミング)を活用した胚移植の流れが分かる

ERA検査とは何か

ERA検査(Endometrial Receptivity Analysis)は、子宮内膜から採取した細胞の遺伝子発現パターン(236種類)を次世代シーケンス解析(NGS)で評価し、その子宮内膜が「着床可能な状態」にあるかどうかを判定する検査です。スペインのigenomix(旧IVI Biotech)が開発し、現在は世界中の不妊治療施設で採用されています。

「着床の窓(WOI)」とは何か

着床の窓(Window of Implantation)とは、子宮内膜が胚を受け入れられる時間的な「窓」のことです。排卵後または黄体ホルモン(プロゲステロン)投与開始後の一定期間に限定されており、この時期を外れると胚が着床できなくなります。

標準的なホルモン補充周期では、黄体ホルモン投与開始後120時間(5日目)が一般的な移植タイミングです。しかし約25〜30%の女性では着床の窓が標準タイミングからずれている(前後1〜3日)とする研究報告があり(Díaz-Gimeno P et al., 2011)、これが反復着床不全の一因となる可能性があります。

ERA検査の流れ

ERA検査は「モック周期(検査専用の周期)」を設けて実施するのが一般的です。実際の胚移植を行わず、子宮内膜を採取するためだけに1周期を使います。

検査の手順(ステップ)

  1. ホルモン補充周期の開始:エストロゲン製剤で子宮内膜を厚くし、続いて黄体ホルモン(プロゲステロン)を投与する
  2. 採取タイミングの設定:黄体ホルモン投与開始後120時間(5日目)を標準タイミングとして採取(施設・使用薬剤によって異なる場合あり)
  3. 子宮内膜のサンプリング:細いカテーテルを子宮内に挿入し、子宮内膜を採取(5〜10分程度)
  4. 遺伝子解析:236種類の遺伝子発現プロファイルを解析し、着床可能か・ずれているかを判定(結果まで2〜4週間)
  5. pERTの算出:「着床の窓が標準タイミングと一致(Receptive)」または「ずれている場合の最適タイミング(pERT)」が報告される

ERA検査の結果と意味

結果パターン

意味

対応

Receptive(着床可能)

標準タイミング(120時間)で着床の窓が開いている

通常通りのタイミングで胚移植

Pre-Receptive(早すぎる)

着床の窓がまだ開いていない

黄体ホルモン投与期間を延長して移植

Post-Receptive(遅すぎる)

着床の窓が既に閉じている

黄体ホルモン投与期間を短縮して移植

pERT(個別化ERA推奨移植時間)とは

pERT(personalized Embryo Transfer Time)は、ERA検査の結果に基づいて算出された「その患者に最適な胚移植タイミング」のことです。例えば「黄体ホルモン投与開始後144時間(6日目)での移植が最適」と判定された場合、次回以降の移植はすべてこのpERTに合わせて行います。

pERTを適用した胚移植では、反復着床不全の患者において着床率・妊娠継続率が改善したとする研究が報告されています(Ruiz-Alonso M et al., 2014)。

ERA検査が推奨される対象者

  • 反復着床不全(良好胚を3回以上移植しても妊娠に至らない)
  • 習慣流産・反復流産の一部のケース
  • 40歳以上で体外受精を控えている(貴重な胚を最善のタイミングで移植したい)
  • 着床の窓のずれが疑われる(医師の判断による)

ERA検査の限界と注意点

ERA検査は有用な検査ですが、以下の点を理解したうえで受けることが重要です。

  • 着床不全の原因はひとつではない:ERA検査が解決できるのは「着床の窓のずれ」という要因のみ。胚の染色体異常・子宮形態異常・免疫異常など他の原因には対応できない
  • 再現性に関する議論:ERA結果(Receptive/Non-Receptive)は時間経過で変化する可能性があり、1〜2年以上経過した場合は再検査が推奨されることがある
  • 全例で妊娠率が上がるわけではない:着床の窓がずれていなかった(Receptive)グループでは、ERA実施有無で妊娠率に差がないとする研究もある

費用の目安

費用区分

目安

ERA単体(自費)

8万〜15万円程度

ERA+EMMA+ALICE(トリオセット)

15万〜25万円程度

保険適用

現時点(2024年)では保険外

よくある質問

Q. ERA検査は自然周期でも受けられますか?

ERA検査はホルモン補充周期で実施するのが標準的です。自然周期での実施も技術的には可能ですが、採取タイミングの管理が難しくなるため、多くの施設ではホルモン補充周期で実施しています。

Q. ERA検査は何歳まで受けられますか?

年齢制限はありません。ただし体外受精を実施できる年齢・状況であれば対象となります。40代以降でも着床の窓のずれが原因となっているケースはあるため、反復着床不全があれば年齢に関わらず検討の価値があります。

Q. ERA検査の採取は痛いですか?

生理痛に近い軽い痛みや不快感が生じる場合があります。採取自体は5〜10分程度で終わります。痛みが心配な場合は、採取前に鎮痛剤を内服する・担当医に相談するといった対策があります。

Q. ERA検査後、いつ胚移植できますか?

ERA検査の結果(pERT)を受け取り、次の月経周期でpERTに合わせた移植周期に入ることが多いです。結果の到着まで2〜4週間かかるため、検査の翌周期以降での移植となるのが一般的です。

Q. ERA検査で「Receptive」だったのに着床しませんでした。なぜですか?

ERA検査は「着床の窓のずれ」を評価するものであり、着床不全の全原因を網羅しているわけではありません。Receptiveと判定された場合でも、胚の染色体異常・免疫異常・子宮形態異常・精子DNA断片化など他の原因が存在する可能性があります。担当医に他の原因検索を相談することをお勧めします。

まとめ

ERA検査は着床の窓(WOI)を遺伝子レベルで特定し、個人に最適な胚移植タイミング(pERT)を算出する検査です。反復着床不全のカップルにとって、原因の一つを除外・最適化する有用なツールですが、万能ではありません。

  • 良好胚を複数回移植しても着床しない場合は、担当医にERA検査を相談
  • pERT算出後は、次回移植からそのタイミングで実施する
  • ERA単体でなく、EMMA・ALICE検査と組み合わせることで着床環境をより包括的に評価できる

免責事項:本記事は医療情報の提供を目的としており、診断・治療の代替となるものではありません。検査の実施・結果の解釈については必ず担当医にご相談ください。

E

この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2