流産の後に悲しみ、怒り、何も感じられない気持ちが出ることも、日によって変わることもあります。周囲と同じ感じ方をする必要はなく、妊娠週数や涙の量でつらさの大小は決まりません。心が回復する期限を決めたり、相談を始めるために症状を二つそろえたりする必要もありません。
生活の困りごとや安全の心配は、その時点で相談できます
| 今の困りごと | 相談・助けの求め方 |
|---|---|
| 眠れない、食べられない、不安で仕事や生活が難しい | 産婦人科や精神科・心療内科などへ、いつから何が難しいかを伝える |
| 話す相手がいない、何を相談すればよいか迷う | 診療先や地域の相談窓口に、そのままの言葉で困りごとを伝える |
| 今、自分を傷つけそう、ひとりで安全を保てない | 近くの人に一緒にいてもらい、救急受診や救急要請などで直ちに助けを求める |
「2週間たつまで」「二つ以上当てはまるまで」と待たずに相談できます。死にたい・消えてしまいたい気持ちも、そのまま医療者へ伝えてください。差し迫った危険があるときは、通常の次回予約や相談会を待ちません。
こども家庭庁は、流産・死産等を経験した方が相談できる都道府県等の窓口を案内しています。住んでいる地域の支援を探す入口として利用できます。受付方法や対応時間は各窓口の案内で確認します。こども家庭庁:流産・死産等の相談窓口と制度
回復の平均や、悲嘆の段階で自分を採点しません
喪失後には、悲しさ、疲れ、怒り、罪悪感、実感がわかない感覚などが現れることがあります。NHSは、感じ方に正解・不正解はなく、よく言われる悲嘆の段階をすべて、決まった順序で経験するわけではないと説明しています。NHS:喪失後の気持ちと相談
「平均3〜6か月で回復」「早い時期の流産なら早く立ち直る」といった表を、個人に当てはめないでください。気持ちが変化することも、それまで平気だった出来事がつらくなることもあります。一方、つらさが続く・増える、生活が難しいという状態まで、すべて自然だから受診不要とするものではありません。
診療先へは、うまく説明できなくても構いません
体の診察を受けている産婦人科に、心のことを話しても構いません。必要に応じて精神科・心療内科、心理職や地域の支援へつなぐ方法を相談できます。初回の相談で聞きたいことを、短いメモにして持参する方法もあります。
- 眠れない・食べられないなど、生活で難しいこと。
- 不安やつらさが強くなる場面、今の安全の心配。
- 飲んでいる薬、体の痛みや出血などの症状。
- 家族や勤務先に、どこまで伝えたいか。
相談方法、担当者、費用、保険の対象となるかは窓口ごとに異なります。全国共通の料金表や「相談すれば必ず早く回復する」という保証ではなく、自分が利用しやすい方法を確認できます。
家族やパートナーには、今必要なことを具体的に伝えられます
感じ方の違いを、男女の性質や愛情の有無だけで決めることはできません。相手の言葉がつらいときは、受け止め方を無理に変えたり、悪意はないはずと自分を納得させたりする必要もありません。
例えば「今日は助言より話を聞いてほしい」「親族への説明は代わってほしい」「今は次の妊娠の話をしないでほしい」と伝える方法があります。これらは編集部が作った伝え方の例で、取材した体験談や効果が確認された決まり文句ではありません。
誰に、どこまで話すかは本人の希望を大切にできます。話すのが難しい相手に繰り返し説明せず、医療者や別の支援者に相談する方法もあります。
自分に合う距離の取り方を選べます
SNSの通知を減らす、つらい集まりへの参加を調整する、身近な人に家事を頼むなど、負担を小さくする方法があります。日数や達成目標を決めて全部行う必要はありません。必要な診察まで避けてしまいそうな場合は、待合場所や受診方法を診療先へ相談できます。
話したい人は話す、今は話したくない人は無理に話さないという選択ができます。毎日一定時間泣く、記念の儀式を行う、次の妊娠に前向きになることを、回復の課題にしないでください。経験者の集まりを希望する場合も、参加条件や話を聞くだけでよいかを事前に確認できます。
仕事と次の妊娠も、心の「合格」を待つ課題にはしません
流産・死産後の働く女性には、妊娠週数や本人の状態などに応じて、産後休業や母性健康管理措置の対象となる場合があります。勤務先に調整してほしいことを、医師等の指導と合わせて相談できます。給与や給付は別の条件があるため、勤務先・加入保険へ確認します。こども家庭庁:休業と母性健康管理等の案内
次の妊娠の時期は、診療や処置、体の回復、使っている薬と本人の希望を踏まえて相談します。悲しみが消える、希望だけを感じるなどの条件を満たす必要はありません。今は考えたくないことも、妊娠を希望していることも、そのまま担当医に伝えられます。
出典と確認日
2026年10月26日に上記の喪失後の気持ち、相談支援と制度の該当節を確認しました。未確認の回復率・取材・団体の提供状況・料金や、性別による悲嘆の決めつけは示していません。医師による本記事の個別監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。