EggLink

ウトロゲスタンとは|国内の適応・承認用法と安全性の注意

2026/4/19

更新:2026/10/24

国内のウトロゲスタン腟用カプセル200mgは、プロゲステロンを成分とする腟用の薬で、承認された効能は「生殖補助医療における黄体補充」です。口から飲む製品ではありません。更年期のホルモン補充療法(HRT)用の別製剤や海外の使い方と混同しないでください。

天然型という言葉だけで、乳がんや血栓症のリスクがない、全身の副作用が少なく安全、と決めることはできません。使用前の病歴・併用薬と、使用中の症状を医師・薬剤師へ伝えましょう。

成分・適応・承認用法を確認する

項目国内製品の説明
成分と含量1カプセルにプロゲステロン200mg。腟に挿入して使用し、飲まない。
国内の承認効能生殖補助医療における黄体補充。HRTの説明を国内の本製品の承認効能として混ぜない。
承認用法1回200mgを1日3回、胚移植2〜7日前から腟に使用。妊娠確認時は移植後9週(妊娠11週)まで継続と記載。
個人の使い方上の用法だけで自己調整しない。実際の開始日・量・回数と終了日は処方元の指示を確認する。

この薬は子宮内膜に作用して着床と妊娠の維持を支えますが、必ず妊娠する・すべての流産を防ぐという薬ではありません。症状や血中ホルモン値だけで、自分に必要か・効いているかを判断しないでください。

天然型・腟投与でも、安全性を一律に比較しない

成分は体内のプロゲステロンと同じ化学構造を持ちます。しかし、そのことと「合成黄体ホルモンより全員で安全」「5年以内なら乳がんリスクがない」という説明は同じではありません。HRTの研究や別の用法の結果を、不妊治療での本製品の安全保証へ使うことはできません。

添付文書は、乳がん・生殖器がんの既往や疑い、血栓塞栓症等の既往、重度の肝機能障害など、使用できない条件を挙げています。診断未確定の性器出血、稽留流産や子宮外妊娠も確認が必要です。本人が症状だけで判断せず、診断や病歴を処方する医師へ伝えてください。

ほかの腟剤と、持病も使用前に伝える

抗真菌剤などの腟剤は、ウトロゲスタンからのプロゲステロン放出・吸収に影響する可能性があります。新しく使う市販薬を含め、併用前に医師・薬剤師へ相談してください。

うつ病・てんかん、片頭痛・喘息、心臓や腎臓・肝臓の病気、糖尿病、授乳等も伝えてください。使い始めた後に気分の落ち込みが悪化する、眠気・めまいがある場合も相談します。危険な作業や運転に支障があるときは避けてください。

出血や急な体調変化は、次の予約を待たず確認する

性器出血、かゆみ、腹痛なども添付文書に記載されています。分泌物が出ることを全員正常、出血は2〜3か月待てば安定、と決めないでください。量や痛み・におい、使用時刻を伝えて相談しましょう。大量出血や強い腹痛、失神しそうな状態では、早急な診察を求めます。

重大な副作用として血栓症の注意があります。急な息切れ・胸痛、脚の痛みや腫れ、激しい頭痛、まひ・しゃべりにくさや急な見え方の変化では、直ちに医療機関へ連絡してください。緊急時は119へ連絡し、薬を使用していることを伝えます。

カプセルが出た・忘れた場合も、量を自己判断で増やさない

挿入直後に出たら必ずもう1個、30分以上なら全量吸収した、と一律に判断することはできません。出てきたものの状態や時刻、症状を処方元へ伝え、対応を確認してください。使用忘れや操作に迷う場合は、ウトロゲスタンの使用忘れ・カプセルが出たときの確認も説明しています。

旅行・仕事等で使いにくい場合も、内服へ替えたり使用分を就寝前にまとめたりせず、予定が分かった時点で相談しましょう。自己検査の結果だけで中止することも避け、治療施設の判定と薬の継続指示を確認してください。

確認した資料

2026年10月24日に確認。

目次に戻る
EggLink編集部のアイコン

この記事を書いた人

EggLink編集部

医療・婦人科専門メディア

公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。

公開:2026/4/19更新:2026/10/24