低用量ピルの副作用はいつまで?血栓症リスク・体重変化・やめた後の影響
2026/4/14

低用量ピルの副作用|いつまで続く?血栓症・体重・吐き気の対策
低用量ピル(OC/LEP)は避妊だけでなく、月経困難症や子宮内膜症の治療にも使われる有効な薬です。しかし「副作用が心配」「いつまで続くの?」という不安を感じる方も多いでしょう。本記事では低用量ピルの主な副作用、いつまで続くか、血栓症のリスク、体重への影響、やめた後の変化について詳しく解説します。
低用量ピルの主な副作用
副作用 | 頻度 | いつまで続くか |
|---|---|---|
吐き気 | 飲み始めの10〜20% | 通常1〜3か月で軽減・消失 |
不正出血(少量の出血・茶色のおりもの) | 飲み始めの10〜30% | 通常1〜3か月で安定 |
頭痛 | 飲み始めの数% | 通常1〜2か月で軽減 |
乳房の張り・痛み | 飲み始めの数% | 通常1〜2か月で軽減 |
気分の変動(抑うつ傾向) | 数%(個人差大) | 2〜3か月様子を見て改善しなければ種類変更を検討 |
体重変化 | 大きな変化は少ない(後述) | — |
副作用はいつまで続く?
低用量ピルの副作用の多くは「マイナートラブル」と呼ばれ、服用開始後1〜3か月で体がホルモンに慣れるにつれて軽減・消失します。これは体がピルに含まれるエストロゲン・プロゲステロンの外因性ホルモンに適応する過程で起こる一時的な反応です。
3か月を過ぎても副作用が続く場合は、ピルの種類(含有するプロゲステロンの種類や用量)を変更することで改善することがあります。我慢して続けるのではなく、処方医に相談しましょう。
吐き気の対策
- 就寝前に服用する(寝ている間に吐き気のピークが過ぎる)
- 食後に服用する(空腹時より吐き気が出にくい)
- 3か月経っても改善しない場合は、含有エストロゲン量がより少ない超低用量ピルへの変更を検討
不正出血について
服用開始後1〜3か月は、少量の不正出血や茶色のおりものが出ることがあります。これは子宮内膜がピルのホルモンに適応する過程で起こる生理的な反応であり、通常は心配不要です。
ただし、以下の場合は産婦人科を受診してください。
- 3か月以上続く不正出血
- 出血量が多い(生理2日目並み)
- 下腹部痛を伴う出血
血栓症リスク
低用量ピルの最も重要な副作用は静脈血栓塞栓症(VTE)です。エストロゲンの作用で血液が固まりやすくなるため、深部静脈血栓症(DVT)や肺塞栓症(PE)のリスクがわずかに上昇します。
状態 | VTE発症率(年間1万人あたり) |
|---|---|
ピルを服用していない女性 | 約1〜5人 |
低用量ピル服用中 | 約3〜9人 |
妊娠中 | 約5〜20人 |
産後12週間以内 | 約40〜65人 |
リスクは上昇しますが、絶対的なリスクは低く、妊娠中より低いことがわかります。ただし、以下の因子がある場合はリスクが高まるため、処方前に医師が評価します。
- 喫煙(特に35歳以上の喫煙者は禁忌)
- BMI 30以上の肥満
- 血栓症の既往歴・家族歴
- 長時間の不動状態(長距離フライト、手術後など)
以下の症状が出た場合は血栓症の可能性があるため、速やかに受診してください(ACHES: Abdominal pain, Chest pain, Headache, Eye problems, Severe leg pain)。
- ふくらはぎの強い痛み・腫れ・発赤
- 突然の息苦しさ・胸の痛み
- 突然の激しい頭痛
- 視野の異常(見えにくい、チカチカする)
ピルで太る?体重への影響
「ピルで太る」という心配は多くの方が持っていますが、大規模な研究では低用量ピルの服用と有意な体重増加との間に明確な因果関係は認められていません。ごく一部の方で、服用初期に水分貯留による一時的なむくみ(0.5〜1kg程度)が起こることがありますが、脂肪が増えるわけではなく、通常1〜2か月で改善します。
ピルをやめた後の変化
低用量ピルの服用を中止すると、通常1〜3か月で自然な月経周期が回復します。
- 排卵は中止後最初の月経周期から再開することが多い
- ピル服用前の生理痛・月経量が戻る可能性がある
- 肌荒れ・ニキビが再発することがある(ピルで抑えられていた場合)
- 妊娠を希望する場合、中止後すぐに妊活を開始できる(長期間の服用歴は妊孕性に影響しないとされている)
よくある質問
副作用が怖いのですが、飲まない方がいいですか?
副作用のリスクと、服用のメリット(避妊効果・月経痛の軽減・子宮内膜症の進行抑制など)を比較して判断します。血栓症のリスク因子がない方であれば、多くの場合メリットがリスクを上回ります。不安がある場合は処方医に率直に相談しましょう。
副作用が出たら種類を変えてもらえますか?
はい。低用量ピルにはさまざまな種類があり、含まれるプロゲステロンの種類やエストロゲンの用量が異なります。ある種類で副作用が強い場合、別の種類に変更することで改善することは珍しくありません。
何年も飲み続けても大丈夫ですか?
禁忌事項がなく、定期的に検診を受けていれば、長期間の服用は可能です。40歳以上の方は血栓リスクが高まるため、個別にリスク・ベネフィットを医師と相談してください。
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免責事項:本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。副作用に不安がある場合は産婦人科を受診してください。
最終更新:2026年4月14日
参考文献:日本産科婦人科学会「OC・LEPガイドライン 2020年度版」、WHO Medical Eligibility Criteria for Contraceptive Use 5th Edition (2015)、FSRH Clinical Guideline "Combined Hormonal Contraception" (2019)、Gallo MF et al. Cochrane Review "Combination contraceptives: effects on weight" (2014)
この記事を書いた人
EggLink編集部
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