
低用量ピルの種類と選び方|マーベロン・トリキュラー・ヤーズの違い
低用量ピルは含まれるプロゲスチンの種類と配合パターン(相性)によって多くの製品に分類されます。避妊・月経痛・PMS・ニキビなど、目的に応じた選び方のポイントを解説します。
【この記事のポイント】
・低用量ピルは第1〜4世代のプロゲスチンと1相性・3相性の組み合わせで分類される
・ニキビ改善にはマーベロン(第3世代)やヤーズ(第4世代)、月経量軽減にはトリキュラーが広く使用
・副作用プロファイルや保険適用の有無も選択の重要な判断材料となる
低用量ピルの分類|世代と相性(配合パターン)
低用量ピルは含有プロゲスチンの種類(世代)と、21日間のホルモン配合量が一定か段階的に変化するか(相性)の2軸で分類されます。
プロゲスチンの世代分類
世代 | プロゲスチン | 代表的な製品 | 特徴 |
|---|---|---|---|
第1世代 | ノルエチステロン | シンフェーズ、ルナベルLD/ULD | 不正出血が起きやすいが月経痛に有効 |
第2世代 | レボノルゲストレル | トリキュラー、アンジュ、ラベルフィーユ | 月経周期が安定しやすく不正出血が少ない |
第3世代 | デソゲストレル | マーベロン、ファボワール | アンドロゲン作用が弱くニキビ改善に適する |
第4世代 | ドロスピレノン | ヤーズ、ヤーズフレックス | 抗ミネラルコルチコイド作用でむくみが少ない |
相性(配合パターン)の違い
タイプ | ホルモン配合 | メリット | 代表的な製品 |
|---|---|---|---|
1相性 | 21日間すべて同じ用量 | 飲み間違いが少ない・服用日の調整が容易 | マーベロン、ヤーズ |
3相性 | 3段階で用量が変化 | 自然なホルモン変動に近く不正出血が少ない | トリキュラー、アンジュ |
目的別おすすめの低用量ピル
避妊・月経痛・PMS・ニキビなど、ピルを使う目的によって最適な製品は異なります。以下は目的別の選び方の目安です。
目的 | おすすめの種類 | 理由 |
|---|---|---|
避妊 | トリキュラー、マーベロン | 高い避妊効果と安定した周期 |
月経痛(月経困難症) | ルナベルULD、ヤーズ | 保険適用あり、超低用量で副作用を抑制 |
PMS改善 | ヤーズ、ヤーズフレックス | ドロスピレノンの抗ミネラルコルチコイド作用 |
ニキビ改善 | マーベロン、ヤーズ | アンドロゲン作用が弱く皮脂分泌を抑制 |
子宮内膜症 | ヤーズフレックス、ルナベルULD | 連続服用(フレキシブル投与)で内膜増殖を抑制 |
月経日の調整 | 1相性のピル(マーベロン等) | 実薬の延長で月経を遅らせやすい |
主要ピル5製品の詳細比較
日本で処方頻度の高い5製品について、成分・保険適用・特徴を比較します。
製品名 | 世代/相性 | EE含有量 | 保険適用 | 1シート費用目安 |
|---|---|---|---|---|
トリキュラー | 第2世代/3相性 | 30〜40μg | なし(自費) | 約2,000〜3,000円 |
マーベロン | 第3世代/1相性 | 30μg | なし(自費) | 約2,500〜3,000円 |
ルナベルULD | 第1世代/1相性 | 20μg | あり | 約1,500〜2,500円(3割負担) |
ヤーズ | 第4世代/1相性 | 20μg | あり | 約2,000〜2,500円(3割負担) |
ヤーズフレックス | 第4世代/1相性 | 20μg | あり | 約2,000〜2,500円(3割負担) |
※費用は施設により異なります。保険適用は月経困難症・子宮内膜症の診断がある場合に限られます。
低用量ピルの選び方で注意すべきポイント
ピルの選択には避妊目的か治療目的か、血栓リスク因子の有無、ライフスタイルとの適合性を総合的に考慮する必要があります。
処方前に確認すべき事項
- 喫煙の有無:35歳以上で1日15本以上の喫煙者はピル禁忌
- BMI:BMI 30以上は血栓リスクが上昇するため慎重投与
- 片頭痛の種類:前兆(閃輝暗点)を伴う片頭痛がある場合はピル禁忌
- 血栓症の既往・家族歴:該当する場合は別の避妊法を検討
- 授乳中:エストロゲン含有ピルは授乳中は原則使用しない
ピルが合わなかったときの切り替え方
最初のピルが体に合わない場合、3シート(3か月)を目安に様子を見た上で、副作用の種類に応じた切り替えが推奨されます。
- 吐き気が続く:EE含有量がより少ない超低用量(20μg)製品に変更
- 不正出血が続く:3相性への変更、または別世代のプロゲスチンへの切り替え
- むくみ・体重増加:ドロスピレノン配合(ヤーズ系)への変更を検討
- ニキビ悪化:アンドロゲン作用の弱い第3世代・第4世代へ変更
- 性欲低下・気分変動:プロゲスチンの種類変更で改善する場合がある
よくある質問(FAQ)
Q. ジェネリックと先発品に効果の差はありますか?
A. 有効成分は同一であり、避妊効果に差はありません。ファボワール(マーベロンのジェネリック)やラベルフィーユ(トリキュラーのジェネリック)は費用を抑えたい方に適しています。
Q. ピルはオンラインで処方してもらえますか?
A. オンライン診療で低用量ピルの処方を受けることが可能です。ただし初回は対面診療を推奨する医療機関もあります。血圧測定やBMI確認が必要なため、定期的な対面受診も大切です。
Q. ピルの服用中に他の薬は飲めますか?
A. 抗てんかん薬・リファンピシン・セントジョーンズワートなど一部の薬・サプリメントはピルの効果を低下させる場合があります。新しい薬を処方される際は、ピル服用中であることを必ず伝えてください。
Q. 何歳まで低用量ピルは飲めますか?
A. 日本産科婦人科学会のガイドラインでは、閉経まで使用可能とされていますが、40歳以降は血栓リスクが上昇するため、定期的なリスク評価が必要です。50歳を超えた場合はHRTへの切り替えが検討されます。
Q. ピルの種類は途中で変更できますか?
A. 医師の判断で変更可能です。副作用やライフスタイルの変化に応じて最適な製品を選び直すことは一般的です。変更時は新しいシートの開始日について主治医に確認してください。
まとめ
低用量ピルは世代(プロゲスチンの種類)と相性(配合パターン)で分類され、目的や体質に応じて最適な製品が異なります。避妊にはトリキュラー、ニキビにはマーベロン、PMS・子宮内膜症にはヤーズと、それぞれの強みを理解して選ぶことが大切です。
自分に合ったピルは医師と一緒に選ぶ
ピルの種類は多く、自己判断での選択は難しいものです。生活スタイル・治療目的・リスク因子を婦人科医に伝え、自分に最適な一剤を見つけてください。合わない場合も切り替えの選択肢があるため、気軽に相談してみましょう。
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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