低用量ピルを始めるときは、まず避妊なのか、月経困難症などの治療なのかを伝え、薬の正式な名前と用法を確認します。同じ「ピル」という呼び方でも、処方の目的、実薬と偽薬の数、開始日や休薬の仕方は共通ではありません。
処方時に確認すること
| 項目 | 確認したいこと |
|---|---|
| 目的と薬名 | 避妊か症状の治療か。何という製品を使うか |
| 開始と継続 | いつ始めるか、シートの順序、実薬・偽薬・休薬の扱い |
| 困ったとき | 飲み忘れ、嘔吐・下痢、不正出血時の対応と連絡先 |
| 安全確認 | 病歴・薬・喫煙などを伝え、警告症状と受診日を確認する |
避妊用の薬と治療用の薬を分けます
PMDAのマーベロン21・28の患者向ガイドは、同製品の処方目的を避妊と説明しています。一方、ヤーズ配合錠のガイドは月経困難症の治療薬とし、避妊目的で使用しないよう説明しています。
治療薬を飲んでいるから避妊も任せてよい、と自分で置き換えないでください。PMDA:マーベロン21・28、PMDA:ヤーズ配合錠
妊娠の可能性や希望、症状と生活上の困りごとを伝え、どの薬を何のために使うかを相談します。本記事だけで開始日や製品を選ばず、診療で決まった内容を確認してください。
相談時に伝える情報
- 最後の月経、普段の周期、妊娠の可能性
- 血栓症や片頭痛などの病歴、家族の病歴
- 喫煙、手術や長く動けない予定、ほかの体調
- 使用中の薬とサプリ、これまでのホルモン薬
服用できるかは年齢だけで決まりません。必要な問診や診察・検査を受け、血圧などの確認方法、再診の時期を聞きます。オンラインか対面かによらず、確認できない情報や症状も医療者へ伝えてください。
開始日とシートの数を、製品ごとに聞きます
例えば、マーベロン21は実薬21日と7日の休薬、マーベロン28は白色の実薬21日と有効成分を含まない緑色7日という構成です。ヤーズ配合錠は淡赤色の実薬24日と白色4日で、全体は28錠です。錠剤数や色を、ほかの製品へ転用しません。
両ガイドとも初めて使う場合の開始日と、月経初日から遅れた場合に最初の一週間は別の方法で避妊する案内があります。ただしヤーズを避妊目的にしないことは別の注意です。「初日から必ず妊娠しない」「いつでも自分で始めてよい」とはしません。
飲み忘れに気づいた場合は、薬名、シートの位置、最後に飲んだ日時を確認し、自分の薬の指示に従います。複数の薬の開始・切替・休薬の説明を混ぜず、不明な点は処方元か薬剤師に確認してください。
警告症状を、慣れるまで待つ副作用と混ぜません
両ガイドは血栓症が生命に関わることがあると警告しています。マーベロンでは、足の突然の痛みや腫れ、突然の息切れ・胸の痛み、激しい頭痛、しゃべりにくさ、突然の視力障害などがあれば、ただちに使用を中止して救急医療機関を受診するよう案内しています。
ヤーズでも、血栓症を疑う症状や脱水などリスクの高い状態では、軽度であっても服用をやめて医師へ相談するよう案内しています。新しい症状を一律に「三か月は様子を見る」と判断しないでください。ほかの医療機関へ行くときも、薬名と服用中であることを伝えます。
不正出血、吐き気、頭痛などで困った場合も、強さや変化を伝えて相談します。検診や再診の予定を守り、自分の製品に必要な継続中の確認を受けてください。
出典と確認日
2026年10月27日に、PMDAのマーベロン21・28(2023年3月更新)とヤーズ配合錠(2026年2月更新)の患者向ガイドの採用頁を確認しました。全製品の用法や本人の処方適否を判断する記事ではありません。本記事の個別の医師監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。