レトロゾールを含むフェマーラ錠2.5mgは、国内では多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)・原因不明不妊での排卵誘発や、生殖補助医療での調節卵巣刺激に適応があります。すべての排卵障害や不妊症に同じ使い方をする薬ではありません。妊娠している、または妊娠している可能性がある人と授乳中の人は使えない薬です。
服用前・服用中の確認
| 場面 | 確認と行動 |
|---|---|
| 処方を受けた | 病名と治療目的、開始日、何錠を何日飲むか、検査日を確認する |
| 月経が遅れた・妊娠の可能性・授乳中 | 服用前に処方元へ伝える。残薬を自己判断で飲み始めない |
| お腹の張り・痛み、吐き気、急な体重増加 | OHSSの可能性もあるため、直ちに医師へ相談。飲み終えた後も注意する |
| 効果が十分でない | 自分で増量せず、卵巣の反応と妊娠に至らない要因、別の治療を相談する |
承認された目的と、今回の処方を確認します
レトロゾールはアロマターゼを阻害する薬です。フェマーラの添付文書には閉経後乳癌の適応と、不妊治療での適応が別々に記載されています。乳癌の治療と排卵誘発では、対象や使用期間・観察の目的が異なります。PMDA:フェマーラ錠2.5mgの添付文書
「乳癌治療薬だから乳癌の治療中・治療後なら誰でも不妊治療に使いやすい」とは判断できません。乳癌などの治療歴がある場合は、腫瘍の担当医と生殖医療の担当医へ、妊娠希望と使用薬を伝えて方針を相談してください。
国内添文の用量と、自己増量を区別します
不妊治療について、国内の添付文書は通常、月経周期三日目から2.5mgを一日一回、五日間使い、十分な効果がなければ次周期以降に一回5mgへ増量できるとしています。これは医師が判断する処方条件であり、自分で量を増やす指示ではありません。
海外の説明で見かける7.5mgなどを、国内添文の通常用量として扱ったり、残薬を足して使ったりしないでください。飲み忘れ、開始日のずれ、月経の遅れがある場合も処方元・薬剤師へ確認します。
妊娠前の治療と、妊娠中の服用は別です
添付文書は、投与開始前と次の周期の投与前に、妊娠していないことを確認するよう求めています。妊娠している可能性があるときや授乳中には使わない薬であり、「短期間だから胎児への心配はない」と保証することはできません。
服用後に妊娠が分かった、誤って妊娠中に使ったなどの場合は、それ以上自己判断で服用せず、使った日と量を処方元・産婦人科へ伝えてください。服用した事実だけで赤ちゃんへの影響を断定するものでもなく、個別の状況を確認する必要があります。
OHSSや多胎妊娠の危険性はゼロではありません
添付文書には、レトロゾールを使った不妊治療でも卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が起こる場合があると記載されています。下腹部痛・張り、吐き気、急な体重増加などがあれば、直ちに医師へ相談してください。五日間の服用終了後も観察が必要です。
呼吸が苦しい、強い痛みなどがある場合は、速やかに医療へ連絡します。飲み薬なので副作用は軽いと決めつけず、決められた超音波などの受診を続けます。排卵誘発に伴って多胎妊娠の可能性もあるため、卵胞の反応と治療を継続する条件を確認してください。
クロミッドとの比較や、効果の見直し
クロミッドとレトロゾールは別の薬です。内膜の厚さだけや、対象・分母の異なる成功率だけで、どちらがその人に向くかを決めることはできません。卵胞の反応、排卵の有無、ほかの検査と治療歴を合わせて相談します。
国内添文は、周期を繰り返しても十分な効果が得られない場合、年齢なども考慮し、生殖補助医療を含む別の治療を考慮するとしています。一律に六周期まで保険で使える、必ず次の周期から変更できる、という意味ではありません。費用も錠数・診察・検査・保険区分を分けて確認してください。
出典と確認日
2026年10月27日に、PMDAのフェマーラ錠2.5mg添付文書(2022年9月改訂)の適応・用量・妊娠授乳・OHSS・見直し条件の採用部分を確認しました。乳癌での副作用発現率を不妊治療の頻度へ転用していません。本記事の個別の医師監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。