
更年期指数(SMI)セルフチェックは、自分の更年期症状の重さを数値化し、受診の目安にするためのツールです。10項目の症状に点数をつけるだけで、症状の重さを4段階に分類できます。この記事では、SMIのチェック方法・点数の見方・受診のタイミングを解説します。
この記事のポイント
- SMI(簡略更年期指数)は10項目を1〜3分で自己採点できる日本産科婦人科学会推奨のツール
- 合計点数が51点以上は「要治療」、26〜50点でも症状に応じて受診推奨
- SMIだけでは診断できない。血液検査(FSH・E2・LH)との組み合わせが重要
- 0点でも「更年期ではない」とは言えない。症状の変化を継続観察することが大切
SMI(簡略更年期指数)のチェックシート
日本産科婦人科学会が推奨するSMIは、以下の10症状をそれぞれ「なし(0点)・少し(1点)・中等度(2点)・強い(3点)」で評価して合計する方式です。
番号 | 症状 | なし(0) | 少し(1) | 中等度(2) | 強い(3) |
|---|---|---|---|---|---|
1 | 顔がほてる | □ | □ | □ | □ |
2 | 汗をかきやすい | □ | □ | □ | □ |
3 | 腰や手足が冷えやすい | □ | □ | □ | □ |
4 | 息切れ、動悸がする | □ | □ | □ | □ |
5 | 寝つきが悪い・眠れない | □ | □ | □ | □ |
6 | 怒りやすく、すぐイライラする | □ | □ | □ | □ |
7 | くよくよしたり、憂うつになる | □ | □ | □ | □ |
8 | 頭痛、めまい、吐き気がよくある | □ | □ | □ | □ |
9 | 疲れやすい | □ | □ | □ | □ |
10 | 肩こり、腰痛、手足の痛みがある | □ | □ | □ | □ |
各項目の点数を合計した値がSMIスコアです。
SMIスコアの評価基準と受診の目安
SMIの合計点は以下の4段階で評価されます。スコアが高いほど更年期症状が重く、医療的介入が必要な可能性が高まります。
合計点 | 評価 | 推奨アクション |
|---|---|---|
0〜25点 | 異常なし | セルフケアの継続・経過観察 |
26〜50点 | 食事・運動などで改善を試みる | 生活習慣改善から始め、改善しなければ受診 |
51〜65点 | 更年期・閉経外来での治療が必要 | 婦人科・更年期外来への受診を推奨 |
66〜30点 | 長期にわたる専門的治療が必要 | 早急に婦人科専門医を受診 |
スコアが低くても受診すべきケース
- 生理周期が乱れてきた(2か月以上の遅れ・頻発月経など)
- 急に症状が出始めた(特に40代以降)
- 日常生活や仕事に支障が出ている
- 気分の落ち込みが続いている(うつ病との鑑別が必要)
SMIが診断ツールではない理由
SMIは症状の重さを数値化する便利なツールですが、これだけでは更年期の確定診断はできません。更年期の診断には血液検査でホルモン値を確認することが必須です。
更年期の診断に必要な血液検査
検査項目 | 更年期の特徴的な変化 |
|---|---|
FSH(卵胞刺激ホルモン) | 上昇(40mIU/mL以上が目安) |
E2(エストラジオール) | 低下(20pg/mL未満が目安) |
LH(黄体形成ホルモン) | FSHほどではないが上昇傾向 |
SMIスコアが高くても、ホルモン値が正常範囲内なら更年期以外の疾患(甲状腺疾患・自律神経失調症・うつ病など)を原因として検索する必要があります。
更年期症状が現れやすい年齢と期間
日本人女性の閉経平均年齢は50.5歳前後です。更年期は閉経の前後5年間(45〜55歳が中心)ですが、早い方では40代前半から症状が出ることもあります。
年代別の症状傾向
- 40代前半:月経不順・PMSの悪化・睡眠の質低下が先行することが多い
- 45〜50歳:ホットフラッシュ・発汗・動悸が出やすいピーク時期
- 50〜55歳:閉経後に泌尿生殖器症状(膣乾燥・頻尿)が増加
更年期症状の主なセルフケア
SMIスコアが25点以下〜50点程度の場合は、まず生活習慣の改善から始めることが推奨されています。症状によっては3〜6か月の継続で改善が見られることがあります。
効果が期待できるセルフケア
- 有酸素運動:週3〜5回30分以上のウォーキング・水泳など。ホットフラッシュ軽減の報告あり
- 大豆イソフラボン:エストロゲン様作用が弱く、ホットフラッシュ軽減効果の研究あり(1日40〜70mg推奨)
- 睡眠環境の整備:室温調整・ブルーライトカット・就寝ルーティン
- ストレス管理:マインドフルネス・ヨガ・深呼吸など
セルフケアで改善しない場合は受診を
2〜3か月継続してもSMIスコアや自覚症状に改善が見られない場合、または症状が進行している場合は婦人科への受診を検討します。
婦人科受診でできる治療の選択肢
更年期外来・婦人科では、症状・検査値・個人の状況に応じて治療法が選ばれます。
治療法 | 特徴 | 主な対象症状 |
|---|---|---|
ホルモン補充療法(HRT) | 最も効果的・保険適用あり | ホットフラッシュ・膣乾燥・骨粗しょう症予防 |
漢方薬 | HRTが使えない方にも対応 | 多様な更年期症状全般 |
プラセンタ注射 | HRTの補完的選択肢 | 倦怠感・全身症状 |
低用量ピル | 閉経前の月経不順も同時対応 | 月経不順・PMS・ホットフラッシュ |
よくある質問(FAQ)
Q. SMIは何歳から使えますか?
SMIは閉経周辺期(一般的に40〜60代)を対象に設計されています。若い方の月経関連症状や、男性更年期の評価には別のツール(AMSスコアなど)を使います。
Q. 毎月チェックした方がよいですか?
毎月の必要はありませんが、3か月に1回程度チェックすることで症状の変化を客観的に記録できます。記録を持参すると受診時の参考になります。
Q. スコアが0でも更年期ですか?
ホルモン変化は症状のない方にも起きています。スコアが0でも年齢的に更年期に入っている可能性はあります。ただし症状がない場合は医療的介入の必要はありません。
Q. スコアが高くても受診しない場合はどうなりますか?
放置によって日常生活の質(QOL)が下がり続けるリスクがあります。更年期症状は治療で多くの方が改善します。51点以上は受診を強くお勧めします。
Q. 婦人科が怖い・恥ずかしい場合はどうすればよいですか?
まず「更年期外来」または「女性外来」を掲げているクリニックを探すと受診しやすいです。オンライン診療でも更年期相談に対応しているサービスが増えています。
まとめ
SMIセルフチェックは更年期症状を数値化し、受診判断の目安にするための有効なツールです。スコアが51点以上なら早急に婦人科を受診することを推奨します。スコアが低くても、生活への支障や気分の落ち込みが続く場合は受診の価値があります。セルフケアと医療を組み合わせ、更年期を無理なく乗り越えましょう。
※本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の治療を推奨するものではありません。参考:日本産科婦人科学会「更年期障害診療ガイドライン2023」
この記事を書いた人
EggLink編集部
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