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男性更年期障害(LOH症候群)の症状・原因・治療法

2026/4/19

男性更年期障害(LOH症候群)の症状・原因・治療法

「最近やる気が出ない」「疲れやすい」「性機能の低下が気になる」——40〜60代男性に多いこれらの症状は、男性更年期障害(LOH症候群)の可能性がある。女性と違い見逃されやすいが、適切な診断と治療で改善できる疾患だ。

この記事のポイント

  • LOH症候群の主な症状チェックリスト
  • テストステロン低下が起こるメカニズムと原因
  • 診断・治療の流れと費用の目安

症状セルフチェック:これがLOH症候群のサイン

国際的なスクリーニングツール「AMS(Aging Males' Symptoms)スケール」では、身体症状・精神症状・性的症状の3カテゴリで評価する。以下の項目に複数該当する場合、泌尿器科・男性更年期外来への受診が推奨される。

身体症状

  • □ 以前と比べて体力・持久力が落ちた
  • □ 身長が縮んだ・背中が丸くなった
  • □ ひげや体毛が薄くなった
  • □ 筋力・筋量の低下を感じる
  • □ 顔や腹部のほてり・発汗

精神・心理症状

  • □ 気力・やる気が出ない(以前好きだったことに興味が持てない)
  • □ 集中力・記憶力の低下
  • □ 理由なく憂うつ・不安
  • □ 易怒性(些細なことでイライラする)
  • □ 睡眠障害(寝つきが悪い・夜中に目が覚める)

性的症状

  • □ 性的欲求(リビドー)の低下
  • □ 勃起障害(ED)
  • □ 朝勃ちがなくなった

原因:なぜテストステロンが低下するのか

LOH症候群の主な原因は加齢によるテストステロン(男性ホルモン)の低下。男性のテストステロンは20代でピークを迎え、40代以降は年1〜2%ずつ緩やかに低下していく。

テストステロン低下を加速させる要因

要因

メカニズム

過度のストレス

コルチゾール(ストレスホルモン)がテストステロン産生を抑制

肥満(特に内臓脂肪型)

脂肪組織でテストステロンがエストロゲンに変換される

睡眠不足

テストステロンは深睡眠中に最も産生される。睡眠6時間未満で15%低下という報告あり

過度の飲酒

肝臓でのテストステロン代謝異常・精巣機能の低下

運動不足

筋肉量の低下がテストステロン分泌を減らす悪循環

診断方法:何科で・何を調べるか

LOH症候群の診断は血液検査でテストステロン値を測定することが基本。日本泌尿器科学会の診断基準では、血清総テストステロン値が250ng/dL未満かつ症状がある場合にLOH症候群と診断される。

受診先

  • 泌尿器科(最も専門性が高い)
  • 男性更年期外来(設置しているクリニックに限る)
  • 内科・一般外来でのスクリーニング後に専門外来へ紹介

主な検査項目

  • 血清総テストステロン(午前中採血が望ましい)
  • 遊離テストステロン(総テストステロンが低くない場合でも確認)
  • LH(黄体形成ホルモン)・FSH:下垂体機能の評価
  • PSA(前立腺特異抗原):治療前のスクリーニング
  • 血液一般・肝機能・脂質:全身状態の評価

治療法:テストステロン補充療法(TRT)

最も有効な治療法はテストステロン補充療法(TRT)。筋肉注射または皮膚塗布(ゲル・クリーム)で投与する。TRTを受けると多くの患者で気力・性欲・勃起機能・骨密度が改善するとされている。

TRTの種類と費用(保険適用あり)

投与方法

製品名

投与間隔

費用目安(3割)

筋肉注射

エナント酸テストステロン

2〜4週ごと

数百〜1,000円/回

皮膚塗布ゲル

グローミン・デポテストなど

毎日塗布

約3,000〜5,000円/月

TRTには禁忌があり、前立腺がん・多血症(赤血球増多症)・未治療の重症心疾患などがある場合は使用できない。治療開始前にPSA検査が必須。

生活改善:TRTと合わせて行うこと

TRTと合わせて生活習慣を改善するとより高い効果が得られる。

  • 筋力トレーニング:週2〜3回の抵抗運動がテストステロン分泌を促進
  • 睡眠確保:7〜8時間の睡眠。深睡眠中にテストステロンが産生される
  • 体重管理:内臓脂肪を減らす(BMI25未満が目標)
  • 禁酒・節酒:純アルコール20g/日以内を目安に
  • ストレス管理:コルチゾール高値の継続を避ける

うつ病との違い:見逃されやすいLOH症候群

LOH症候群の精神症状(気力低下・抑うつ・不眠)はうつ病と非常に似ており、精神科でうつ病として治療されているケースがある。両者の違いは「テストステロン値の測定」で確認できる。うつ病治療が効果不十分な中高年男性では、LOH症候群の合併を疑って泌尿器科を受診することを推奨する。

よくある質問(FAQ)

Q. 男性更年期障害は何歳から始まりますか?

個人差が大きく、早い人では40代前半から始まることがあります。ストレスや生活習慣の悪化により30代後半でテストステロンが急低下するケースも報告されています。年齢より「症状」で判断することが重要です。

Q. テストステロン補充療法は保険適用ですか?

LOH症候群と診断された場合、筋肉注射のテストステロン製剤は保険適用になります。ゲル製剤は施設によって保険適用の可否が異なります。初診時に担当医に確認してください。

Q. TRTを始めると妊孕性に影響しますか?

TRTは外から男性ホルモンを補充するため、脳下垂体からの精巣刺激ホルモン分泌が抑制され、精子産生が低下することがあります。妊娠を希望する場合はTRTを使わずにクロミフェン(SERM)など別の治療法を検討してください。

Q. 女性ホルモン薬は関係ありますか?

男性更年期障害の治療には女性ホルモン(エストロゲン)は使用しません。テストステロン補充が治療の主軸です。

Q. サプリメントで男性ホルモンを上げられますか?

亜鉛・マカ・アシュワガンダなどテストステロンへの影響を示唆する研究がある成分はありますが、テストステロン値が基準値を大きく下回っている場合はサプリメントだけでは不十分です。まず医療機関での測定を受けてください。

まとめ

男性更年期障害(LOH症候群)は「加齢のせいだから仕方ない」で済ませず、血液検査で確認して治療できる疾患です。

  • 気力・性欲・体力の低下が続くなら → 泌尿器科または男性更年期外来でテストステロン検査
  • うつ病治療が効かない40代以上の男性 → LOH症候群の合併を疑って受診
  • TRT開始後の妊娠希望がある → 担当医と治療法の選択を相談

※本記事は一般的な医療情報であり、個別の診断・治療方針は必ず担当医にご相談ください。

E

この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2