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温経湯の効果・効能|手足の冷え・月経不順・不妊に

2026/4/19

温経湯の効果・効能|手足の冷え・月経不順・不妊に

温経湯(ウンケイトウ)は、手足の冷え・月経不順・不妊・皮膚乾燥など「虚寒+血虚+乾燥」の状態に用いる漢方薬です。「虚寒証の月経不順・不妊の第一選択薬」として婦人科漢方の中でも重要な位置を占めており、不妊治療との組み合わせでも活用されています。

温経湯とはどんな漢方薬か

温経湯は「温(温める)+経(月経)」の名が示す通り、体を温めながら月経を整える処方です。「月経不順・不妊・手足の冷え・皮膚の乾燥・口唇の乾燥」という一見バラバラに見える症状が、実は「虚寒(冷え)による血虚(血の不足)+陰虚(潤いの不足)」という一つの体質から来ているとする漢方医学的な理解から処方されます。

項目

内容

ツムラ番号

106番

主な構成生薬

当帰・川芎・芍薬・人参・桂皮・阿膠・牡丹皮・呉茱萸・半夏・麦門冬・生姜・甘草

適した体質

手足の冷え、皮膚乾燥、口唇の乾燥、体力が中程度以下

主な適応

月経不順、月経困難、こしけ(帯下)、更年期障害、不妊、冷え症、腹痛

保険適用

あり(医師処方)

温経湯の特徴的な適応サイン

温経湯の適応を判断する際に重要な「証(しょう)」のサインがあります。これらが複数当てはまる場合に温経湯が選択されることが多いです。

  • 手掌煩熱(てのひらのほてり):手の甲は冷たいが手のひらはほてる、という独特の症状
  • 唇・皮膚の乾燥:口唇がカサカサする、皮膚全体が乾燥しやすい
  • 下腹部の冷え:下腹部が冷えて月経痛が悪化する
  • 月経周期の遅れ:周期が長くなりがち(稀発月経・月経遅延)
  • 月経量が少ない:血虚による月経量の減少

温経湯の主な効果・効能

手足の冷え・下腹部冷感への効果

呉茱萸(ゴシュユ)と桂皮(ケイヒ)は「温裏薬(体の内部を温める生薬)」の代表です。下腹部・子宮周辺の冷えを改善し、冷えによる月経痛・月経不順を緩和します。四物湯(当帰・川芎・芍薬)の補血・活血作用と組み合わさり、「温めながら血を補う」という温経湯独自の作用を発揮します。

月経不順・月経困難症への効果

虚寒(冷え)と血虚(血の不足)が重なって起こる月経遅延・希発月経・月経痛に対して、温めて血を補うことで月経周期を整えます。当帰芍薬散が「むくみを伴う冷え・貧血」に適するのに対し、温経湯は「乾燥を伴う冷え・月経遅延」に適しています。

不妊への補助的効果(研究)

温経湯は不妊治療の補助として日本の生殖医療領域で活用されています。子宮内膜の血流改善・卵巣機能サポートを目的とした使用が報告されています。ただし、有効性が確立されたエビデンスは限定的です。

更年期障害への効果

更年期のほてり・のぼせだけでなく、「冷えとほてりが混在する」——更年期特有のホットフラッシュと同時に手足は冷える——という複雑な症状に、温経湯の補陰(麦門冬・阿膠)と温め(呉茱萸・桂皮)のバランスが有効なことがあります。

皮膚乾燥・アンチエイジング的効果

阿膠(アキョウ:コラーゲン様成分を含む)と麦門冬(バクモンドウ)が陰液(体の潤い)を補い、皮膚・粘膜の乾燥を改善します。チック症・アトピー性皮膚炎の乾燥型に活用されることもあります。

当帰芍薬散・桂枝茯苓丸との使い分け

漢方薬

冷え

乾燥

むくみ

熱症状

向いている月経異常

温経湯(106番)

強い(下腹部)

あり(口唇・皮膚)

なし

手掌ほてり

月経遅延・希発・稀発月経

当帰芍薬散(23番)

あり

なし

あり(むくみ)

なし

月経不順全般・貧血

桂枝茯苓丸(25番)

下肢の冷え

なし

なし

のぼせ・ほてり

瘀血(血の滞り)による月経痛

加味逍遙散(24番)

冷えとほてり混在

なし

軽度

のぼせ・ほてり強い

PMSの精神症状・月経不順

副作用と注意事項

  • のぼせ・ほてりの悪化:呉茱萸・桂皮の温める作用で、熱証(のぼせ・ほてりが強い)の方には向かない
  • 胃腸症状:半夏・生姜が胃腸を刺激することがある(食前服用で軽減できることがある)
  • 偽アルドステロン症:甘草含有のため、長期服用では血圧・電解質に注意
  • 妊娠中の注意:呉茱萸・桂皮・牡丹皮は妊娠中禁忌とされる成分が含まれるため、妊娠が確定したら服用を中止し医師に相談
  • 出血傾向:当帰・川芎の活血作用、牡丹皮の活血作用。抗凝固薬との組み合わせは医師に申告

よくある質問(FAQ)

Q. 温経湯は不妊治療に効きますか?

補助的に使用されることがありますが、不妊治療の効果を直接上げるという確立されたエビデンスは現時点では限定的です。子宮内膜・卵巣機能への補助的な体質改善として、担当医の指示のもとで使用される位置づけです。

Q. 妊娠したら温経湯を飲み続けてもいいですか?

妊娠が確定したら、自己判断での服用継続はせず、直ちに担当医に相談してください。温経湯には妊娠中に慎重使用が必要な生薬(桂皮・牡丹皮・呉茱萸等)が含まれます。

Q. 当帰芍薬散と温経湯はどちらが自分に合いますか?

「むくみがある・貧血傾向・冷え」であれば当帰芍薬散、「乾燥がある・手掌がほてる・月経遅延・下腹部の冷え」であれば温経湯が適していることが多いです。正確な判断は漢方専門医または婦人科医に診てもらうことをおすすめします。

Q. 温経湯は更年期にも使えますか?

更年期の「冷えとほてりが混在する」複雑な症状に対して、温経湯が選択されるケースがあります。のぼせ・ほてりが非常に強い場合は加味逍遙散・桂枝茯苓丸が優先されることが多いため、婦人科医と相談してください。

Q. 温経湯はいつから効果が出ますか?

月経不順への効果は2〜3ヶ月の継続服用で現れることが多いです。皮膚乾燥・冷えへの効果は1〜2ヶ月で感じられるケースもあります。3ヶ月服用しても改善がない場合は処方の見直しを医師に相談してください。

まとめ:温経湯が適している方

温経湯は「手足が冷える・皮膚・唇が乾燥する・月経が遅れがち・手のひらがほてる」という特徴的な体質サインを持つ女性に最も適した漢方薬です。不妊治療との組み合わせや更年期の補助療法として婦人科で幅広く活用されています。妊娠確定後は服用中止が必要なため、不妊治療中の方は妊娠判定のタイミングを担当医と確認しておくことが大切です。

※本記事の情報は一般的な知識の提供を目的としており、個別の医療アドバイスを行うものではありません。具体的な服用については、必ず医師・薬剤師にご相談ください。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2