ディビゲル1mgは、1包1.0gにエストラジオール1mgを含む塗り薬です。更年期のほてり・発汗だけでなく、生殖補助医療にも使われます。目的によって包数・回数・黄体ホルモンとの組み合わせ・使用期間が違うため、処方された指示を最初に確認してください。
同じディビゲルでも、治療目的で用法が違います
| 治療の目的 | 使い方を確認する点 |
|---|---|
| 更年期障害・卵巣欠落症状に伴うほてり・発汗 | 添付文書の通常量は1日1回1包。子宮のある方は黄体ホルモンの併用方針も確認する |
| 生殖補助医療の卵巣刺激の開始時期を調整 | 使用日数と、後半に併用する黄体ホルモンの指示を確認する |
| 凍結融解胚移植のホルモン補充周期 | 更年期の用法とは包数・回数が違う。検査結果と妊娠経過を踏まえた指示を確認する |
| 塗る量を減らしたい・別のジェルへ変更したい | 半包に分ける、ポンプ数へ換算するなどの自己変更をせず、処方元へ相談する |
黄体ホルモンを含まないエストロゲン単独の製剤です。現行の製造販売元はオリオンファーマ・ジャパンです。PMDA:ディビゲル1mg添付文書(2025年10月改訂)
添付文書は、生殖補助医療での使用を一律に妊娠率向上へ結び付けず、治療法の違いによる妊娠率・生産率の報告も踏まえ、必要性とリスクを個別に判断するよう求めています。開始・変更は不妊治療に詳しい医師のもとで相談します。
塗る場所は大腿部か下腹部、1包あたり約400cm²です
- 左右いずれかの大腿部、または下腹部の、清潔で乾いた皮膚を選びます。上腕や臀部などへ自己判断で塗布部位を広げません。
- 処方された包数を開封後速やかに、自分で塗ります。1包あたり約400cm²が目安です。例えば20cm×20cmが400cm²に相当しますが、医師・薬剤師に実際の範囲を確認してください。
- 数分間、十分に乾かします。塗布後1時間以内は、塗った場所を洗いません。塗布後は手を洗います。
- なるべく日ごとに場所を変えます。胸部・顔・外陰部・粘膜、傷・湿疹・皮膚炎のある場所には塗りません。
5〜10cm四方へ狭く塗る案内や、承認範囲を大きく超えて塗り広げる方法は使いません。塗る面積も吸収に関わります。PMDAの患者向医薬品ガイド(塗り方の図は4ページ)を薬剤師と確認できます。
乾燥・人への接触・火気に注意します
塗布直後は塗った場所を他の人に触らせず、特に子どもが触れないようにします。必要に応じて衣服で覆ってください。乾いたことだけを、接触してよいという保証にはしません。
子どもの偶発的な接触では乳房の発育などの性的変化が起こるおそれがあります。接触が疑われる場合や体の変化に気づいた場合は、医師・薬剤師に相談してください。
アルコールを含むため換気を行い、乾くまで火気や喫煙を避けます。飲んだり、目に入れたりしないでください。同じ場所への保湿クリームや日焼け止めの影響は確認されていないため、「乾けば重ねてよい」とは案内せず、可能な限り同時使用を避けるという添付文書の注意を確認します。
半包への減量・塗り忘れ・妊娠後の継続は自己判断しません
この製剤には低用量製剤がなく、副作用のため減量が必要な場合は使用を中止するなどの処置を医師が判断します。「張りや頭痛があれば半包に減らす」という共通の方法はありません。他のエストラジオールジェルと、同じグラム数・ポンプ数で置き換えることもしません。
塗り忘れたときの対応は、処方された目的と次の使用時刻を伝えて確認してください。患者ガイドには使用し忘れから半日以内かどうかによる対応が載っていますが、治療目的ごとに回数も異なるため、治療先の指示が分からないまま重ね塗りしないことが大切です。
妊娠に関する注意も目的で異なります。更年期症状や卵巣刺激の開始時期の調整では妊婦・妊娠の可能性のある方への使用は禁忌です。一方、凍結融解胚移植のホルモン補充周期には、医師の判断で妊娠成立後も使う用法があります。
陽性を見て一律に中止したり、指定を超えて使い続けたりせず、終了時期を治療先に確認してください。添付文書は漫然と継続せず、最長でも妊娠10週を超えないとしています。
急な息切れ・胸痛・足の腫れは、すぐに受診します
塗り薬でも血栓症や重いアレルギー反応が起こることがあります。急な足の痛み・腫れ、胸の痛み、突然の息切れ、急な見え方の異常、じんましんに息苦しさやふらつきが伴う場合などは、使用を中止し、直ちに医師へ相談・受診してください。急激な呼吸困難や意識の異常がある場合は、救急要請を含めすぐに助けを求めます。
赤み・かゆみ、乳房の張り、不正出血、頭痛なども報告されています。長引く・繰り返す・強い症状は「6か月待つ」などの期限を置かず相談してください。これらを過量使用のサインだけと決めつけず、原因と対応を診察で確認します。
使用前の病歴と、継続中の確認事項
乳がんや血栓症などの既往、肝臓の病気、原因未確認の性器出血、授乳、手術や長期安静の予定、他の薬・サプリを伝えます。経皮薬だから肝臓の負担がない、血栓リスクが何分の1と保証することはできません。
更年期症状の治療では、子宮の有無と黄体ホルモン併用、血圧・乳房・婦人科の定期確認、症状の改善とリスクを踏まえた継続の必要性を相談します。保管は添付文書上は室温保存です。実際の保管と持ち運びは薬局の説明に従ってください。
出典と確認日
2026年10月26日に、2025年10月改訂の添付文書の適応・用法・禁忌・副作用・適用上の注意と、患者ガイド3〜6ページの使い方・注意を確認しました。
患者ガイドと添付文書の作成時期は異なるため、具体的な回数・期間は現行添付文書と処方指示を優先します。症状ごとに効き始める週数や妊娠・安全性を保証する記事ではなく、医師による個別監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。