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男性ホルモン補充療法(TRT)の効果・リスク・費用

2026/4/19

男性ホルモン補充療法(TRT)の効果・リスク・費用

男性ホルモン補充療法(TRT: Testosterone Replacement Therapy)は、加齢や疾患によりテストステロンが低下した男性に対してテストステロンを補充する治療法です。LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症)の改善に有効とされますが、適応・リスク・費用を正確に理解してから検討することが重要です。

TRT(男性ホルモン補充療法)とは

TRTはテストステロンを外部から補充することで、低テストステロン(男性低下症・LOH症候群)による症状を改善する医学的治療法です。日本泌尿器科学会・日本Men's Health医学会のガイドラインに基づいて実施されます。

TRTの主な適応(LOH症候群の症状)

  • 性欲低下・勃起障害(ED)
  • 疲労感・気力の低下
  • うつ傾向・気分の落ち込み
  • 筋肉量の低下・体脂肪増加
  • 骨密度低下
  • 集中力・記憶力の低下

これらの症状があり、血中テストステロン値が低値(総テストステロン250ng/dL未満が目安)の場合にTRTが検討されます。

TRTの種類と特徴

剤形

投与方法

頻度

特徴

筋肉注射(エナント酸テストステロン)

臀部または大腿に筋注

2〜4週に1回

日本で最も一般的。保険適用あり

ゲル剤(テストステロンゲル)

皮膚に塗布

毎日

血中濃度が安定。日本では自費のみ

貼付剤(パッチ)

皮膚に貼付

毎日〜数日に1回

日本では限定的

経口薬

内服

毎日

肝臓への負担。日本ではほぼ使用されない

日本で保険適用があるのは筋肉注射(エナント酸テストステロン:エナルモンデポー)で、性腺機能不全など特定の疾患に限定されます。

TRTの効果|期待できること・できないこと

期待できる効果

  • 性欲・性機能の改善(ED改善効果は中等度)
  • 筋肉量増加・脂肪減少(筋トレ併用でより効果的)
  • 気力・集中力・気分の改善
  • 骨密度の維持・改善

TRTで解決しない問題

  • 心理的・関係的な性的問題(カウンセリングが必要)
  • テストステロンが正常範囲なのに症状がある場合
  • 老化そのもの(老化プロセス全般を止めるものではない)

TRTのリスクと副作用

TRTには重要なリスクがあります。開始前に医師と十分に話し合う必要があります。

リスク

詳細

対策

赤血球増多症

テストステロンが赤血球産生を促進し、血栓リスクが上がる

定期的なヘマトクリット測定。Ht55%以上で中断

前立腺肥大・PSA上昇

前立腺に影響を与える可能性

前立腺がん除外後に開始。PSA定期測定

精子産生の抑制

外部からのテストステロン補充が視床下部-下垂体-精巣軸を抑制

妊娠希望がある場合はTRTは原則禁忌

睡眠時無呼吸症候群の悪化

テストステロンが上気道の筋肉緊張に影響

既往がある場合は慎重投与

注射部位の疼痛・硬結

筋注の局所反応

部位を変えながら投与

絶対禁忌:前立腺がん・男性乳がんの既往がある方はTRTを受けられません。必ず事前に泌尿器科でPSA・直腸診などの前立腺評価を受けてください。

費用|保険適用と自費の目安

項目

費用(目安)

備考

初診料・血液検査

3,000〜8,000円

テストステロン・LH・FSH・PSA等

筋肉注射(エナルモンデポー、保険適用時)

1回 500〜1,500円(3割負担)

疾患名が必要

自費診療(ゲル・注射)

月5,000〜2万円

クリニックにより大幅に異なる

定期モニタリング(血液検査)

年2〜4回、1回3,000〜5,000円

ヘマトクリット・PSA・肝機能等

LOH症候群(加齢性腺機能低下症)は現時点では保険適用の適応疾患として認められておらず、多くのクリニックでは自費診療になります。

TRT開始後のモニタリング

TRTは開始したら終わりではなく、定期的なモニタリングが必須です。

  • 開始3〜6ヶ月後:症状改善度・テストステロン値・ヘマトクリット・PSAを測定
  • その後は6〜12ヶ月ごとに継続評価
  • 症状が改善しない場合や副作用が出た場合は用量調整または中止を検討

よくある質問(FAQ)

Q. TRTを受けると子どもができなくなりますか?

A. TRTは精子産生を抑制するため、妊娠を希望する場合は原則として禁忌です。将来的に子どもを望む方は、精子産生を促進するhCG療法・クロミフェン療法など代替治療を検討してください。

Q. テストステロン値が低くても症状がなければTRTは必要ですか?

A. 症状がない場合はTRTを始める必要はありません。治療の目的は症状の改善であり、数値の改善のみを目的としたTRTは推奨されません。

Q. TRTで前立腺がんが発生しますか?

A. 現在の研究では、TRTが前立腺がんを引き起こすというエビデンスは確立されていません(飽和仮説)。ただし潜在的な前立腺がんを促進する可能性があるため、開始前のPSA・前立腺評価は必須です。

Q. TRTはいつまで続けますか?

A. 症状が続く間は継続することが多いですが、副作用リスクの観点から年1回以上の見直しが推奨されます。中断するとテストステロン値は低下前の状態に戻ります。

Q. 筋肉注射は痛いですか?

A. 個人差がありますが、油性製剤を使うため注射後に局所的な重さ・疼痛を感じる方がいます。クリニックで熟練した医師が行う場合は比較的軽微です。

まとめ

TRT(男性ホルモン補充療法)はLOH症候群・性腺機能低下症による症状改善に有効な治療法ですが、前立腺がん禁忌・精子産生抑制・赤血球増多症などのリスクを理解した上で専門医(泌尿器科・Men's Healthクリニック)と相談して始めることが重要です。費用は注射の場合、月5,000〜1万5,000円程度(自費)が目安です。

免責事項:本記事は医療情報の提供を目的とするものであり、診断・治療を推奨するものではありません。TRTの開始・継続は必ず専門医の指導のもとで行ってください。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2