EggLink

高温期のホルモン検査(黄体期検査)でわかること

2026/4/19

高温期のホルモン検査(黄体期検査)でわかること

高温期(黄体期)のホルモン検査では、排卵後に卵巣から分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)の値を測定し、排卵が正常に起きているか・黄体機能が十分かを確認します。基準値は生理周期の21〜22日目(または排卵後7日前後)に測定して10ng/mL以上が目安です。

この記事のポイント

  • 高温期ホルモン検査でわかる3つの重要情報
  • 検査タイミングと基準値の読み方
  • 結果が低かった場合の対処法と治療の流れ

高温期ホルモン検査でわかること

排卵後の高温期(黄体期)に測定するホルモン検査は主に3つの情報を提供します。排卵確認・黄体機能評価・着床環境の判断が目的です。

検査でわかる3つのこと

  1. 排卵が起きたかどうか:プロゲステロンが上昇していれば排卵した証拠
  2. 黄体機能が十分か:プロゲステロン値が基準以下なら黄体機能不全の可能性
  3. 着床に適した子宮環境か:プロゲステロンは子宮内膜を着床に適した状態に維持する

検査のベストタイミング

高温期ホルモン検査は排卵後7日前後(生理周期の21〜22日目が目安)に受けるのが最適です。この時期がプロゲステロンのピーク値に相当します。

タイミング別の目安

月経周期の長さ

推奨検査日

排卵予測日からの換算

28日周期

21〜22日目

排卵後7〜8日

30日周期

23〜24日目

排卵後7〜8日

35日周期

28〜29日目

排卵後7〜8日

不規則な場合

排卵検査薬陽性+7日後

排卵後7〜8日

体温が上がった日(高温相突入日)から7日前後が目安です。

基準値と結果の読み方

プロゲステロンの黄体期基準値は施設により若干異なりますが、一般的に10〜20ng/mL(31〜63 nmol/L)以上が正常とされています。

プロゲステロン値の解釈

測定値

解釈

対応

15ng/mL以上

黄体機能良好

経過観察

10〜15ng/mL

境界域(やや低め)

複数回測定・経過観察

5〜10ng/mL

黄体機能不全の可能性

追加検査・黄体補充療法を検討

5ng/mL未満

無排卵または高度黄体不全

排卵誘発・治療が必要

同時に測定されるホルモン

  • LH(黄体形成ホルモン):排卵トリガーの確認
  • エストラジオール(E2):子宮内膜の厚みと相関
  • hCG:妊娠の有無確認(妊娠可能性がある場合)

プロゲステロンが低かった場合の治療

黄体機能不全と診断された場合、黄体補充療法が行われます。プロゲステロン製剤の膣錠(ルティナス・ウトロゲスタン)または筋肉注射が用いられます。

治療選択肢

  • プロゲステロン膣錠:毎日膣内投与(痛みなし)
  • プロゲステロン筋注:週2〜3回注射
  • 合成黄体ホルモン(デュファストン):内服薬、保険適用
  • hCG注射:黄体刺激による内因性プロゲステロン増加

費用と保険適用

高温期ホルモン検査(プロゲステロン測定)は不妊検査として実施する場合、2022年4月以降は保険適用(3割負担)になりました。単独測定の場合の窓口負担は300〜800円程度です。

よくある質問

Q. 高温期が短いのと黄体機能不全は関係ある?

はい。黄体機能不全では高温期が10日未満に短縮することがあります。基礎体温の記録と合わせてプロゲステロン値を確認することで診断の精度が上がります。

Q. 何日目に受けても数値は同じ?

いいえ。プロゲステロンは排卵後7〜8日目にピークを迎え、その後急速に低下します。タイミングがずれると低値になることがあるため、検査日の記録が重要です。

Q. プロゲステロンが高すぎることはある?

黄体期に極端に高い値が出ることは稀ですが、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の際に高値になることがあります。不妊治療中の誘発周期では特に注意が必要です。

Q. 市販の排卵検査薬で排卵確認できればホルモン検査は不要?

LH検査薬は排卵のタイミング予測に有用ですが、排卵後の黄体機能(プロゲステロン産生量)は確認できません。妊娠を繰り返し試みても成功しない場合は血液検査での確認を推奨します。

Q. 妊娠中のプロゲステロンはどう変化する?

妊娠が成立すると胚からhCGが分泌されて黄体が維持され、プロゲステロンは妊娠8〜10週以降は胎盤から産生されるようになります。妊娠初期の正常値は25ng/mL以上が目安です。

まとめ

高温期のホルモン検査(黄体期検査)はプロゲステロン値を通じて、排卵確認・黄体機能評価・着床環境の判断ができる重要な不妊検査です。排卵後7〜8日目(生理21〜22日目前後)に受けるのが最適で、10ng/mL以上が正常の目安です。低値だった場合も黄体補充療法で対処でき、保険適用で費用負担も軽減されています。気になる症状や検査結果は必ず産婦人科医と相談してください。本記事は情報提供目的であり、医師の診断の代替ではありません。

E

この記事を書いた人

EggLink編集部

医療・婦人科専門メディア

産婦人科・婦人科に関する正確で信頼性の高い情報をお届けします。医療監修のもと、女性の健康に役立つコンテンツを制作しています。

公開:2026/4/19更新:2026/5/2