
「ホルモン検査」といっても、目的によって測定する項目が異なります。この記事では、婦人科・不妊検査で行われる主な血液検査の種類と、それぞれが何を調べるのかを解説します。
この記事でわかること
- 婦人科で行われる主なホルモン血液検査の種類と目的
- 各検査の正常値・測定タイミング
- 検査結果から何がわかるか
ホルモン血液検査の全体像
婦人科・不妊検査で行われる血液ホルモン検査は大きく「生殖に関わるホルモン」「妊娠・授乳に関わるホルモン」「全身に影響するホルモン」の3カテゴリに分けられます。
生殖に関わるホルモン検査
FSH・LH(卵胞刺激ホルモン・黄体化ホルモン)
- 測定目的: 卵巣機能・排卵障害・PCOS・閉経前後の評価
- 最適タイミング: 月経3〜5日目
- FSH正常値(月経3日目): 3〜10 mIU/mL
- LH正常値(月経3日目): 1〜10 mIU/mL
- 異常のサイン: FSH高値→卵巣機能低下、LH高値(FSHより高い)→PCOS疑い
E2(エストラジオール)
- 測定目的: 卵胞発育・エストロゲン欠乏の評価
- 最適タイミング: 月経3〜5日目(基準値)または排卵前(ピーク値)
- 正常値(卵胞期早期): 20〜100 pg/mL
- 異常のサイン: 低値→無排卵・早発閉経、高値→卵胞過剰発育・卵巣過剰刺激
プロゲステロン(P4)
- 測定目的: 排卵の確認・黄体機能の評価
- 最適タイミング: 排卵後6〜10日目(黄体期中期)
- 正常値(黄体期中期): 10 ng/mL以上
- 異常のサイン: 低値→排卵なし・黄体機能不全
AMH(抗ミュラー管ホルモン)
- 測定目的: 卵巣予備能(残り卵子数の指標)の評価
- 最適タイミング: 周期に関わらずいつでも可
- 目安値(30〜35歳): 2.0〜4.0 ng/mL程度
- 異常のサイン: 低値→卵巣予備能低下(早めの不妊治療開始を検討)、高値→PCOS疑い
プロラクチン(PRL)
- 測定目的: 高プロラクチン血症(排卵抑制による不妊の原因)の診断
- 最適タイミング: 月経3〜5日目(空腹時・安静後)
- 正常値(非授乳時): 15〜25 ng/mL以下
- 異常のサイン: 高値→月経不順・無排卵・不妊、下垂体腺腫の可能性
甲状腺ホルモン(TSH・FT4・抗TPO抗体)
- 測定目的: 甲状腺機能異常(不妊・流産の原因)の診断
- 最適タイミング: 周期に関わらずいつでも可
- TSH正常値: 0.4〜4.0 μIU/mL(妊娠希望時は2.5以下が望ましいとされる)
- 異常のサイン: TSH高値→甲状腺機能低下症(不妊・流産リスク)
男性ホルモン(テストステロン・DHEA-S)
- 測定目的: PCOS・多毛・ニキビの原因評価
- 最適タイミング: 月経3〜5日目
- 異常のサイン: 高値→PCOS、副腎腺腫・腫瘍の疑い
よくある質問
Q. 全部の検査を一度に受けられますか?
A. FSH・LH・E2・PRL・AMHは月経3〜5日目に同時測定できます。プロゲステロンは黄体期でないと測定しても意味がないため、別タイミングになります。甲状腺ホルモン・男性ホルモンはいつでも測定可能です。
Q. ホルモン検査は保険が使えますか?
A. 月経不順・不妊・内分泌疾患の疑いがある場合は保険適用で検査が受けられます。「不妊症の検査」として保険適用されるケースが多いです。
Q. 検査結果が出るまで何日かかりますか?
A. 一般的に採血から3〜7日で結果が出ます。AMHは少し時間がかかる場合があります。当日結果が出る施設もあります。
まとめ
ホルモン血液検査は目的によって測定項目と最適なタイミングが異なります。月経3〜5日目に多くの項目(FSH・LH・E2・PRL・AMH)を一度に測定できます。プロゲステロンは黄体期(排卵後6〜10日目)、甲状腺・AMHは周期に関わらず測定可能です。結果の解釈は担当医に相談してください。
免責事項
本記事は医療情報の提供を目的としており、診断・治療行為ではありません。検査については必ず担当医にご相談ください。基準値は施設・測定方法によって異なります。
E
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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公開:2026/4/19更新:2026/5/2
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