
ホルモン検査の結果を見て「数値が何を意味するかわからない」という方は多くいます。この記事では、不妊検査や婦人科で測定する主要ホルモンの正常値と、異常値が示すサインを解説します。
この記事でわかること
- 主要ホルモン(FSH・LH・E2・AMH・PRL)の正常範囲
- 各数値が高い・低い場合に考えられる状態
- 結果を医師に相談するタイミング
FSH(卵胞刺激ホルモン)の見方
FSHは脳下垂体から分泌され、卵胞の発育を促すホルモンです。月経周期の中でも特に月経3日目(卵胞期早期)の値が重要で、卵巣の「若さ」を反映します。
FSHの基準値(月経3日目)
状態 | FSH値の目安 |
|---|---|
正常 | 3〜10 mIU/mL |
境界域(要注意) | 10〜15 mIU/mL |
卵巣機能低下(高値) | 15 mIU/mL以上 |
閉経後 | 40 mIU/mL以上 |
FSHが高い(15以上)ということは、卵巣がうまく反応していないため、脳がより多くのFSHを出して刺激しようとしている状態です。卵巣予備能の低下のサインとなります。
LH(黄体化ホルモン)の見方
LHは排卵を引き起こすホルモンです。排卵の直前に急上昇(LHサージ)が起きます。
LHの基準値(月経3日目)
状態 | LH値の目安 |
|---|---|
正常 | 1〜10 mIU/mL |
高LH(PCOS疑い) | FSHより高い場合 |
LHサージ(排卵期) | 20〜100 mIU/mL以上 |
卵胞期にLHがFSHより高い値を示す場合は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性があります。
E2(エストラジオール)の見方
エストラジオール(E2)は卵胞から分泌される女性ホルモンです。卵胞の発育状況を反映します。
E2の基準値
月経周期の時期 | E2値の目安 |
|---|---|
卵胞期早期(月経3日目) | 20〜100 pg/mL |
排卵直前 | 200〜400 pg/mL以上 |
黄体期 | 100〜200 pg/mL |
閉経後 | 20 pg/mL以下 |
AMH(抗ミュラー管ホルモン)の見方
AMHは卵巣の「卵子の在庫量(卵巣予備能)」を示すホルモンです。月経周期に関わらず測定できるため、不妊検査で広く使われます。
AMHの基準値(年齢別)
年齢 | AMH中央値の目安 |
|---|---|
25〜30歳 | 3.0〜5.0 ng/mL程度 |
30〜35歳 | 2.0〜4.0 ng/mL程度 |
35〜40歳 | 1.0〜3.0 ng/mL程度 |
40歳以上 | 0.5〜2.0 ng/mL程度 |
AMHが低い=卵巣予備能が低いことを示しますが、「妊娠できない」という意味ではありません。残っている卵子の質や他のホルモン値との組み合わせで判断します。
プロラクチン(PRL)の見方
プロラクチンは乳汁分泌を促すホルモンですが、高値になると排卵を抑制して不妊の原因になることがあります(高プロラクチン血症)。
PRLの基準値
状態 | PRL値の目安 |
|---|---|
正常(非授乳時) | 15〜25 ng/mL以下 |
要精査 | 30 ng/mL以上 |
高プロラクチン血症 | 50 ng/mL以上 |
結果を受けて医師に確認すること
検査結果を受け取った際、以下の点を医師に確認するとより深く理解できます。
- 「この数値は自分の年齢・状況で正常範囲ですか?」
- 「追加で検査が必要な項目はありますか?」
- 「この数値が治療方針にどう影響しますか?」
よくある質問
Q. AMHが低いと妊娠できませんか?
A. AMHが低くても妊娠した事例は多くあります。AMHは卵巣予備能の「在庫量」の指標であり、残っている卵子の質を直接示すものではありません。低値の場合は早めの不妊治療開始を検討することが推奨されます。
Q. FSHが高い場合はどうすればいいですか?
A. FSH高値は卵巣機能低下のサインです。数値の程度・年齢・他の検査結果を総合して治療方針を決定します。FSHが高い場合でも体外受精で妊娠される方はいます。早めに不妊専門医に相談することをお勧めします。
Q. ホルモン検査はいつ受ければいいですか?
A. FSH・LH・E2は月経3〜5日目(卵胞期早期)、AMHは周期に関わらず測定できます。医師から「生理開始○日目に来てください」と指定される場合が多いです。
まとめ
ホルモン検査の主要な数値は、FSH(卵巣機能)・LH(排卵)・E2(卵胞発育)・AMH(卵巣予備能)・PRL(高値で不妊の原因)です。各数値は月経周期のどの時点で測定したかによって正常範囲が変わるため、検査のタイミングも重要です。数値に不安がある場合は必ず医師に相談してください。
免責事項
本記事は医療情報の提供を目的としており、診断・治療行為ではありません。検査結果については必ず担当医にご相談ください。基準値は施設・測定方法によって異なります。
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
産婦人科・婦人科に関する正確で信頼性の高い情報をお届けします。医療監修のもと、女性の健康に役立つコンテンツを制作しています。
Next Action

