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月経3日目のホルモン検査(Day3検査)の意味と基準値

2026/4/19

月経3日目のホルモン検査(Day3検査)の意味と基準値

月経3日目のホルモン検査(Day3検査)とは

Day3検査は月経周期の3日目前後(2〜5日目)に行う血液検査で、卵巣機能や下垂体ホルモンの基礎値を評価するための重要な検査です。不妊治療の初期評価、卵巣予備能の判定、月経不順の原因精査などの目的で広く実施されています。

なぜ月経3日目に検査するのか

月経周期の初期(卵胞期早期)はホルモンの基礎分泌状態を反映する時期であり、卵胞の発育が始まる前の「リセットされた状態」を測定できます。排卵期や黄体期にはホルモン値が大きく変動するため、基礎値の評価には適していません。

Day3検査で測定する主なホルモンと基準値

Day3検査では主に以下のホルモンを測定し、卵巣機能と視床下部-下垂体-卵巣系(HPG軸)の状態を総合的に評価します。

ホルモン

基準値(目安)

高値の意味

低値の意味

FSH(卵胞刺激ホルモン)

3〜10 mIU/mL

卵巣予備能の低下

下垂体機能低下の可能性

LH(黄体形成ホルモン)

2〜7 mIU/mL

PCOS(LH/FSH比≧2)

下垂体機能低下

E2(エストラジオール)

20〜60 pg/mL

卵胞の早期発育(残存嚢胞)

卵巣機能低下

PRL(プロラクチン)

3〜15 ng/mL

高プロラクチン血症(排卵障害)

AMH(抗ミュラー管ホルモン)

年齢により異なる

PCOS・卵巣予備能高

卵巣予備能低下

TSH(甲状腺刺激ホルモン)

0.5〜4.0 μIU/mL

甲状腺機能低下症

甲状腺機能亢進症

※基準値は検査機関や測定法により多少異なります。

FSH値の読み方と卵巣予備能

Day3検査で最も注目されるのがFSH値です。FSHは卵巣に「卵胞を育てなさい」と指令を出すホルモンで、卵巣の反応が悪くなると下垂体がFSH分泌を増やして対応しようとするため、FSH高値=卵巣予備能低下のサインとして解釈されます。

FSH値と卵巣予備能の関係

FSH値

解釈

治療への影響

10 mIU/mL未満

正常範囲

排卵誘発への反応良好が期待

10〜15 mIU/mL

やや高め(境界域)

AMHや胞状卵胞数と併せて評価

15〜20 mIU/mL

卵巣予備能の低下

高用量の排卵誘発が必要な可能性

20 mIU/mL以上

著明な低下

体外受精でも採卵困難な可能性

ただし、FSH値は月経周期ごとに変動することがあり、1回の測定だけで判断しないことが重要です。AMH値や超音波での胞状卵胞数(AFC)と組み合わせて総合的に評価します。

LH/FSH比とPCOSの診断

Day3検査ではLHとFSHの比率も重要な指標です。正常ではLHとFSHはほぼ同程度か、FSHがやや高い状態ですが、PCOSではLHがFSHより優位になるパターンが特徴的です。

LH/FSH比の解釈

  • LH/FSH比 ≧ 2〜3 — PCOSを示唆(ただし全例で認められるわけではない)
  • LH高値+FSH正常〜低値 — 典型的なPCOSパターン
  • LH・FSHともに低値 — 視床下部性の排卵障害(体重減少、ストレス等)

日本のPCOS診断基準(2007年改訂)では、LH/FSH比は参考所見の一つであり、超音波での多嚢胞性卵巣所見や月経異常と組み合わせて診断されます。

AMH検査の位置づけ

AMH(抗ミュラー管ホルモン)は卵巣内に残っている原始卵胞数の指標で、月経周期のどの時期でも測定可能ですが、Day3検査と同時に行われることが多いホルモンです。

年齢別AMH基準値の目安

年齢

AMH(ng/mL)

25〜30歳

3.0〜7.0

31〜35歳

2.0〜5.0

36〜40歳

1.0〜3.0

41〜45歳

0.5〜2.0

AMHは卵子の「数」の指標であり、「質」を反映するものではありません。AMHが低くても質の良い卵子が排卵される可能性はあるため、AMH値だけで妊娠の可能性を断定することはできません。

検査結果の活用と次のステップ

Day3検査の結果は、不妊治療の方針決定や月経異常の原因特定に直結します。結果に応じた一般的な対応を整理します。

結果別の対応フロー

  • FSH高値+AMH低値 → 卵巣予備能低下。早期の体外受精を検討
  • LH/FSH比高値�strong> → PCOSの精査。超音波検査・インスリン抵抗性の評価へ
    • PRL高値 → 高プロラクチン血症の精査。MRI(下垂体腫瘍の除外)・甲状腺機能確認
    • TSH異常 → 甲状腺疾患の精密検査。甲状腺専門医への紹介
    • 全て正常範囲 → 他の不妊原因(卵管因子・子宮因子・男性因子)の精査へ
  • よくある質問

    月経3日目ちょうどでなくても検査できますか?

    月経2〜5日目の範囲であれば問題ありません。5日目を過ぎると卵胞発育の影響でホルモン値が変動し始めるため、できるだけ早い時期の受診が望ましいとされています。

    Day3検査の費用はどのくらいですか?

    不妊症の診断目的であれば保険適用で、3割負担の場合2,000〜5,000円程度です。AMHは検査機関によって自費になることがあり、別途5,000〜8,000円程度かかる場合があります。

    月経不順でDay3がわからない場合は?

    無月経や月経不順の場合は、薬で月経を起こしてから検査する方法(ゲスターゲンテスト後のDay3)や、任意のタイミングで基礎検査を行う方法があります。主治医の判断に従ってください。

    Day3検査の結果が悪いと妊娠できませんか?

    必ずしもそうではありません。FSHやAMHは卵巣予備能の指標であり、卵子の質を直接反映するものではないためです。治療方針の最適化に活用される検査であり、1回の結果だけで妊娠の可否を断定することはできません。

    毎月検査する必要がありますか?

    通常は治療開始前の1〜2回で十分です。ただし、治療中に卵巣反応が変化した場合や、前回の値と乖離がある場合は再検査することがあります。

    まとめ

    月経3日目のホルモン検査(Day3検査)は、FSH・LH・E2・PRL・AMHなどを測定して卵巣機能と内分泌バランスを評価する基本的な検査です。不妊治療の方針決定、PCOS・高プロラクチン血症の診断、卵巣予備能の把握に不可欠な情報を提供します。結果の解釈は単一の数値ではなく、複数の項目を総合的に判断することが重要です。

    月経不順や不妊でお悩みの方は、産婦人科でDay3検査を受けることで治療への第一歩を踏み出せます。検査結果について不明な点があれば、主治医に詳しく説明を求めましょう。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/4