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IGF-1(インスリン様成長因子)とは?成長ホルモンとの関係

2026/4/19

IGF-1(インスリン様成長因子)とは?成長ホルモンとの関係

「IGF-1って何?」「成長ホルモンとの違いは?」——IGF-1(インスリン様成長因子-1)は成長ホルモン(GH)の刺激を受けて主に肝臓で産生されるペプチドホルモンで、細胞の増殖・修復・代謝に広く関与しています。

【この記事のポイント】

  • IGF-1は成長ホルモンの「実行部隊」として骨・筋肉・臓器の成長を促す
  • 血中IGF-1は成長ホルモン分泌のスクリーニング指標として使われる
  • 加齢とともに低下し、更年期以降の筋力低下・骨密度減少に関与する

IGF-1とは——成長ホルモンの「実行役」

IGF-1(Insulin-like Growth Factor-1)は70個のアミノ酸からなるペプチドホルモンで、インスリンと構造が類似しています。成長ホルモン(GH)が下垂体から分泌されると、肝臓を中心にIGF-1が産生され、全身の組織に作用します。

GHとIGF-1の役割分担

項目

成長ホルモン(GH)

IGF-1

分泌元

下垂体前葉

肝臓(GH刺激で産生)

分泌パターン

パルス状(特に睡眠中)

比較的安定した血中濃度

直接作用

脂肪分解・血糖上昇

細胞増殖・骨成長・筋タンパク合成

検査の意義

測定が困難(パルス状のため)

GH分泌能の安定した指標

IGF-1の主な機能——骨・筋肉・脳への作用

IGF-1は全身のほぼすべての組織に受容体があり、以下の多様な機能を果たしています。

骨の成長と維持

IGF-1は骨芽細胞を活性化し、骨形成を促進します。小児期の身長の伸びに必須であり、成人期以降も骨密度の維持に寄与します。

筋肉の発達と修復

筋タンパク質の合成を促進し、運動後の筋線維の修復にも関与します。加齢によるIGF-1低下はサルコペニア(加齢性筋肉減少症)の一因です。

脳の神経保護

IGF-1は神経細胞の生存・シナプス可塑性に関与し、認知機能の維持に寄与するとされています。

加齢によるIGF-1の低下——ソマトポーズ

IGF-1の血中濃度は思春期にピークを迎え、その後は年齢とともに低下します。30歳以降は10年ごとに約14%ずつ減少するとされ、この現象を「ソマトポーズ」と呼びます。

女性特有の変化

女性の場合、閉経前後にエストロゲンが低下するとGH分泌もさらに減少し、IGF-1の低下が加速します。これが更年期以降の骨密度低下・筋力低下・肌のハリ減少に寄与しています。

IGF-1を維持する生活習慣

薬物投与なしでIGF-1レベルを維持するには、成長ホルモンの分泌を促す生活習慣がカギになります。

  • 質の高い睡眠:GHの70%以上は深い睡眠(ノンレム睡眠段階3)中に分泌される。就寝後最初の90分が重要
  • 筋力トレーニング:高強度のレジスタンス運動はGH分泌を急増させる
  • 十分なたんぱく質摂取:体重1kgあたり1.0〜1.2gを目安に
  • 間欠的断食:12〜16時間の断食がGH分泌を促すとの報告がある(ただし極端な制限は逆効果)
  • 適正体重の維持:肥満はGH分泌を抑制する

IGF-1の検査——基準値と測定の意義

IGF-1は血液検査で安定して測定でき、成長ホルモン分泌能の評価に広く使われています。

基準値の目安(成人女性)

年齢

基準値(ng/mL)

20-30歳

120〜400

30-40歳

100〜330

40-50歳

80〜280

50-60歳

70〜240

60歳以上

50〜200

異常低値の場合は成人GH分泌不全症の精査が必要です。異常高値の場合は先端巨大症の可能性を検討します。

IGF-1とがんリスク——「高すぎても問題」の論争

IGF-1は細胞増殖を促すため、高値が一部のがん(乳がん・大腸がん・前立腺がん)のリスク上昇と関連するとの疫学研究があります。ただし、これは「生理的範囲を超えた高値」の場合であり、正常範囲内のIGF-1維持を目指すことは健康上の問題にはなりません。

よくある質問(FAQ)

Q. 成長ホルモンの注射でIGF-1を上げることはできますか?

A. 成人GH分泌不全症と診断された場合は保険適用でGH注射が可能です。アンチエイジング目的での自費投与は効果とリスクのバランスに議論があります。

Q. IGF-1が低いと身長は伸びませんか?

A. 小児期のIGF-1欠乏は低身長の原因になります。骨端線が閉じる前であれば、GH治療で身長改善が期待できます。

Q. 筋トレとランニング、どちらがIGF-1を上げますか?

A. 高強度の筋力トレーニングのほうがGH・IGF-1の分泌促進効果が大きいとされます。有酸素運動も効果がありますが、強度によります。

Q. 大豆イソフラボンはIGF-1に影響しますか?

A. 一部の研究では大豆たんぱくの摂取がIGF-1値をやや低下させるとの報告がありますが、通常の食事量では臨床的に問題になるレベルではありません

Q. 妊娠中のIGF-1はどうなりますか?

A. 妊娠中はIGF-1が上昇し、胎児の成長と胎盤の発達を支えます。妊娠糖尿病ではIGF-1の調節が乱れることがあります。

まとめ

IGF-1は成長ホルモンの刺激で産生される「実行役」のホルモンで、骨・筋肉・脳の健康に広く関与しています。加齢とともに低下しますが、質の高い睡眠・筋力トレーニング・適切なたんぱく質摂取で維持が可能です。

次のステップへ

更年期以降の筋力低下や骨密度の心配がある方は、筋力トレーニングの習慣化と睡眠の質の改善から始めてみてください。気になる場合は内分泌内科でIGF-1の測定が可能です。

E

この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/4