予定に合わせて月経を早めたり遅らせたりするために、医師がホルモン剤を処方することがあります。選べる方法は、現在の周期、すでに使っている薬、希望する日程や健康状態によって異なります。予定がわかった段階で早めに婦人科へ相談し、自分で服用日や錠数を決めないでください。
予定日と使っている薬を伝え、計画を確認します
| 気になる状況 | 対応・確認すること |
|---|---|
| 旅行・試験などと月経が重なりそう | 最終月経、普段の周期、避けたい日程を控えて早めに相談する |
| すでにピルを服用している | 製品名とシートの何錠目かを伝える。休薬や錠剤の順番を自己変更しない |
| 妊娠の可能性・授乳・持病がある | 処方前に伝え、使える薬か確認する |
| 飲み忘れ・嘔吐・予定外の出血がある | 薬名と服用状況を伝えて相談する。自己増量で調節しない |
| 急な息切れ・胸痛、脚の急な痛みや腫れ | 服用を中止し、すぐに救急医療機関を受診する |
血栓症は服用中の注意すべき副作用です。激しい頭痛、手足の脱力・まひ、言葉が出にくい、急な視力の異常も緊急の目安です。血栓症が疑われる症状は軽くても服用を中止し直ちに医療へ相談し、使っている薬を伝えてください。
短期間なら重い副作用はない、と考えて我慢しないようにしましょう。PMDA:プラノバールの重要な基本的注意
早める方法と遅らせる方法があります
早める場合は、予定より前の周期から薬を使い、中止後の出血を利用するなどの方法があります。遅らせる場合は、周期のどの時期に受診したかに応じ、出血を避けたい時期まで服用する計画などを検討します。
東京大学医学部附属病院の公開ハンドブックも、一時的な調節と、継続して日程に合わせる調節を分けて説明しています。
希望する日が近いほど、早める方法を含め選択肢が限られることがあります。薬の種類・服用期間・個人差によって希望どおりにならない場合や、途中で出血する場合もあります。
「直前でも必ず止められる」という保証ではありません。東京大学医学部附属病院:女性アスリートのための月経対策ハンドブックVer.3(本文54〜58頁)
開始日・終了日は、自分の処方で確かめます
診察では、薬名、いつからいつまで何錠飲むか、出血した場合や飲み忘れ・吐いた場合の連絡方法を確認します。薬の名前が似ていても、成分や目的、飲み忘れ時の対応が同じとは限りません。前の処方の残りや、他の人の薬で調節しないでください。
すでに経口避妊薬(OC)や治療用の低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)を使っている場合も、製品によって服用・休薬のルールが違います。三相性の錠剤の一部分だけを追加する、休薬を勝手に延ばすなどの変更をせず、処方元で日程を相談します。
月経移動と避妊は、別に確認が必要です
月経を動かすためにホルモン剤を飲んだことだけで、避妊できているとは判断できません。使う薬の承認目的、服用開始日、飲み忘れ等によって確認する内容が違います。避妊が必要な場合はそのことを伝え、コンドームなどの方法を含め指示を確認してください。
プラノバールの電子添文は、妊娠中・妊娠している可能性がある人への投与を禁じています。月経が遅れている、普段と違う出血があるなどの場合は、調節の前に診察で原因を確認します。自己判断で妊娠を除外して飲み始めないでください。
吐き気や出血も、対処を処方元へ相談します
ホルモン剤で吐き気や頭痛、予定外の出血などが起こることがあります。血栓症が疑われる場合の中止・受診を優先し、それ以外も症状が続く、つらい、判断に迷うときは連絡してください。「イベントまで我慢する」「出血したら追加する」と決めず、使用状況を伝えて指示を受けます。
市販の鎮痛薬・吐き気止め、処方薬、サプリを自己追加する前に、医師・薬剤師へ確認します。喫煙、血栓症や肝臓病の既往、片頭痛、手術・長期安静、妊娠・授乳も伝えてください。薬ごとに禁忌や注意点が異なります。PMDA:プラノバール患者向医薬品ガイド
費用は診察・薬の日数・追加対応を確認します
社会的な予定に合わせた月経移動は原則自費診療とされています。診察料、薬の種類・日数、追加の薬や再診、配送を利用する場合の費用など、表示額に何が含まれるかを確認してください。月経の病気の治療や不妊治療での使用と、月経移動の費用条件を同じに扱わないようにします。
出典と確認日
2026年10月30日に、婦人科外来編2023の月経調節の採用節、東京大学医学部附属病院の公開ハンドブックVer.3(2018年3月発行)の採用頁、PMDA現掲載プラノバール電子添文(2024年7月改訂)と患者向ガイド(2020年7月更新)の採用頁を照合しました。
ハンドブックの競技別の服薬例を、全員の処方として当てはめてはいません。個別の処方や医師監修を行った記事ではありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。