フェゾリネタントは、更年期に伴うほてり・発汗(血管運動神経症状)を対象にした非ホルモン性の薬です。日本については、アステラス製薬が2026年8月7日に製造販売承認申請を発表しています。海外の承認年や製品名を、そのまま日本の承認・保険適用・薬価として扱うことはできません。
日本の申請発表と、海外の承認を分けて読む
| 確認すること | 区別したい点 |
|---|---|
| 日本 | 2026年8月7日付で製造販売承認「申請」を公表。申請は承認取得や発売、保険適用と同じではない。 |
| 米国 | FDAはVEOZAH(fezolinetant)を2023年5月に承認。米国の適応・用法・安全管理であり、日本の処方条件ではない。 |
| 国内の費用・処方 | 本記事では国内承認・薬価収載や保険価格の確認に至っていない。海外の用量・金額から日本の負担額を計算しない。 |
国内で利用できる治療を知りたい場合は、婦人科などで相談し、メーカーの最新発表やPMDAの新医薬品承認品目一覧などで状況を確認してください。この記事を、国内で処方されることや費用の保証として使わないでください。
ホルモンを補充せず、体温調節に関わる経路に作用する
フェゾリネタントは、ニューロキニン3(NK3)受容体拮抗薬に分類されます。体温調節に関わるニューロキニンBの作用を受容体で抑える仕組みで、エストロゲンを補充するHRTとは作用が異なります。
「非ホルモン性」でも、副作用や併用できない薬がないという意味ではありません。HRTが使えない人や、がん治療中の人が必ず安全に使えると判断することもできません。持病と治療内容を医療者に伝える必要があります。
重い肝障害について、海外で強い警告が出ている
FDAは、まれでも重い肝障害が起こり得ることを警告し、2024年12月に最も強い注意を示す枠付き警告を追加しました。2026年2月改訂の米国添付文書にも、治療前と治療中の肝機能検査、症状が出た場合の中止と診察が記載されています。
米国の添付文書では、開始前に加え、開始後最初の3か月は毎月、その後6か月・9か月時点にも肝機能検査を行うとされています。これは米国での安全管理の説明で、日本での自己使用の手順ではありません。
すでに使用していて、肝障害を疑う症状がある場合
海外などでフェゾリネタントを使用中に、いつもと違う強い疲れ、食欲低下、吐き気・嘔吐、かゆみ、皮膚や白目が黄色い、便が白っぽい、尿が濃い、腹痛などが現れた場合、FDAと米国添付文書は、直ちに服用を中止し医療機関へ連絡するよう案内しています。次の定期検査まで待たず、薬の名前と使用期間を伝えてください。
この案内を、別の薬を一律に中止する指示として当てはめないでください。意識が遠のく、動けないなどの場合は救急の診察を求めます。
併用薬・肝臓や腎臓の病気を必ず伝える
米国添付文書には、肝硬変、重い腎機能障害・末期腎疾患、CYP1A2阻害薬との併用などの禁忌が記載されています。「強い阻害薬だけに注意すればよい」と限定しないでください。
薬の相互作用は自分で一覧から判定せず、処方薬、市販薬、サプリメントを医師・薬剤師へ伝えます。個人輸入品を自己判断で始めたり、他人の処方薬を使ったりしないでください。
ほてり・発汗で困るとき、診察で確認したいこと
- 症状が出る時間・回数だけでなく、睡眠や仕事への影響。
- これまで試した薬・サプリと、効果や副作用。
- がんや肝臓・腎臓の病気、現在の治療、使用中の薬。
- 国内で利用できる治療と、自分に必要な検査・費用。
HRTの効果とリスクを相談するときの考え方も参考になります。治療法の比較は、異なる試験の改善率を並べるだけで決めず、自分の症状・持病・希望と合わせて相談してください。
確認した資料
2026年10月24日に確認。海外の承認・添付文書は日本の承認や用法を示すものではありません。使用中の薬は手元の説明書と医療者の指示を確認してください。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。