
ジエノゲスト(ディナゲスト)とは?効果・副作用・ピルとの違い
ジエノゲスト(商品名:ディナゲスト)は、子宮内膜症と子宮腺筋症の治療に特化したプロゲスチン製剤です。低用量ピルとは異なりエストロゲンを含まないため、血栓リスクが低く長期投与が可能という特長があります。
【この記事のポイント】
・ジエノゲストは子宮内膜症・子宮腺筋症の保険適用治療薬で、月経痛を80〜90%軽減
・不正出血が最も多い副作用で約70%に見られるが、多くは継続で減少する
・GnRHアゴニストと異なり骨密度低下が少なく、長期投与が可能
ジエノゲストの作用メカニズム
ジエノゲストは子宮内膜組織に直接作用して増殖を抑制し、同時に卵巣でのエストロゲン産生を緩やかに低下させる「局所+中枢」の二重作用で子宮内膜症を治療します。
- 子宮内膜への直接作用:内膜組織の増殖を抑制、アポトーシス(細胞死)を促進
- 排卵抑制:下垂体ゴナドトロピン分泌を抑え排卵を抑制
- 抗炎症作用:炎症性サイトカインの産生を低下
- 血管新生抑制:子宮内膜症病巣への血流を減少
ジエノゲストと低用量ピルの違い
最大の違いはエストロゲン(EE)の含有の有無であり、ジエノゲストにはEEが含まれないため血栓症リスクが低く、40歳以上や喫煙者にも使用しやすい点が特長です。
項目 | ジエノゲスト | 低用量ピル(LEP) |
|---|---|---|
エストロゲン含有 | なし | あり(EE 20〜30μg) |
血栓リスク | 低い | やや上昇 |
避妊効果 | 単独では避妊目的の使用不可 | あり(99.7%) |
投与期間の制限 | なし(長期投与可能) | なし |
不正出血の頻度 | 高い(約70%) | 中程度(10〜20%) |
骨密度への影響 | 軽度(GnRHアゴニストより少ない) | 影響なし |
保険適用 | 子宮内膜症・子宮腺筋症 | 月経困難症・子宮内膜症 |
1か月の費用(3割負担) | 約3,000〜4,000円 | 約1,500〜2,500円 |
ジエノゲストの効果|臨床データ
国内の臨床試験では、ジエノゲスト投与24週後に月経痛スコアが約80〜90%改善し、子宮内膜症の病巣縮小効果も確認されています。
- 月経痛VASスコアが24週で約80%改善
- チョコレート嚢胞の縮小効果(約30〜40%の体積減少)
- 骨盤痛・性交痛・排便痛の改善
- 術後の再発予防効果(再発率を約50%低下)
副作用と対処法|不正出血が最大の課題
ジエノゲストの最も頻度の高い副作用は不正出血(約70%)であり、治療継続の障壁となるケースがあるため、事前の説明と対処が重要です。
副作用 | 頻度 | 対処法 |
|---|---|---|
不正出血 | 約70% | 継続で多くは減少。持続する場合は一時的にEE製剤を併用 |
頭痛 | 約10〜15% | 鎮痛剤で対処 |
ほてり | 約5〜10% | エストロゲン低下に伴う一過性の症状 |
気分変動 | 約5% | 持続する場合は減量・中止を検討 |
体重増加 | 約3〜5% | 食事管理・運動で対応 |
ジエノゲストの服用方法と注意点
ジエノゲストは1日2回(朝・夕)各1mg、月経2〜5日目から服用を開始します。休薬期間はなく、連日服用を継続します。
- 1回1mg、1日2回(合計2mg/日)
- 食後に服用(胃腸への負担軽減)
- 服用中は避妊効果が保証されないため、別の避妊法を併用
- 定期的な検査(6か月ごとの超音波・血液検査)が推奨
ジエノゲストが適している方・適していない方
血栓リスクがある方や40歳以上の方、GnRHアゴニストの副作用が問題となった方に特に適しており、一方で妊活中の方には使用できません。
適している方
- 子宮内膜症・子宮腺筋症と診断された方
- 低用量ピルの血栓リスクが気になる方
- 40歳以上の方
- 術後の再発予防を希望する方
適していない方
- 妊娠中・授乳中の方
- 重度の肝機能障害がある方
- 診断未確定の不正出血がある方
- 避妊もピル1剤でカバーしたい方
よくある質問(FAQ)
Q. ジエノゲストはいつまで飲み続ける必要がありますか?
A. 投与期間に上限はなく、効果があり副作用が許容範囲であれば長期間の継続が可能です。閉経が近い方は閉経まで服用を続ける場合もあります。
Q. ジエノゲストで生理は止まりますか?
A. 排卵が抑制されるため通常の月経は消失しますが、不正出血の形で出血が続くことがあります。約6か月以降は出血量・頻度ともに減少する傾向があります。
Q. ジエノゲストをやめたら妊娠できますか?
A. 中止後約1〜2か月で排卵が再開するのが一般的です。妊娠への悪影響はなく、子宮内膜症による妊孕性低下を防ぐ効果も期待されています。
Q. ジエノゲストのジェネリックはありますか?
A. ジエノゲスト錠1mg「モチダ」「DSEP」など複数のジェネリックが発売されており、先発品より費用を抑えられます。
Q. 不正出血がひどい場合はどうすればよいですか?
A. 一時的にプラノバール等のエストロゲン含有製剤を短期間併用する方法(アドバック療法)があります。主治医に相談してください。
まとめ
ジエノゲストは子宮内膜症・子宮腺筋症に特化した治療薬で、エストロゲンを含まないため血栓リスクが低く長期投与が可能です。不正出血が最も多い副作用ですが継続で軽減する傾向があり、月経痛の改善効果は80〜90%と報告されています。
子宮内膜症の治療は主治医と一緒に選択を
ジエノゲスト・低用量ピル・GnRHアゴニストなど、子宮内膜症の薬物治療には複数の選択肢があります。年齢・妊娠希望の有無・副作用の許容度を主治医に伝え、自分に最適な治療を見つけてください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
産婦人科・婦人科に関する正確で信頼性の高い情報をお届けします。医療監修のもと、女性の健康に役立つコンテンツを制作しています。
Next Action

