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銅付加IUD(ノバT)とは?ミレーナとの違いと適応

2026/4/19

銅付加IUD(ノバT)とは?ミレーナとの違いと適応

銅付加IUD(ノバT)とは?ミレーナとの違いと適応

銅付加IUD(ノバT)は、ホルモンを使わずに子宮内に留置するだけで高い避妊効果を得られる避妊具です。日本で使用できるIUDにはノバTとミレーナの2種類がありますが、ホルモンの有無や費用、副作用が異なるため、自分の体質やライフステージに合った選択が重要です。この記事では、産婦人科の視点からノバTの仕組み・ミレーナとの違い・挿入の流れまでを解説します。

要約

  • ノバTは銅イオンの作用で精子の運動能力を低下させ、ホルモンなしで避妊する子宮内避妊具
  • 避妊効果はミレーナとほぼ同等(年間妊娠率0.6〜0.8%)だが、月経量への影響が異なる
  • ミレーナは月経量を減らす一方、ノバTは月経量がやや増加する傾向がある
  • ノバTの使用期間は最長5年、費用は自費で3〜5万円程度
  • 経産婦が主な適応だが、未産婦でも条件を満たせば使用できる場合がある

銅付加IUD(ノバT)の仕組み――ホルモンを使わず銅イオンで避妊する

ノバTはT字型のプラスチックフレームに銅線が巻かれた構造で、子宮内に留置して使用します。銅イオンが子宮腔内に持続的に放出されることで、精子の運動能力と受精能力を低下させます。さらに子宮内膜に軽度の無菌性炎症反応を起こし、受精卵の着床を阻害する作用もあります。

ホルモンを含まないため、排卵は通常どおり起こります。ホルモン剤による副作用(頭痛・気分変動・不正出血など)を避けたい方にとって、有力な選択肢です。挿入後すぐに避妊効果が発揮される点も特徴です。

ノバTとミレーナの違い――ホルモン有無・避妊率・副作用・費用を比較

日本で使用できるIUDはノバTとミレーナの2種類で、最大の違いはホルモンの有無です。以下の比較表で主な項目を整理します。

項目

ノバT(銅付加IUD)

ミレーナ(LNG-IUS)

有効成分

銅イオン

レボノルゲストレル(黄体ホルモン)

避妊の仕組み

精子の運動能力低下・着床阻害

子宮内膜の菲薄化・頸管粘液の変化

年間妊娠率

約0.6〜0.8%

約0.2%

月経量への影響

やや増加する傾向

減少(無月経になる場合もある)

ホルモン性の副作用

なし

頭痛・気分変動・不正出血の可能性

使用期間

最長5年

最長5年

費用(自費)

約3〜5万円

約5〜8万円

保険適用

なし

過多月経・月経困難症で適用あり

避妊率はどちらも高い水準ですが、ミレーナがわずかに優位です。一方、ホルモンを体内に入れたくない方や、ホルモン製剤で副作用が出た経験のある方には、ノバTが適しています。月経過多の治療が目的であれば、保険適用のあるミレーナが第一選択となります。

ノバTが向いている人――ホルモン剤を避けたい方・授乳中の方が主な対象

ノバTの使用が特に検討されるのは、以下のようなケースです。

  • ピルやミレーナなどホルモン製剤で副作用(頭痛・気分変動など)を経験した方
  • 血栓症のリスクがありホルモン剤を使えない方
  • 授乳中でホルモン剤の使用を避けたい方
  • 長期間にわたり確実な避妊を希望する方
  • 毎日の服薬管理が難しいと感じる方

特に授乳中は、ホルモンが母乳に移行する懸念からノバTが選ばれることがあります。ただし、すべての方に適しているわけではないため、産婦人科医への相談が必要です。

ノバTの禁忌と注意点――妊娠中・骨盤内感染症・子宮の形態異常は使用不可

ノバTには明確な禁忌事項があります。以下に該当する場合は使用できません。

  • 妊娠中または妊娠の可能性がある場合
  • 骨盤内炎症性疾患(PID)に現在罹患している、または3か月以内に罹患した場合
  • 性感染症に現在罹患している場合
  • 子宮の形態異常(双角子宮・中隔子宮など)がある場合
  • 子宮頸がん・子宮体がんが疑われる場合
  • 原因不明の不正性器出血がある場合
  • 銅に対するアレルギーがある場合(ウィルソン病を含む)

また、未産婦への使用は子宮口が狭いため挿入時の痛みが強くなる可能性があり、慎重な判断が求められます。使用中に月経痛の増強や月経量の増加が見られることがあるため、もともと月経過多がある方には推奨されません。

挿入の流れ――月経終了直後の受診から留置まで約5〜10分

ノバTの挿入は外来で行える処置で、入院は不要です。一般的な流れは以下のとおりです。

  1. 事前の診察・検査:内診・超音波検査で子宮の大きさや形態を確認し、性感染症の検査を行います。妊娠の除外も必須です
  2. 挿入のタイミング:月経終了直後が推奨されます。子宮口がやや開いており、妊娠の可能性が低いためです
  3. 挿入処置:子宮の入口を消毒し、専用の挿入器具でノバTを子宮内に留置します。処置自体は5〜10分程度です
  4. 挿入後の確認:超音波検査で正しい位置に留置されたことを確認します
  5. 経過観察:挿入後1か月、3か月、その後は半年〜1年ごとに定期検診を受けます

挿入時に痛みを感じることがありますが、多くの場合は強い月経痛程度で、数分で治まります。不安が強い場合は、事前に鎮痛剤を服用するか、医師に相談してください。

挿入後の生活と抜去について――日常生活への制限はほぼなし

ノバT挿入後、特別な生活制限はほとんどありません。挿入当日は激しい運動や入浴を避け、翌日以降は通常の生活が可能です。性交渉は挿入後1週間程度控えることが推奨されます。

抜去を希望する場合は、外来で糸を引いて抜去します。処置は数分で完了し、抜去後は速やかに妊孕性(妊娠する力)が回復します。妊娠を希望するタイミングで抜去できる可逆性の高さも、IUDの利点です。

使用期間(最長5年)を超えた場合は、新しいものに交換するか、抜去して他の避妊法に切り替えます。定期検診では、IUDの位置のずれ(脱出)や感染の徴候がないかを確認します。

費用と入手方法――自費診療で3〜5万円、産婦人科で処方

ノバTは避妊目的の場合、保険適用外のため全額自費となります。費用の目安は挿入費用込みで3〜5万円程度です(医療機関により異なります)。抜去時にも数千円〜1万円程度の費用がかかります。

ミレーナは過多月経・月経困難症の治療目的であれば保険適用(3割負担で約1〜2万円)ですが、避妊目的では自費で5〜8万円程度です。費用面でノバTはミレーナより安価な傾向があります。

ノバTは産婦人科で取り扱いがありますが、すべての医療機関で対応しているわけではありません。事前に電話やウェブサイトで取り扱いの有無を確認してから受診することをお勧めします。

よくある質問

ノバTを入れたまま妊娠した場合はどうなりますか?

まれにIUD装着中に妊娠が成立することがあります。妊娠が判明した場合は速やかに産婦人科を受診してください。IUDの糸が見える場合は早期に抜去することが推奨されます。装着したまま妊娠を継続すると、流産・早産・感染のリスクが高まる可能性があります。

ノバTの挿入は痛いですか?

個人差がありますが、挿入時に月経痛に似た痛みを感じることがあります。経産婦は子宮口が広いため比較的痛みが少ない傾向です。事前に鎮痛剤を服用する、または局所麻酔を使用するなどの対応が可能ですので、不安な場合は医師にご相談ください。

ノバTは未産婦でも使えますか?

添付文書上、未産婦は慎重投与とされています。子宮口が狭いため挿入時の痛みが強くなる可能性がありますが、医師の判断により使用できる場合もあります。他の避妊法との比較を含め、産婦人科医と相談してください。

ノバTを入れるとMRI検査は受けられますか?

ノバTは銅とプラスチックで構成されており、MRI検査は条件付きで受けられます(1.5テスラ以下)。検査前に必ずIUDを装着していることを医療スタッフに伝えてください。

ノバTと緊急避妊(アフターピル)の関係は?

銅付加IUDは、無防備な性交渉後120時間(5日)以内に挿入することで、緊急避妊としても使用できます。緊急避妊としての効果はアフターピルより高く、そのまま長期避妊として継続使用できる利点があります。

ノバTはいつでも抜去できますか?

はい、希望すればいつでも産婦人科で抜去できます。抜去は外来で数分程度の処置です。抜去後は速やかに妊孕性が回復するため、妊娠を計画するタイミングに合わせて抜去時期を決められます。

まとめ

銅付加IUD(ノバT)は、ホルモンを使わない長期避妊法として、ミレーナとは異なる利点を持つ選択肢です。ホルモン性の副作用を避けたい方、授乳中の方にとって有力な候補となります。一方、月経量の増加傾向や禁忌事項もあるため、自分に合った避妊法かどうかは産婦人科医との相談が不可欠です。避妊法の選択は個人の健康状態やライフプランによって最適解が異なります。

ノバTの挿入やミレーナとの比較について、さらに詳しく知りたい方は産婦人科へご相談ください。当院では患者さまの体質やご希望に応じた避妊法のご提案を行っています。

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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の治療法を推奨するものではありません。症状や治療については、必ず担当医にご相談ください。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/4/27