クロミッド錠50mgは、クロミフェンクエン酸塩を含む処方薬です。排卵障害にもとづく不妊症の排卵誘発や、生殖補助医療での卵巣刺激などに使われます。すべての不妊症に同じ方法で使う薬ではなく、治療の目的・検査結果・反応を確認しながら医師が使用を判断します。
服用前と服用中に確認すること
| 場面 | 確認と行動 |
|---|---|
| 初めて処方された | 使う目的、開始日と日数、超音波などの受診日、症状時の連絡先を確認する |
| お腹の痛み・張り、吐き気、急な体重増加 | 卵巣過剰刺激症候群の可能性もあるため、直ちに治療施設へ相談。服用終了後も注意する |
| 目がかすむなどの視覚症状 | 服用を中止して処方元へ連絡し、眼科的な検査を受ける。運転はしない |
| 排卵しない、妊娠しない | 残薬の追加や自己増量をせず、排卵・妊娠・出産の違いと検査結果を確認して治療を見直す |
排卵誘発と生殖補助医療では、処方の条件が異なります
添付文書は、排卵障害の治療と生殖補助医療の卵巣刺激で、用法や投与前の確認を分けています。患者とパートナーの検査を踏まえて判断し、甲状腺・副腎やプロラクチンなどに原因がある場合は、その病気への対応が優先されます。PMDA:クロミッド錠50mgの添付文書
「月経の五日目から誰でも同量」「効かなければ自分で倍にする」という使い方はしません。処方された開始日と日数、次の診察日を確認してください。開始前や次の周期の前には、妊娠していないことの確認も必要です。月経の遅れや妊娠の可能性がある場合は、残っている薬を使う前に処方元へ伝えます。
飲み終えた後も、卵巣の反応を確認します
クロミッドによる治療では、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が起こることがあります。下腹部痛や張り、吐き気、急激な体重増加などがあれば、直ちに医師へ相談してください。服用期間が終わっていても、この注意は続きます。呼吸が苦しい、強い痛みなど切迫した症状がある場合は、救急医療へ速やかに連絡します。
医師は症状や体重、超音波による卵巣の状態などを確認します。多嚢胞性卵巣がある場合はOHSSに注意が必要で、経口薬だから卵巣の腫れや多胎妊娠は起きない、と考えることはできません。決められた受診を省いて服用だけ続けないでください。
視覚症状は中止・検査の対象です
添付文書には、目のかすみなどの視覚症状が出た場合は投与を中止し、眼科的な検査を行うよう記載されています。症状が出たら次の服用をせず処方元へ連絡してください。また、服用中は自動車運転など危険を伴う機械の操作を避ける注意があります。
排卵した割合と、妊娠・出産に至る割合は別です
薬に反応して排卵しても、必ず妊娠・出産に至るわけではありません。原因、年齢、精子や卵管などの条件、治療方法によって結果が異なります。対象と分母・期間を確認していない固定の成功率や、数周期での累積妊娠率を、個人の予測として当てはめないでください。
排卵しない場合と、排卵しても妊娠しない場合では、見直す点が違います。添付文書には、排卵障害の治療で一般に三クール繰り返しても排卵性月経が全く見られない場合の中止基準が記載されています。これは「全員が三周期で妊娠する」「妊娠しなければ同じ薬を六周期使う」という意味ではありません。
内膜の厚さなどが気になる場合も、一つの数値だけで薬が効かないと自己判定せず、卵胞の反応やこれまでの経過と一緒に確認します。変更する薬や注射・生殖補助医療への移行は、その目的とリスクを説明してもらい、個別に決めます。
診察で確認する質問
- 今回の薬は、排卵障害への治療か、生殖補助医療での刺激か
- いつから何日飲み、いつ卵巣の反応を確認するか
- 飲み忘れや月経の遅れ、症状がある場合の連絡先
- 排卵の有無と、その先の妊娠に向けて確認すること
- 治療費に含まれる検査・診察・薬と、見直しの条件
出典と確認日
2026年10月27日に、PMDAのクロミッド錠50mg添付文書(2022年9月改訂)の適応・投与前確認・用法・中止基準・副作用の採用部分を確認しました。男性への適応もありますが、この記事は女性の排卵誘発・卵巣刺激の案内です。個別の処方指示や、本記事の個別の医師監修ではありません。
クロミッドについては、2026年10月30日に現掲載の電子添文(2026年10月改訂・第3版)の適応・用法、投与前の確認、OHSS・視覚症状と服用中の運転に関する注意を改めて確認しました。このほかの資料の確認日は、既存の記載のとおりです。個別の服用は処方医・薬剤師へ確認してください。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。