
中用量ピルとは、エストロゲン(エチニルエストラジオール)の含有量が0.05mg程度の経口ホルモン薬です。低用量ピル(0.02〜0.04mg)よりホルモン量が多く、主に月経移動・機能性月経困難症・子宮内膜症治療などの医療目的で使われます。日常的な避妊には通常、低用量ピルが用いられます。
この記事のポイント
- 中用量ピルは月経移動・機能性月経困難症・子宮内膜症治療に使われる
- 低用量ピルよりホルモン量が多く、副作用(吐き気等)が出やすい
- 医師の処方が必要で、目的に合わせた使い分けが重要
中用量ピルとは何か
経口避妊薬はエストロゲン含有量によって大きく3種類に分類されます。中用量ピルはその中間に位置し、エチニルエストラジオール0.05mg程度を含む製剤です。日本では「プラノバール」などが代表的です。
ピルの種類と含有量比較
種類 | エストロゲン含有量(EE) | 主な用途 |
|---|---|---|
低用量ピル | 0.02〜0.04mg | 継続避妊・月経困難症・PMSなど |
中用量ピル | 0.05mg程度 | 月経移動・子宮内膜症・機能性月経困難症など |
高用量ピル(旧ピル) | 0.1mg以上 | 現在は原則使用されない |
中用量ピルが使われる場面
中用量ピルは低用量ピルよりホルモン量が多いため、特定の医療目的に使われます。日常的な避妊には通常使われず、医師の処方に基づいて使用されます。
1. 月経移動(生理日のずらし方)
旅行・試験・イベントなどに合わせて月経日を早めたり遅らせたりするために使われます。月経を遅らせたい場合は月経開始5日前頃から服用を始め、服用中は月経が来ないようにコントロールできます。服用終了後2〜3日で月経が始まります。
- 遅らせたい場合:月経予定日の5〜7日前から服用開始
- 早めたい場合:月経終了後すぐに服用開始、服用終了後に月経が来る
- 服用期間は通常10〜14日程度
2. 子宮内膜症の治療・再発予防
子宮内膜症では、中用量ピルの連続服用により子宮内膜の増殖を抑え、痛みや病変の進行を抑制します。現在は低用量ピルやジエノゲスト(プロゲスチン製剤)が主流ですが、ケースによっては中用量ピルが使用されます。
3. 機能性月経困難症
器質的疾患がない月経痛で、低用量ピルで効果が不十分な場合に中用量ピルが処方されることがあります。
副作用と注意点
中用量ピルは低用量ピルよりホルモン量が多いため、副作用が出やすい傾向があります。特に使い始めの1〜2週間に吐き気・頭痛・乳房の張りなどを感じる方が多いです。
よくある副作用
- 吐き気・嘔吐(最も多い。食後服用または就寝前服用で軽減されることがある)
- 頭痛・めまい
- 乳房の張り・圧痛
- 不規則な出血(使用初期)
- 体重増加(まれ)
禁忌・注意が必要な方
- 35歳以上で1日15本以上の喫煙者
- 血栓症の既往歴がある方
- 重篤な肝機能障害がある方
- 片頭痛(前兆あり)がある方
- 妊娠中・授乳中の方
- 乳がん・子宮内膜がんの既往がある方
低用量ピルとの使い分け
低用量ピルと中用量ピルは目的によって使い分けられます。日常的な避妊や月経困難症・PMS管理には低用量ピルが第一選択です。中用量ピルは月経移動など「一時的・特定目的」の使用が主です。
目的 | 推奨ピル | 備考 |
|---|---|---|
継続的な避妊 | 低用量ピル | 毎日服用が必要 |
月経移動(1回限り) | 中用量ピル | 自費処方が多い |
月経困難症・PMS管理 | 低用量ピル(第一選択) | 保険適用あり |
子宮内膜症治療 | ジエノゲストまたは低用量ピル | 医師判断による |
費用と処方
中用量ピルは医師の処方が必要です。月経移動目的での処方は原則として自費診療となります。費用は1周期分(10〜14日分)で2,000〜5,000円程度が目安です。子宮内膜症・機能性月経困難症の治療目的であれば保険適用になる場合があります。
オンライン診療での処方について
月経移動目的の中用量ピルは、オンライン診療でも処方可能なクリニックが増えています。ただし初診でのオンライン処方には制限がある場合もあるため、クリニックのWebサイトや予約ページで確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q. 中用量ピルは市販されていますか?
中用量ピルは処方箋医薬品です。市販されておらず、医師の診察と処方が必要です。
Q. 生理を遅らせるだけなら1回だけ使っても問題ありませんか?
医師の指示に従って使用すれば安全性は高いです。副作用(主に吐き気)が出やすいため、食後または就寝前の服用で軽減できます。
Q. 低用量ピルを飲んでいますが、月経移動に中用量ピルを追加できますか?
低用量ピルを飲んでいる場合は、そのまま服用を続けることで月経日をコントロールできることがあります。中用量ピルとの併用は必要ないケースが多いです。必ず医師に相談してください。
Q. 中用量ピルの吐き気を抑えるコツはありますか?
就寝前に服用する・食後に服用する・制吐剤を医師から処方してもらう、などの方法で軽減できることがあります。
Q. 中用量ピルで月経を遅らせた後、月経はいつ来ますか?
服用をやめてから2〜3日以内に月経が始まることが多いです。1週間以上来ない場合は受診してください。
まとめ
中用量ピルは低用量ピルよりホルモン量が多く、月経移動・子宮内膜症・機能性月経困難症などの特定の医療目的で使われます。日常的な避妊には低用量ピルが適しており、中用量ピルは医師の指示のもとで必要なタイミングに使用するものです。副作用(主に吐き気)は服用タイミングの工夫で軽減できることがあります。使用目的や体質に合わせて、担当医と相談しながら選択してください。
※本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の治療を推奨するものではありません。服用については必ず医師の診断・処方に従ってください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
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