
アフターピル(緊急避妊薬)とは
アフターピルとは、避妊に失敗した性行為の後に服用することで妊娠を防ぐ緊急避妊薬であり、日本ではレボノルゲストレル(ノルレボ)が広く処方されています。
コンドームの破損、低用量ピルの飲み忘れ、避妊なしの性行為など、望まない妊娠のリスクがある場合に使用されます。「中絶薬」ではなく、排卵を抑制・遅延させることで受精そのものを防ぐ薬です。
アフターピルの種類と効果
日本で使用されるアフターピルは主に2種類あり、レボノルゲストレル(72時間有効・避妊率約85%)とウリプリスタル(エラ、120時間有効・避妊率約98%)です。
薬剤名 | 有効成分 | 有効時間 | 避妊成功率 | 費用目安 |
|---|---|---|---|---|
ノルレボ(先発品) | レボノルゲストレル 1.5mg | 72時間 | 約85% | 12,000〜15,000円 |
レボノルゲストレル錠(後発品) | 同上 | 72時間 | 約85% | 7,000〜10,000円 |
エラ(ella) | ウリプリスタル酢酸エステル 30mg | 120時間 | 約98% | 9,000〜15,000円 |
どちらも服用が早いほど効果が高く、12時間以内なら99%近い避妊率が期待できます。
飲み方と服用タイミング
アフターピルは性行為後できるだけ早く1錠を水で服用するだけで完了です。食事の有無を問わず服用可能ですが、吐き気が心配な方は軽食後の服用が推奨されます。
- レボノルゲストレル:1錠を1回服用(以前の2回法は現在は推奨されない)
- エラ:1錠を1回服用
- 服用後2時間以内に嘔吐した場合は再服用が必要
時間と避妊率の関係
経過時間 | レボノルゲストレル | エラ |
|---|---|---|
12時間以内 | 約99% | 約99% |
24時間以内 | 約95% | 約98% |
48時間以内 | 約85% | 約98% |
72時間以内 | 約58% | 約98% |
72〜120時間 | 推奨されない | 約95% |
入手方法|3つのルート
アフターピルの入手方法は「産婦人科の対面処方」「オンライン処方」「OTC薬局(試験販売中)」の3つがあり、緊急性に応じて最適な方法を選びましょう。
入手方法 | 所要時間 | 費用 | 特徴 |
|---|---|---|---|
産婦人科(対面) | 1〜3時間 | 8,000〜15,000円 | 医師の詳細説明、他の避妊法相談も可 |
オンライン処方 | 30分〜翌日 | 8,000〜15,000円 | 深夜対応サービスあり、自宅で完結 |
OTC薬局 | 15〜30分 | 7,000〜9,000円 | 処方箋不要(薬剤師の指導あり) |
副作用と注意点
アフターピルの副作用は一時的で軽度なものがほとんどです。吐き気(10〜20%)、頭痛、不正出血が代表的で、多くは24〜48時間で改善します。
- 吐き気:制吐剤の併用、食後服用で軽減可能
- 不正出血:服用後数日〜1週間に少量の出血が見られることがある
- 月経の乱れ:次の月経が数日〜1週間ずれることがある
- 重篤な副作用の報告はきわめてまれ
- 将来の妊娠能力への影響なし
服用後に確認すべきこと
アフターピル服用後は「次の月経の確認」と「3週間後の妊娠検査」が最も重要なフォローアップです。
- 次の月経を待つ:予定日±1週間で来れば基本的に避妊成功
- 3週間後に妊娠検査:月経が来ない場合は市販検査薬を使用
- 追加避妊:次の月経まではコンドームを使用
- 継続避妊法の検討:低用量ピルやIUSへの移行を検討
よくある誤解と正しい知識
「アフターピルは中絶薬」「何度も飲むと不妊になる」は誤りであり、WHOもアフターピルの安全性と必要性を認めています。
誤解 | 正しい情報 |
|---|---|
中絶薬である | 排卵抑制が主な作用。着床後の妊娠を中断する薬ではない |
何度も飲むと不妊になる | 繰り返し服用と不妊の因果関係を示すデータはない |
身体に大きな負担がかかる | 副作用は一時的で軽度。長期的な健康被害の報告なし |
100%避妊できる | 100%ではない(レボノルゲストレル約85%、エラ約98%) |
よくある質問(FAQ)
Q. アフターピルはどこで買えますか?
産婦人科(対面処方)、オンライン診療、一部のOTC試験販売薬局で入手可能です。個人輸入サイトは偽薬リスクがあるため推奨しません。
Q. 保険は使えますか?
アフターピルは自由診療のため保険適用外です。全額自費で7,000〜15,000円が目安です。
Q. 未成年でも処方してもらえますか?
はい。多くの医療機関で16歳以上を対象に処方が可能です。保護者の同意が必要な場合もあるため事前に確認してください。
Q. パートナーに知られずに入手できますか?
オンライン処方では品名を「サプリメント」等で配送するサービスがあり、プライバシーに配慮されています。
Q. 生理中でもアフターピルは必要ですか?
月経中は妊娠の可能性が低いですが、不規則な周期の場合は排卵日がずれていることもあります。不安であれば服用を検討してください。
まとめ
アフターピルは避妊失敗時の重要なセーフティネットです。早く飲むほど効果が高いため、必要な場合は迷わず行動しましょう。入手方法も対面・オンライン・薬局と選択肢が広がっています。服用後は3週間後の妊娠検査を忘れずに行い、今後の避妊法についても検討することをおすすめします。
アフターピルのご相談は、当院の婦人科外来またはオンライン診療で承っております。
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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