【この記事のポイント】
- 2回以上連続の流産・死産で不育症と診断、3回でほぼ確定
- 検査は抗リン脂質抗体・染色体・凝固系・子宮形態等を網羅
- 原因が特定できれば70〜80%が次の妊娠で出産可能
「2回連続流産でつらい」「不育症の検査って何をする?」——不育症は適切な検査と治療で多くの方が出産に至ります。本記事では検査・治療・心のケアを整理します。
不育症とは
定義
妊娠22週未満の流産を2回以上連続で経験、または妊娠22週以降の死産・早期新生児死亡を含めた繰り返しの妊娠喪失。
頻度
- 2回連続流産: 約4%のカップル
- 3回連続流産: 約1%のカップル
不妊症との違い
- 不妊症: 妊娠成立しない
- 不育症: 妊娠成立するが継続困難
不育症の原因
染色体異常(最多)
- 偶発的な胎児染色体異常(運の要素)
- 両親のいずれかの転座等
- 全不育症の50〜70%
凝固異常
- 抗リン脂質抗体症候群
- プロテインS/C欠乏症
- 第XII因子欠乏
子宮形態異常
- 双角子宮
- 中隔子宮
- 子宮筋腫
- 子宮腺筋症
内分泌異常
- 甲状腺機能異常
- 糖尿病
- 黄体機能不全
- 高プロラクチン血症
免疫学的異常
- 自己免疫
- 同種免疫
環境要因
- 喫煙
- 過度な飲酒
- 強いストレス
原因不明
- 約30〜40%(運の要素含む)
不育症検査一覧
スクリーニング検査(必須)
#### 抗リン脂質抗体
ループスアンチコアグラント抗カルジオリピン抗体抗β2GP1抗体
#### 凝固系
プロテインS活性プロテインC活性第XII因子活性抗トロンビン
#### 染色体検査
夫婦の染色体検査両親の転座等の有無
#### 内分泌
甲状腺ホルモンHbA1cプロラクチン
#### 子宮形態
経腟超音波子宮卵管造影MRI
選択検査(必要時)
- 抗核抗体
- NK細胞活性
- 流産胎児の染色体検査
検査費用
保険適用
2022年4月から不育症検査も一部保険適用に。
自費部分
一部の高度検査・先進医療は自費。
費用目安
- 保険診療: 数万円
- 自費含む詳細検査: 10〜20万円
- 厚生労働省の研究班推奨検査は多くが保険適用
原因別の治療
抗リン脂質抗体症候群
- 低用量アスピリン
- ヘパリン注射
- 妊娠初期から開始
- 出産率大幅向上
凝固系異常
- ヘパリン療法
- 妊娠中継続
染色体異常(転座等)
- PGT-SR(着床前検査)
- 体外受精と組み合わせ
内分泌異常
- 甲状腺薬
- 血糖コントロール
- 黄体ホルモン補充
子宮形態異常
- 中隔子宮: 手術(中隔切除)
- 筋腫: 状況により手術
- 双角子宮: 状況により対応
原因不明
- 黄体ホルモン補充
- 低用量アスピリン
- カウンセリング・心理的サポート
治療効果
治療による出産率
- 抗リン脂質抗体: 50%→70〜80%
- 凝固異常: 改善
- 内分泌: 改善
- 子宮形態(中隔): 大幅改善
- 原因不明: 60〜70%(運に近い要素)
原因特定できれば多くが次の妊娠で出産可能。
心のケア
不育症は身体的だけでなく精神的にも大きな負担。
心理的影響
- 喪失感・悲しみ
- 自責の念
- 妊娠への恐怖
- パートナーシップへの影響
対処法
#### 専門カウンセリング
不育症外来のカウンセリング心理士・精神科医
#### グリーフケア
喪失を悼む時間自分を責めない
#### サポートグループ
同じ経験者との交流患者会・SNSコミュニティ
#### パートナーとの対話
互いの気持ち共有一緒に治療に臨む
次の妊娠への準備
身体的準備
- 治療開始(妊娠前から)
- 葉酸サプリ
- 健康管理
心理的準備
- 不安への対処
- カウンセリングの活用
- 信頼できる主治医
妊娠中の管理
- ハイリスク妊娠として
- 頻回な健診
- 投薬の継続
不育症外来の選び方
選ぶポイント
- 不育症専門外来の有無
- 検査体制の充実
- カウンセリング体制
- 妊娠後のフォロー体制
主要施設
- 大学病院の不育症外来
- 専門的な不妊治療クリニック
- 地域の周産期センター
FAQ
Q1. 1回の流産でも検査できる?
A. 通常は2回以上で検査対象。ただし強い不安があれば医師相談。
Q2. 検査でわかる確率は?
A. 約60〜70%で原因または素因を特定できます。
Q3. 治療せずに次の妊娠は可能?
A. 原因不明なら自然に次が成功する例も。ただし検査推奨。
Q4. 男性側の検査は?
A. 夫婦両方の染色体検査が標準。男性精液所見も。
Q5. 不育症と高齢出産の関係は?
A. 高齢は流産率高く、不育症と区別が難しいケースも。
まとめ
不育症は適切な検査と治療で多くの方が出産に至る疾患です。2回以上の流産で速やかに専門外来を受診し、検査・治療を進めてください。心のケアも忘れずに。
次のステップ
免責事項: 個別治療は医師にご相談ください。 最終更新日: 2026-05-15 参考文献: 厚生労働省不育症研究班、日本産科婦人科学会
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EggLink編集部
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