EggLink

PGT-A(着床前検査)とは?費用・適応・効果・リスクを医師監修で解説

2026/5/14

卵子凍結 助成金スピード診断卵子凍結 無料オンライン相談

【この記事のポイント】

  • PGT-Aは体外受精で得た受精卵の染色体数異常を移植前に調べる検査。妊娠率向上・流産率低下に寄与
  • 2025年9月から学会が対象を拡大し、35歳以上なら誰でも受けられるように
  • 費用は受精卵1個7万円+保険診療の体外受精費用。先進医療として保険併用可能

「PGT-Aって何?」「受けるべき?」——PGT-Aは体外受精成功率に大きく影響する技術で、2025年に対象が拡大されました。本記事では仕組み・適応・費用・リスクを整理します。


PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)とは

体外受精・顕微授精で得られた受精卵(胚)の染色体数の過不足を、移植前に調べる検査です。染色体数に異常がある胚は流産・着床不全の原因となるため、検査で正常胚を選別することで:
妊娠率向上流産率低下採卵周期あたりの効率改善
が期待できます。


PGT-Aの適応条件(2025年9月拡大後)

日本産科婦人科学会は2025年9月に対象拡大を発表。

新基準(2025年9月以降)

以下のいずれかに該当:

  • 女性年齢が35歳以上
  • 反復着床不全(過去に複数回の体外受精で妊娠未成立)
  • 反復流産(2回以上の流産歴)
  • 染色体構造異常の保因者(パートナー含む)

「35歳以上」の追加により、対象患者が大幅に拡大しました。

旧基準

  • 反復着床不全
  • 反復流産
  • 染色体構造異常保因者

PGT-Aの流れ

Step 1: 体外受精・顕微授精で受精卵作成
  ↓
Step 2: 胚盤胞(5〜6日目)まで培養
  ↓
Step 3: 胚から数細胞を採取(生検)
  ↓
Step 4: 染色体数を検査(次世代シーケンサー)
  ↓
Step 5: 結果報告(1〜2週間後)
  ↓
Step 6: 正常胚のみを子宮に移植

胚は採取後に凍結保存し、検査結果を待ってから融解・移植します。


PGT-Aの効果

妊娠率

  • 1回の胚移植あたりの妊娠率向上
  • 特に高齢患者で効果顕著
  • 胚移植1回あたり50〜70%の妊娠率(年齢・条件依存)

流産率低下

  • 染色体異常胚を移植しないため流産リスク減少
  • 流産率を半分以下に抑える効果報告も

累積妊娠率

  • 採卵あたりの累積妊娠率も向上
  • 不要な移植・流産を避けることで時間短縮

検査結果の分類

結果

意味

対応

正常胚(ユープロイド)

染色体数正常

移植可能

モザイク胚

一部の細胞に異常

慎重に移植検討

異常胚(アヌプロイド)

染色体数異常

移植不可

モザイク胚は条件次第で移植検討可能。医師と相談して判断します。


費用

PGT-A自体

  • 胚1個あたり: 7万円(税別)程度
  • 検査胚数で総額変動

体外受精費用

  • 保険診療: 3割負担で約10〜15万円/周期
  • 先進医療として保険併用可能

費用シミュレーション

#### 例: 38歳・採卵で胚盤胞5個・PGT-A実施

  • 採卵・凍結保存: 約12万円(保険3割)
  • PGT-A検査: 7万円 × 5 = 35万円(自費・先進医療)
  • 胚移植: 約5万円(保険3割)
  • 合計: 約52万円

#### 高額療養費・確定申告 保険診療部分は高額療養費の対象。先進医療部分は医療費控除対象。


PGT-Aのリスク・限界

検査リスク

  • 胚生検時の胚へのダメージ(極小だが0ではない)
  • 凍結融解による影響

検査精度

  • 検出感度99%程度
  • 偽陽性: 正常胚を異常と判定するケース
  • 偽陰性: 異常胚を正常と判定するケース

倫理的論点

  • 「望ましい胚の選別」への倫理的議論
  • 性別判定は禁止
  • 微小欠失等は対象外

限界

  • 単一遺伝子疾患は対象外(別途PGT-Mが必要)
  • すべての流産・着床不全を防げるわけではない
  • 胚自体が少ない場合は検査メリットが減る

「受けるべきか」の判断軸

受ける価値が高いケース

  • 35歳以上(妊娠率改善大)
  • 反復流産(流産予防効果大)
  • 反復着床不全
  • 良好胚が多数得られる見込み

慎重に判断するケース

  • 採卵で得られる胚が少ない(検査対象不足)
  • 経済的負担が大きい
  • 倫理的に抵抗がある
  • 35歳未満で初回体外受精

医師と十分に相談して決定してください。


PGT-Aを行う施設

PGT-Aは日本産科婦人科学会の認定施設で実施。すべての不妊クリニックで受けられるわけではありません。

認定施設の特徴

  • 学会基準を満たす設備・人員
  • 遺伝カウンセリング体制
  • 臨床遺伝専門医の関与

通院しているクリニックがPGT-A未対応の場合、紹介状で認定施設へ転院するケースもあります。


FAQ

Q1. PGT-Aを受ければ100%妊娠できますか?

A. 100%ではありません。子宮の状態・移植後の着床等、卵子以外の要因が妊娠成立に影響します。

Q2. 検査で胚は傷つきませんか?

A. 胚生検技術は確立されており、影響は極小です。胚盤胞の段階で行うため胚への影響は限定的とされます。

Q3. 性別はわかりますか?

A. 日本では性別判定は禁止されており、性別の通知はありません。

Q4. モザイク胚は移植できますか?

A. 条件次第で移植検討可能。健康な児が生まれる例もあります。医師と相談して判断。

Q5. 30代前半でもPGT-Aを受ける意味は?

A. 反復流産・着床不全がなければ、メリットとデメリットのバランスが微妙です。35歳以上で効果が顕著です。


まとめ

PGT-Aは妊娠率向上・流産率低下に有効な技術で、2025年から対象が35歳以上に拡大されました。費用・倫理的考慮を踏まえ、医師と相談して受けるかを決定してください。


次のステップ

免責事項: 個別治療は医師にご相談ください。 監修: PLACEHOLDER 最終更新日: 2026-05-15 参考文献: 日本産科婦人科学会、JISART

{"@context":"https://schema.org","@type":"MedicalWebPage","name":"PGT-A 着床前検査","lastReviewed":"2026-05-15"}
E

この記事を書いた人

EggLink編集部

医療・婦人科専門メディア

産婦人科・婦人科に関する正確で信頼性の高い情報をお届けします。医療監修のもと、女性の健康に役立つコンテンツを制作しています。

公開:2026/5/14