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【体験談】男性不妊治療と仕事の両立記録

2026/4/19

【体験談】男性不妊治療と仕事の両立記録

「治療の日程が読めない」「採精のために仕事を急遽休む必要がある」——男性不妊治療と仕事の両立は、想像以上に多くの制約と葛藤をともないます。不妊治療経験者へのアンケートでは、男性の約4割が仕事に影響が出たと回答しており(NPO法人Fine, 2021年調査)、「治療を続けるか仕事を取るか」という二択に追い詰められる方も少なくありません。この記事では、実際に男性不妊治療と仕事を両立してきた経験を記録する形で、直面した困難・工夫・心の動きを正直にお伝えします。

この記事でわかること

  • 男性不妊治療が仕事に与える具体的な影響(採精・通院・手術)
  • 職場への開示の判断基準と実際の伝え方
  • 使える制度(不妊治療休暇・育児介護休業法)
  • 仕事と治療の両立で心を保つコツ

情報取得日:2026年5月2日

男性不妊治療が仕事に与える3つの影響

1. 採精のタイミング

精液検査・人工授精・体外受精では、パートナーの治療スケジュール(採卵日・人工授精日)に合わせた採精が必要です。採卵日は直前まで確定しないことが多く、「明日の午前中に採精をお願いします」という連絡が前日夜に来ることも珍しくありません。急な休暇申請が重なり、職場での信頼を損なわないか不安になった経験を持つ方が多いです。

2. 手術・処置の入院・休養

精索静脈瘤手術・精巣内精子採取術(TESE)などは日帰り〜1泊入院が必要です。術後は数日〜1週間程度の安静を要するため、職種によっては事前に計画的な休暇取得が必要になります。

3. 通院・検査の頻度

精液検査(2〜3回)、ホルモン検査、手術後の経過観察など、診察回数は予想以上に積み重なります。平日の午前中しか対応していないクリニックも多く、半休取得が繰り返し発生します。

職場への開示:どこまで話す?

男性不妊治療を職場に開示するかどうかは、非常に個人的な判断です。開示のメリットとデメリットを整理します。

開示の程度

メリット

デメリット・リスク

全開示(不妊治療中と伝える)

急な休みへの理解が得やすい

プライバシー侵害リスク・昇進への影響懸念

部分開示(「通院が続く」程度)

詳細を話さずに配慮を得られる

根掘り葉掘り聞かれる可能性

非開示(個人の有給・通院として処理)

プライバシー保護

急な休みへの理解ゼロ・精神的負担大

多くの経験者が「信頼できる直属上司のみに最低限伝えた」という選択をしています。人事部への開示は、不妊治療休暇制度を使う場合に必要になることがあります。

使える制度と法的根拠

育児・介護休業法の改正(2023年4月)

2023年4月から、事業主に対して不妊治療と仕事の両立支援措置(時差出勤・短時間勤務・年次有給休暇の取得促進等)の努力義務が課されました。これにより、不妊治療を理由とした働き方の調整を職場に相談する法的根拠が生まれています。

不妊治療休暇制度(企業独自)

厚生労働省の「不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル」に基づき、独自の不妊治療休暇を設ける企業が増えています。年間5〜10日程度の特別休暇を設ける企業もあります。自社の就業規則・福利厚生を確認しましょう。

高額療養費制度

精索静脈瘤手術など保険適用の治療は高額療養費制度が使えます。所得区分によりますが、自己負担上限は月8万〜15万円程度です。事前に限度額適用認定証を取得すると窓口負担を抑えられます。

心の保ち方|男性不妊治療で揺れる感情

「自分のせいで妻に苦労させている」という罪悪感、検査結果を待つ不安、治療が長引く焦り——男性不妊治療中の男性は、感情的なサポートを受ける機会が少ないまま孤立しがちです。

経験者が語る「心が楽になった瞬間」

  • 数字に一喜一憂しない決断:精液検査の結果を毎回気にするのをやめて「やれることをやった」と区切りをつけた
  • パートナーと「治療の話をしない日」を決めた:毎週1日は治療の話を禁止し、普通のデートをすることでリセットできた
  • 男性不妊当事者のオンラインコミュニティ:同じ境遇の男性と話すことで「自分だけじゃない」と感じられた
  • 主治医に「愚痴を言った」:専門医に心情を打ち明けたところ、追加で心理士との面談を設定してもらえた

仕事と治療を両立する実践的なコツ

スケジュール管理

  • パートナーの月経周期を把握し、採精が必要になりそうな週を事前にブロック
  • 手術の場合は1〜2週間前から有給休暇の計画申請
  • クリニックの診察時間を確認し、夜間・土曜対応クリニックを選ぶ

業務の「可視化」と後任対応

  • 自分がいなくても回るよう、業務マニュアルを整備しておく
  • 突発的な休みに備えて、仕事の「引き継ぎバトン」を日頃から作っておく

よくある質問

Q1. 会社に不妊治療中と伝えることは義務?

義務ではありません。「通院が続く」程度の情報開示で配慮を求めることは可能です。ただし、企業の不妊治療休暇制度を利用する場合は申請書類が必要になることがあります。

Q2. 不妊治療を理由に不当な扱いを受けたら?

不妊治療を理由とした降格・解雇・不利益な異動は違法の可能性があります。都道府県労働局の「雇用環境・均等部(室)」または弁護士に相談してください。

Q3. テレワーク勤務の方が両立しやすい?

通院の移動時間が短縮できる点でテレワークは有利です。ただし、採精・処置当日は物理的に病院へ行く必要があるため、フレックス制度との組み合わせが効果的です。

Q4. 治療費の補助制度はある?

2022年4月から男性不妊の治療(精索静脈瘤手術、TESE等)も保険適用になりました。また自治体によっては独自の助成制度(上乗せ補助)を実施しています。住んでいる自治体の不妊治療助成を確認してください。

Q5. 転職を考えている。治療中の転職はどう判断する?

体外受精・手術が進行中の場合、転職後の保険適用条件が変わる可能性があります。特に保険適用の体外受精は「婚姻または事実婚」「一定の回数制限」があり、転職タイミングによっては自費診療になるケースもあります。転職前に治療の現状と今後のスケジュールを主治医と整理しましょう。

まとめ

男性不妊治療と仕事の両立は、スケジュールの不確実性・職場への開示の葛藤・精神的な孤独感という3つの困難を同時に抱えるプロセスです。一方で、法律の整備・保険適用の拡充・企業の意識変化により、環境は着実に改善しています。誰にどこまで話すか、どの制度を使うかを1つずつ整理し、パートナーと協力しながら乗り越えてください。一人で抱え込まないことが、長い治療を続ける上で最も重要なことです。

【免責事項】本記事は医療・法律情報の提供を目的とした一般的な情報であり、個別の医学的・法的アドバイスを代替するものではありません。治療方針・法的問題については必ず専門家にご相談ください。情報は2026年5月時点のものです。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2