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精液に血が混じる原因(血精液症)

2026/4/19

精液に血が混じる原因(血精液症)

精液に血が混じる——初めて気づいたとき、多くの方が強い不安を感じます。この症状は「血精液症(けっせいえきしょう)」と呼ばれ、40歳未満では約80%が自然に改善する良性の原因によるものです。ただし、中高年以降や繰り返す場合は前立腺がんなどの精査が必要です。この記事では、血精液症の原因・緊急度の見極め方・受診のタイミングを泌尿器科専門医の視点で解説します。

この記事でわかること

  • 血精液症の可能性が高い5つの原因と緊急度の目安
  • 「様子を見てよい」「すぐ受診」の判断基準
  • 受診すべき科と検査の流れ
  • 治療法と再発予防のポイント

情報取得日:2026年5月2日|参考:日本泌尿器科学会ガイドライン

【まず確認】こんな症状があれば今すぐ受診

血精液症のほとんどは緊急性が低いですが、以下の「レッドフラッグ(危険サイン)」があれば泌尿器科へ急いでください。

  • 血尿(排尿時にも血が出る)を同時に認める
  • 激しい排尿痛・会陰部痛・発熱(38℃以上)がある
  • PSA(前立腺特異抗原)が高いと指摘されたことがある
  • 50歳以上で繰り返す(3回以上)
  • 外傷・会陰部へのケガのあとに発症した

上記に当てはまらない場合でも、初めて血精液症が出たら1〜2週間以内に泌尿器科を受診することを推奨します。

血精液症の原因5分類|頻度と特徴

原因は主に5つに分類できます。若い男性ほど炎症・感染が多く、中高年ほど精査が必要な病変の割合が高くなります。

原因

頻度の目安

主な年齢層

緊急度

精嚢・前立腺の炎症

最多(約50%)

20〜40代

低〜中

血管の異常(血管奇形・静脈拡張)

約14%

全年齢

嚢胞・結石(精嚢・前立腺)

約10%

30〜50代

前立腺がん・精嚢腫瘍

約3%

50代以上

原因不明(特発性)

約20%

全年齢

1. 精嚢炎・前立腺炎(最多原因)

精子を貯蔵・輸送する精嚢、あるいは精液を分泌する前立腺に炎症が起きると、粘膜の血管が充血して出血します。細菌感染によるものは抗菌薬で改善することが多く、非細菌性(原因不明の慢性前立腺炎)は男性の約10〜15%に見られるほど一般的な状態です。

2. 血管の異常(血管奇形・精索静脈瘤の関与)

精嚢や前立腺周辺の血管奇形、または精索静脈瘤(男性不妊の原因としても知られる静脈の拡張)が出血源になることがあります。MRI検査で発見されることが多く、基本的に経過観察で問題ありません。

3. 嚢胞・結石

精嚢に嚢胞(袋状の構造)や結石が形成されると、射精時の刺激で出血を引き起こします。痛みを伴わないことが多く、超音波検査やMRIで確認できます。

4. 前立腺がん(要注意:50歳以上の繰り返す血精液症)

血精液症全体に占める割合は約3%と低いですが、50歳以上で繰り返す場合は前立腺がんの可能性を除外する必要があります。PSA検査と前立腺MRI・生検を組み合わせて評価します。50代以降の男性で血精液症が3回以上続く場合は、必ず泌尿器科でPSA測定を受けてください。

5. 特発性(原因不明)

精密検査をしても明らかな原因が見つからないケースは約20%あります。ほとんどが自然消失し、悪性疾患との関連は低いとされています。

症状別セルフチェック|受診タイミングの目安

以下のチェックリストで自分の状況を確認してください。

様子を見てよいケース(低緊急度)

  • 40歳未満、初めての発症
  • 血尿・発熱・強い痛みがない
  • 1〜2回で止まった
  • PSA正常と最近確認済み

早めに受診すべきケース

  • 50歳以上または3回以上繰り返す
  • 排尿時にも血が混じる(血尿)
  • 発熱・強い会陰部痛・排尿痛がある
  • 前立腺がんの家族歴がある

受診の流れ|検査と診断

泌尿器科での一般的な検査の流れは以下のとおりです。初診で全ての検査を行うわけではなく、問診・身体診察の結果に基づいて必要な検査が選ばれます。

  1. 問診:発症回数・血液量・痛みの有無・性交渉歴・薬の使用歴(抗凝固薬など)
  2. 尿検査・尿培養:尿路感染・性感染症(クラミジア等)の確認
  3. PSA血液検査:前立腺がんのスクリーニング(特に40歳以上)
  4. 直腸診・超音波検査:前立腺・精嚢の触診・画像評価
  5. MRI検査:腫瘍・血管異常・嚢胞の精密評価(繰り返す場合に追加)

治療法|原因別の対応

原因によって治療法は異なります。

原因

治療法

期間の目安

細菌性前立腺炎・精嚢炎

抗菌薬(キノロン系など)

2〜4週間

非細菌性前立腺炎

α1遮断薬・抗炎症薬・経過観察

1〜3カ月

血管奇形・嚢胞

基本的に経過観察

自然消失多い

前立腺がん

病期に応じた専門治療

要専門医判断

特発性

経過観察(多くは自然消失)

1〜3カ月

男性不妊との関係|血精液症と精子への影響

血精液症自体が直接、精子の数や運動率を低下させることは少ないです。ただし、原因となる前立腺炎・精嚢炎は精液の質(pH・白血球数・精子DNA損傷)に影響することがあります。妊活中であれば、治療と並行して精液検査(精子濃度・運動率・形態)を受けて精子の状態を確認しましょう。精巣機能への直接的な影響は通常ありません。

よくある質問

Q1. 精液に血が混じっていても射精できる?妊娠に影響する?

射精自体に影響はないことがほとんどです。炎症が強い場合は一時的に精子の質が低下することがありますが、治療後に回復します。まず泌尿器科で原因を確認し、妊活への影響が心配なら精液検査を受けてください。

Q2. 色が鮮紅色と茶色では意味が違う?

鮮紅色は新しい出血、茶色〜褐色は古い出血(時間が経って酸化した血液)のサインです。どちらも緊急性の判断には使えません。出血量・繰り返しの有無・年齢・他の症状の有無で緊急度を判断してください。

Q3. 自慰行為で出た場合と性交渉の場合で違いはある?

医学的な原因に違いはありません。どちらの場合でも同様に評価します。

Q4. パートナーに精液中の血液が感染する可能性は?

血精液症の血液成分がパートナーに感染・悪影響を与えることはありません。ただし、性感染症(クラミジア・淋菌等)が原因の場合はパートナーへの検査・治療も必要です。

Q5. 病院に行く前にできることはある?

激しい運動・長時間の自転車乗車・飲酒を控えて様子を見ることはできます。ただし、症状が繰り返すなら自己判断で放置せず泌尿器科を受診してください。

まとめ

血精液症は、精液に血が混じる症状で、40歳未満の初発では約80%が自然経過で改善する良性の原因によるものです。一方で、50歳以上・繰り返す・血尿や発熱を伴う場合は前立腺がん等の精査が必要です。初めて経験したら1〜2週間以内に泌尿器科を受診し、PSA検査・超音波検査等で原因を確認することを推奨します。妊活中の方は合わせて精液検査も検討しましょう。

【免責事項】本記事は医療情報の提供を目的とした一般的な情報であり、個別の医学的アドバイスを代替するものではありません。症状・治療方針については必ず医師にご相談ください。情報は2026年5月時点のものです。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2