
陰嚢超音波検査は痛みなく精巣・精巣上体・精索を画像化できる検査で、精索静脈瘤・精巣萎縮・精巣腫瘍など男性不妊に直結する病変を発見するための第一選択の画像診断です。
この記事のポイント
- 陰嚢超音波検査で分かること・見つかる病変
- 検査の流れ・時間・痛みの有無
- 費用と保険適用
- 主な所見別の次のステップ
陰嚢超音波検査とは
エコー(超音波)のプローブを陰嚢皮膚に直接当て、内部構造をリアルタイムに観察する非侵襲的検査です。X線被曝なし、痛みなし、所要時間は通常10〜20分です。Bモード(形態評価)とカラードプラ(血流評価)を組み合わせることで、精索静脈瘤の診断精度が上がります。
検査で分かる主な病変
精索静脈瘤
精索内の静脈が逆流・拡張した状態で、男性不妊全体の35〜40%、特発性男性不妊では最も多い原因です。超音波では静脈径2.0mm超(バルサルバ手技時に3.0mm超)を病的と判断します。Grade 1〜3の分類があり、Grade 2以上で手術適応が議論されます。
精巣萎縮
正常精巣の体積は通常12〜30mLとされ、長径4cm・体積15mL未満は萎縮として記録されます。精液検査の結果と組み合わせて、造精機能の評価に利用されます。
精巣上体の異常
精巣上体の腫大・嚢胞・石灰化は、クラミジア感染や精管閉塞による閉塞性無精子症を示唆することがあります。精管造影検査への橋渡しとなる重要所見です。
精巣腫瘍(精巣がん)
精巣内の低エコー結節は精巣腫瘍を強く疑わせます。精巣がんは15〜35歳の若い男性に多く、超音波でほぼ確実に疑診できます。腫瘍マーカー(AFP・hCG・LDH)と組み合わせて評価します。精巣腫瘍は早期発見で根治率が高いため見逃しは禁物です。
精巣捻転の評価(急性陰嚢症)
カラードプラで患側の血流消失を確認することで精巣捻転の診断補助に使います。ただし捻転疑いは6時間以内の緊急手術が必要なため、超音波検査を待つことで手術が遅れないよう注意が必要です。
検査の流れ
- 準備:特別な前処置・食事制限は不要
- 体位:仰臥位で陰嚢をタオル等で固定・挙上
- 検査:ゼリーを塗布しプローブを当てて観察(10〜20分)
- 結果説明:当日に医師から口頭で概要説明が多い。詳細報告は後日
費用と保険適用
陰嚢超音波検査は保険診療内で行われることが多く、3割負担の場合の目安は以下の通りです。
- 超音波検査(B+Doppler):約900〜1,800円(3割負担)
- 初診・再診料・画像診断料:別途
男性不妊検査として実施する場合は、2022年の保険適用拡大により算定しやすくなっています。ただし保険適用条件はクリニック・診断名による違いがあるため事前確認を推奨します。
所見別の次のステップ
- 精索静脈瘤 Grade 2〜3:精索静脈瘤根治手術(顕微鏡下低位結紮術など)を検討。術後3〜6ヶ月で精液改善効果を確認
- 精巣萎縮+高FSH:原発性造精機能障害を疑い、ホルモン精査・染色体検査へ進む
- 精巣上体腫大・閉塞所見:精管造影・精路再建手術(精巣上体精管吻合術)を検討
- 精巣内低エコー結節:精巣腫瘍を疑い、腫瘍マーカー採血・泌尿器科緊急受診
よくある質問
Q. 超音波検査は痛いですか?
痛みはありません。冷たいゼリーを塗る際の不快感を感じる方はいますが、無痛の検査です。
Q. 精索静脈瘤が見つかったら必ず手術が必要ですか?
Grade 1の軽度な場合や精液所見が良好なら経過観察となるケースもあります。精液検査の結果とパートナーの年齢・不妊期間を考慮して総合的に判断します。
まとめ
陰嚢超音波検査は痛みなし・被曝なしで精索静脈瘤から精巣腫瘍まで幅広い病変を発見できる、男性不妊精査の要となる検査です。精液検査で異常が見つかったら、次のステップとして必ず泌尿器科で超音波検査を受けることをお勧めします。
※本記事は医療情報の提供を目的としており、診断・治療を行うものではありません。症状や治療方針については必ず専門の医師にご相談ください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
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