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男性不妊手術の比較表|精索静脈瘤・TESE・再建

2026/4/19

男性不妊手術の比較表|精索静脈瘤・TESE・再建

男性不妊手術の種類と選び方:3つの治療法を徹底比較

男性不妊手術には、精索静脈瘤手術・TESE(精巣内精子採取術)・精管再建術の3種類が主に存在します。それぞれ適応となる原因が異なり、手術の難易度・費用・妊娠成功率にも差があります。この記事では、各手術の特徴を正確なデータとともに解説します。

この記事のポイント

  • 精索静脈瘤手術・TESE・精管再建術の適応と成功率の違い
  • 手術選択の判断基準(精液検査結果・原因による分類)
  • 保険適用範囲と実際の費用目安
  • 手術後の妊娠成功率を左右する要因

男性不妊の原因別:どの手術が適応になるか

男性不妊の原因は大きく「精子の製造障害」「輸送路の閉塞」「射精障害」の3種類に分かれます。手術適応はこの原因によって決まります。

原因分類

代表的な疾患

適応手術

精索静脈瘤

精巣周囲の静脈拡張(男性不妊の約35〜40%)

精索静脈瘤手術

精巣性無精子症

精子産生障害(非閉塞性無精子症)

micro-TESE

閉塞性無精子症

精管・精巣上体の閉塞

TESE(通常法)・精管再建術

射精障害

逆行性射精・心因性無射精

TESE・薬物療法

なお、男性不妊の約40〜50%は精索静脈瘤が関与しており、最も手術対象になりやすい疾患です。日本泌尿器科学会のガイドライン(2022年版)では、精液所見の悪化を伴う臨床的精索静脈瘤に対して手術を推奨しています。

精索静脈瘤手術:最も一般的な男性不妊手術

精索静脈瘤手術は、精巣周囲の過剰に拡張した静脈を結紮・切除する手術です。顕微鏡下低位結紮術(顕微鏡手術)が現在の標準術式とされています。

項目

内容

入院期間

日帰り〜1泊2日

手術時間

片側30〜60分

精液改善率

術後6ヶ月で約60〜70%に改善

自然妊娠率(術後1年)

約30〜40%

保険適用

あり(高精度な顕微鏡手術も保険適用)

費用目安(保険3割)

片側約5〜8万円

重要な点:手術後すぐに精液改善が見られるわけではありません。精子が成熟するまでに約72日(約2〜3ヶ月)かかるため、術後3〜6ヶ月での精液再検査が必要です。また、精液所見が正常でも自然妊娠に至らない場合はARTへの移行を検討します。

TESE(精巣内精子採取術):無精子症への対応

TESEは精巣から直接精子を採取する手術です。通常のTESEとmicro-TESE(顕微鏡下TESE)では、対象となる疾患・成功率が大きく異なります。

比較項目

通常TESE

micro-TESE(顕微鏡下TESE)

対象

閉塞性無精子症が主

非閉塞性無精子症(精子産生障害)

精子回収率

閉塞性:90%以上

非閉塞性:40〜60%

手術時間

30〜60分

2〜3時間

入院

日帰り

1〜2泊

保険適用

あり

あり(2022年保険適用拡大)

費用目安(保険3割)

約5〜10万円

約10〜20万円

micro-TESEの精子回収成功率は原因によって大きく異なります。クラインフェルター症候群では約50%、Y染色体微小欠失(AZFc領域)では約50〜70%、AZFa/b欠失では回収はほぼ不可能とされています。このため、micro-TESE前に必ずY染色体微小欠失検査を実施することが推奨されます。

精管再建術(精管吻合術・精巣上体吻合術)

閉塞性無精子症の場合、閉塞部位を外科的につなぎ直す精管再建術が選択肢になります。精管吻合術(精管同士の吻合)と精巣上体吻合術(精巣上体と精管の吻合)の2種類があります。

比較項目

精管吻合術

精巣上体吻合術

適応

精管閉塞(パイプカット後の再建含む)

精巣上体閉塞

技術的難易度

中程度

非常に高い(マイクロサージェリー)

精子回帰率

約70〜90%

約40〜70%

自然妊娠率(術後2年)

約40〜60%

約20〜40%

費用目安(保険3割)

約15〜25万円

約20〜35万円

精管再建術の成否は閉塞部位・閉塞期間・手術医の技術に大きく依存します。パイプカット後の再建では閉塞期間が長いほど成功率が低下するため、再建希望の場合は早期に専門医への相談が重要です。

3つの手術の総合比較表

どの手術が適切かは精液検査・ホルモン検査・遺伝子検査の結果に基づいて判断されます。以下の比較表を参考にしてください。

比較項目

精索静脈瘤手術

TESE / micro-TESE

精管再建術

主な適応

精索静脈瘤

無精子症

閉塞性無精子症

精液所見

乏精子症・精子運動率低下

無精子症

無精子症(閉塞性)

妊娠成功率

自然妊娠30〜40%

採取後ARTで30〜50%

自然妊娠20〜60%

保険適用

あり

あり

あり

費用(3割負担)

5〜8万円

5〜20万円

15〜35万円

術後回復期間

1〜2週間

1〜2週間

2〜4週間

手術を受ける前に知っておくべきこと

男性不妊手術を検討する前に、以下の点を必ず確認してください。

1. 精液検査と原因精査が必須

手術の選択は精液検査(WHO基準)・血中ホルモン値(FSH・LH・テストステロン)・染色体・Y染色体微小欠失検査の結果に基づきます。検査なしに手術を選択することはできません。

2. ART(体外受精・顕微授精)との組み合わせ

TESEで採取した精子は自然妊娠には使用できません。顕微授精(ICSI)との組み合わせが前提です。このため、パートナーの卵巣機能・年齢も妊娠成功率に大きく影響します。夫婦同時の検査と治療計画が重要です。

3. 手術実績のある施設を選ぶ

micro-TESEは高度な顕微鏡技術を要します。年間50例以上の実績を持つ施設での手術が推奨されます。日本生殖医学会・日本泌尿器科学会の専門医在籍施設を選択する基準としてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 精索静脈瘤手術後、どのくらいで妊娠の可能性が出てくるか?

A. 精子成熟サイクルは約72日のため、術後3ヶ月以降に精液改善の効果が現れます。通常は術後6ヶ月〜1年を目標に経過観察します。

Q. micro-TESEで精子が見つからなかった場合はどうなるか?

A. 精子が採取できなかった場合、当該周期の治療は中止となります。再手術は精巣へのダメージを考慮して、通常1年以上の間隔が必要です。精子ドナー利用についても専門医と相談することが選択肢となります。

Q. 保険適用になるのはどのケースか?

A. 精索静脈瘤手術・TESE・精管再建術はいずれも保険適用です。ただし、ART(体外受精・顕微授精)の費用は別途かかります。2022年の保険適用拡大により、体外受精・顕微授精も保険対象となりました(年齢・回数制限あり)。

Q. 男性不妊手術は何科で受けるのか?

A. 泌尿器科(男性不妊専門)が担当します。不妊治療クリニックでは、泌尿器科医と産婦人科医が連携して対応している施設もあります。

Q. 片側のみの精索静脈瘤でも手術が必要か?

A. 臨床的に触診・超音波で確認できる精索静脈瘤があり、精液所見の悪化を伴う場合は片側でも手術適応となります。無症候性のものは経過観察が基本です。

まとめ

男性不妊手術の比較では、原因の正確な特定が最優先事項です。精索静脈瘤手術は最も一般的で保険適用・成功率ともに高い選択肢です。無精子症に対するmicro-TESEは技術的難易度が高いため、実績ある施設での施術が重要です。精管再建術は閉塞性の場合に自然妊娠を目指せる選択肢ですが、閉塞期間が成功率に影響します。

いずれの手術も、精液検査による原因精査と専門医との十分な相談を経て選択する必要があります。MedRootでは不妊治療専門医への相談サポートを行っています。

免責事項
本記事は医療情報の提供を目的としており、診断・治療の代替となるものではありません。個別の症状や治療については、必ず泌尿器科・不妊治療専門医にご相談ください。記載されている成功率・費用は平均的な目安であり、施設・個人の状態によって異なります。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2