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男性不妊治療と職場|上司への伝え方

2026/4/19

男性不妊治療と職場|上司への伝え方

男性不妊治療は通院・検査・手術と仕事の両立が求められる長期戦です。職場への伝え方ひとつで治療のしやすさが大きく変わります。この記事では、上司への告知方法・休暇取得の法的根拠・職場でのストレス管理まで、男性不妊治療と仕事を両立させる実践的なノウハウを解説します。

【この記事のポイント】
・男性不妊治療で必要な通院頻度と休暇パターンを事前に把握する
・上司への告知は「不妊治療のための通院」と伝えれば詳細開示不要
・不妊治療支援制度(特別休暇・テレワーク)がある企業への転職・活用も選択肢

男性不妊治療で必要な通院頻度

男性不妊治療の通院頻度は治療ステージによって異なります。初診〜検査期(1〜3ヶ月)は集中的な通院が必要で、その後は治療方針に応じて頻度が変わります。

治療ステージ

通院頻度

1回あたりの所要時間

精液検査・初診

月1〜2回

1〜2時間

ホルモン検査・精巣生検

月1〜3回

2〜4時間(手術当日は半日〜1日)

手術(TESE・精路再建)

入院1〜3日

術前後含め数日〜1週間

IVF/ICSI採卵採精

採精日1回

1〜2時間(クリニック訪問または持参)

採精は自宅持参が可能なクリニックも多く、その場合は採精日の職場欠勤は不要です。精路再建術(顕微手術)は入院が必要なため、まとまった休暇取得が必要です。

上司・職場への伝え方

男性不妊治療であることを詳細に開示する義務はありません。「不妊治療のための通院が必要」と伝えれば十分で、精液検査・精巣生検など具体的な内容は開示しなくて構いません。

開示レベルの選択肢

  • レベル1(最小限):「定期的な通院が必要な状況です。月に1〜2回、午前中に休暇をいただく可能性があります」
  • レベル2(中程度):「不妊治療のための通院です。妻と一緒に治療を進めており、採精など私の協力が必要な場面があります」
  • レベル3(詳細開示):男性不妊であること・治療内容を具体的に伝える。理解ある職場環境や人事担当者への相談時に有効

伝えるタイミングと場所

手術や集中通院期の前に、上司に個別で伝えることが望ましいです。

  • 1on1ミーティングや個室での面談を活用する
  • 治療スケジュールの概要(通院頻度・期間)を事前に整理してから伝える
  • 「仕事への影響を最小化するための調整策」をセットで提案する(例:テレワーク・フレックス活用)

休暇取得の法的根拠と制度

不妊治療のための休暇取得は、年次有給休暇の取得として認められます(労働基準法第39条)。目的による有給拒否は認められず、使用者は時季変更権の行使に正当な理由が必要です。

企業内不妊治療支援制度

2022年4月施行の「改正育児・介護休業法」および「不妊治療と仕事の両立支援」として、厚生労働省は企業に対して不妊治療支援環境整備を推奨しています。

  • 特別休暇(不妊治療休暇):年間5〜10日の特別休暇を設ける企業が増加
  • フレックスタイム制度:始業・終業時刻の柔軟化で通院調整が容易になる
  • テレワーク:採精後の安静や術後回復期に自宅作業が可能
  • 不妊治療助成・補助金:福利厚生として治療費の一部を補助する企業も

厚生労働省「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査」(2021年)では、男性の20%が不妊治療のために仕事を変えた・辞めた経験があると報告されています。

パートナーとの分担と調整

不妊治療は夫婦両者に関わる治療です。男性側・女性側それぞれの通院日程を調整し、互いの職場状況を把握した上で治療に臨むことが両立の鍵です。

通院カレンダーの共有

  • Google カレンダーなどで通院予定を夫婦共有する
  • 採卵日・採精日(IVF/ICSI)は事前確定しにくいため、パートナーの周期に合わせて1週間単位で有給申請の目処をつける
  • 体外受精の採精は、多くのクリニックが採精容器持参・自宅採精に対応しており、職場を抜けずに済む場合がある

職場でのストレス管理

男性不妊治療は精神的負担が大きく、職場でのパフォーマンス低下や集中力低下につながることがあります。職場環境を整えることが治療継続の支えになります。

職場ストレスへの具体的対処法

  • 業務量の一時的な調整交渉:治療集中期(採卵周期・手術前後)は業務負荷を減らす相談をする
  • 相談できる同僚の存在:詳細を開示しなくても「体調管理が必要な時期」として理解を求める
  • EAP(従業員支援プログラム)の活用:大企業には外部カウンセラーへの相談窓口があることが多い
  • 産業医・保健師への相談:治療に伴う心身の変化を相談する

よくある質問

採精のために仕事を休む必要がありますか?

多くのクリニックでは自宅採精容器の持参が可能です。この場合、採精日に職場を欠勤する必要はありません。ただし精巣生検(TESE・MESA)は手術のため、手術当日と術後1〜2日の休暇が必要です。

不妊治療を理由に解雇されることはありますか?

不妊治療を理由とした解雇・降格は、男女雇用機会均等法等の観点から違法となる可能性があります。厚生労働省のハラスメント防止指針にも「不妊治療ハラスメント(マタハラの一形態)」の禁止が明記されています。

転職したほうが治療しやすいですか?

不妊治療支援制度(特別休暇・助成)がある企業への転職は選択肢の一つです。ただし転職直後は有給休暇が少なく、社会保険の空白期間も生じる可能性があります。現職での制度活用を先に確認してから検討することをお勧めします。

上司に伝えたくない場合はどうすればよいですか?

有給休暇の申請に理由は不要です(労働基準法第39条)。「私用」として申請し、頻度が多い場合のみ「定期的な医療機関受診が必要」と伝える程度で十分です。

手術(精路再建術)のための長期休暇はどう取得すればよいですか?

精路再建術は入院を伴うため、まとまった有給休暇(5〜10日)の取得が必要です。医師の診断書を職場に提出し、医療的必要性を説明することで取得しやすくなります。企業によっては傷病休暇・特別休暇の対象となる場合もあります。

まとめ

男性不妊治療と職場の両立は、事前の準備と情報収集で大幅にやりやすくなります。開示レベルを自分で選択し、必要な制度・権利を活用することが重要です。

  • 通院頻度を事前に把握し、上司へは最小限の情報で相談する
  • 有給休暇は理由開示不要。不妊治療支援制度がある企業では積極活用する
  • パートナーとのスケジュール共有と職場ストレス管理を同時に進める

免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的・医療的アドバイスではありません。個別の状況については担当医・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。記載内容は2026年5月時点の情報に基づいています。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2