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男性不妊とIUI(人工授精)|適応と成功率

2026/4/19

男性不妊とIUI(人工授精)|適応と成功率

男性不妊とIUI(人工授精)の適応を理解するには、精子の状態がどのレベルであればIUIが有効かを知ることが重要です。精子濃度1,000万個/mL以上・前進運動率32%以上が目安であり、これを下回る場合はIVF/ICSIへのステップアップが検討されます。本記事では男性不妊におけるIUIの適応・成功率・費用・治療の流れを解説します。

【この記事のポイント】

  • IUI(人工授精)は精子を洗浄・濃縮して子宮内に直接注入する比較的低侵襲な治療
  • 軽度男性不妊(軽度乏精子症・軽度運動率低下)に適応。重度の場合はIVF/ICSIへの移行が推奨
  • 2022年から保険適用となり、費用負担が大幅に軽減された

IUI(人工授精)とは|仕組みと特徴

IUI(Intrauterine Insemination:子宮内人工授精)とは、精液を洗浄・濃縮処理した後、カテーテルを使って子宮内に直接注入する治療です。タイミング法では届きにくい精子を子宮内に届けることで、受精の機会を高めます。施術は5〜10分程度で完了し、入院不要・痛みも少ない低侵襲な治療です。

タイミング法との違い

比較項目

タイミング法

IUI

精子の届け方

自然な性交渉

カテーテルで子宮内に直接注入

精子処理

なし

洗浄・濃縮(運動精子を選別)

適応精子数

1,000万/mL以上

500万〜1,000万/mL以上(処理後)

1回の妊娠率

5〜10%

5〜15%(排卵誘発併用で向上)

男性不妊とIUIの適応基準

IUIが推奨されるのは、精液検査で以下の基準を満たす場合です。洗浄後に前進運動精子が500万個以上確保できるかどうかが実施の重要な目安となります。

  • 総運動精子数:採精後の洗浄処理後に500万個/mL以上(目安)
  • 精子濃度:1,500万個/mL以上が推奨(WHO下限基準)
  • 前進運動率:32%以上(WHO基準)
  • 重症度分類:軽度乏精子症・軽度奇形精子症・軽度運動率低下

IVF/ICSIにステップアップを検討するタイミング

  • IUIを3〜6周期試みても妊娠不成立
  • 洗浄後の前進運動精子が100万個未満
  • 女性側に卵管閉塞・重度子宮因子などがある
  • 女性の年齢が38歳以上で治療期間の短縮を優先したい場合

IUIの成功率(妊娠率)

IUIの1回あたりの妊娠率は、排卵誘発を併用しない場合で5〜10%、排卵誘発併用で10〜15%が一般的な目安です。累積では3〜6回の施術で妊娠率が最大化するとされています。

妊娠率に影響する要因

  • 女性の年齢:最大の規定因子。35歳以降で急低下
  • 洗浄後運動精子数:100万個以上で妊娠率が向上する研究あり
  • 卵管の状態:卵管閉塞があるとIUIは無効
  • 排卵誘発の有無:クロミフェン・ゴナドトロピン投与で妊娠率が上昇する場合がある
  • 子宮内膜の厚さ:8mm以上が着床に好適とされる

IUI治療の流れ

  1. 精液検査・男性不妊評価:精子数・運動率・形態・DFI測定
  2. 女性側の卵管通過性確認:子宮卵管造影(HSG)で卵管の状態を確認
  3. 排卵モニタリング:超音波検査で排卵日を予測
  4. 採精・精液処理:採精後2時間以内にクリニックへ持参。洗浄・濃縮処理で運動精子を選別
  5. IUI施術:排卵約36時間前〜排卵当日に子宮内注入(5〜10分)
  6. 黄体期管理:必要に応じてプロゲステロン補充
  7. 妊娠判定:施術後14日前後に尿中または血中hCG測定

費用と保険適用(2024年時点)

2022年4月から人工授精(AIH)が保険適用となりました。保険適用での患者負担は3割で、1回あたり約5,000円〜1万5,000円程度が目安です。

費用内訳の目安

項目

保険適用(3割)

自費診療

IUI施術料

約5,000〜1万円

約2万〜4万円

精液処理料

保険内に含まれる場合あり

約5,000〜1万円

排卵誘発剤(注射)

約3,000〜1万円/周期

約1万〜3万円

超音波検査

約500〜1,500円/回

約2,000〜5,000円/回

※保険適用の条件:法律上の婚姻または事実婚・女性43歳未満・通算6回まで(40歳未満は6回)

よくある質問(FAQ)

Q1. 人工授精は痛いですか?

個人差がありますが、多くの方は軽い違和感または月経痛に似た軽い痛みを感じる程度です。施術は5〜10分程度で完了し、麻酔は不要なことがほとんどです。

Q2. IUIは何回まで試みるべきですか?

一般的に3〜6回が目安です。6回を超えると累積妊娠率の上乗せが小さくなるため、IVF/ICSIへのステップアップを検討するタイミングとされています。女性の年齢・精子の状態によってタイミングは異なります。

Q3. 自宅で採精してクリニックに持参できますか?

可能です。採精から2時間以内(体温程度の温度で保管)にクリニックに持参することが一般的です。専用の採精容器を事前に入手してください。

Q4. IUIの保険適用回数は何回ですか?

2024年時点では1子あたり通算6回まで保険が使えます(女性40歳未満は6回、40〜43歳未満は3回)。条件・回数は変更になる場合があるため、担当医またはクリニックに確認してください。

Q5. 排卵誘発は必ずしますか?

必須ではありません。自然周期のIUIも可能ですが、排卵誘発剤を使用することで卵子の数・排卵タイミングを最適化でき、妊娠率が向上する場合があります。副作用(多胎妊娠リスクなど)と合わせて担当医と相談しましょう。

まとめ

男性不妊に対するIUI(人工授精)は、軽度〜中等度の精液所見異常に有効な治療です。2022年から保険適用となり、費用負担は大幅に軽減されました。3〜6周期を目安に実施し、妊娠不成立の場合はIVF/ICSIへのステップアップを担当医と相談することが推奨されます。男性側の精液検査・DFI測定を事前に行い、治療方針を最適化することが大切です。

次のステップへ

IUI(人工授精)について詳しく相談したい方は、生殖医療専門クリニック(日本生殖医学会認定施設)にご相談ください。精液検査の結果をもとに、タイミング法・IUI・IVFのどれが最適かを専門医と一緒に判断しましょう。

※本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の治療を推奨するものではありません。妊娠率・費用は個人差・施設差があります。治療方針は必ず担当医にご相談ください。制度情報は2024年時点のものです。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2