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男性不妊治療の医療費控除|確定申告ガイド

2026/4/19

男性不妊治療の医療費控除|確定申告ガイド

男性不妊治療は医療費控除の対象になるか:結論から

男性不妊治療の費用は、医療費控除の対象になります。精液検査・精索静脈瘤手術・TESE・ホルモン治療など、男性側の不妊治療費はすべて医療費控除として確定申告が可能です。2022年4月からは体外受精・顕微授精も保険適用になりましたが、保険適用外の部分(先進医療・自費診療)も医療費控除の対象です。

この記事のポイント

  • 男性不妊治療のどの費用が医療費控除対象か
  • 控除を受けるための手順(確定申告の流れ)
  • 保険適用との組み合わせで最大限節税する方法
  • 自治体助成金・高額療養費との併用可否
  • 実際の節税額シミュレーション

医療費控除とは:基本的なしくみ

医療費控除は、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が10万円(または総所得金額の5%)を超えた場合に、超えた分を所得から控除できる制度です。

項目

内容

控除対象期間

1月1日〜12月31日の実際に支払った医療費

控除下限額

10万円(総所得200万円未満の場合は所得×5%)

控除上限額

200万円

申告方法

翌年2〜3月の確定申告(5年以内の過去分は遡及申告可能)

対象者

本人および生計を一にする配偶者・親族

重要:生計を一にする夫婦であれば、妻の医療費+夫の医療費を合算して申告できます。どちらの名義で申告するかは、所得の高い方が申告した方が節税効果が大きくなる場合があります。

男性不妊治療費の医療費控除対象・対象外一覧

不妊治療に関連する費用の控除可否を整理します。

費用の種類

控除対象

備考

精液検査費用

保険適用・自費どちらも対象

精索静脈瘤手術(保険診療分)

自己負担分が対象

TESE・micro-TESE(保険診療分)

自己負担分が対象

精子凍結保存費用

治療目的のため対象

ホルモン治療(FSH・hCG等)

対象

顕微授精(ICSI)保険分

自己負担分が対象

先進医療(IMSI・ERA等)

保険外だが対象

交通費(通院のための公共交通機関)

領収書不要・記録が必要

妊活サプリメント

×

医薬品でないため原則対象外

市販の市販薬(医師処方でないもの)

スイッチOTC薬はセルフメディケーション税制の対象

人間ドック・健康診断(病気発見なし)

×

疾病発見・治療につながった場合のみ対象

自家用車の交通費・ガソリン代

×

公共交通機関利用が原則

節税額のシミュレーション

医療費控除による還付金の目安を計算します。

モデルケース:夫婦合算で年間100万円の治療費

項目

金額

年間医療費(夫婦合計)

100万円

控除対象額(100万−10万)

90万円

所得税率20%の場合の節税額

90万円×20%=18万円

住民税の軽減(10%)

90万円×10%=9万円

合計節税効果(概算)

約27万円

実際の還付額は所得・控除の状況によって異なります。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すると正確な計算が可能です。

保険適用(2022年〜)との組み合わせ方

2022年4月から体外受精・顕微授精が保険適用となりました。この変更で医療費控除の取り扱いも変わっています。

保険適用後の変化

  • 保険3割負担の自己負担分:医療費控除の対象
  • 高額療養費制度:適用後の自己負担額が控除対象(高額療養費で補填された分は除外)
  • 先進医療・保険外診療:引き続き全額が医療費控除対象

高額療養費との関係

高額療養費制度で補填された金額は医療費控除の対象から除外されます。例えば、手術で30万円かかり高額療養費で10万円還付された場合、医療費控除の対象は20万円です。

自治体の不妊治療助成金との関係

都道府県・市区町村の不妊治療助成金を受けた場合も、助成金で補填された分は医療費控除の対象から除外する必要があります。

補填された金額の種類

控除対象から除外するか

保険給付(高額療養費等)

除外する

都道府県・市区町村の助成金

除外する

生命保険・医療保険の給付金

除外する(当該医療費分のみ)

会社の福利厚生(不妊治療補助)

除外する

確定申告の手順:医療費控除を申請する流れ

必要なもの

  • 医療費の領収書(クリニック・薬局等)またはe-Tax向けの「医療費通知」(健康保険組合発行)
  • 医療費控除の明細書(国税庁ウェブサイトからダウンロード可)
  • 交通費の記録(日付・交通機関・金額のメモ)
  • 源泉徴収票(会社員の場合)
  • マイナンバーカード(e-Tax利用の場合)

申告の流れ

  1. 年間の医療費を集計(夫婦合算で行うかを決める)
  2. 「医療費控除の明細書」を作成(領収書ごとに記入)
  3. 確定申告書に控除額を記入(e-TaxまたはA4用紙で提出)
  4. 税務署へ提出(2月16日〜3月15日が原則。還付申告は1月から可能・5年遡及可)

e-Taxを使えば領収書の郵送不要(5年間の保管義務はあり)。スマートフォンでもマイナンバーカードがあれば申告可能です。

よくある質問(FAQ)

Q. 領収書を捨ててしまいました。申告できますか?

A. 健康保険組合から発行される「医療費通知」があれば、領収書なしで申告できます(通知に記載のない費用は領収書が必要)。クリニックに領収書の再発行が可能か確認することも選択肢です。

Q. 夫名義と妻名義、どちらで申告すべきですか?

A. 所得が高い方(税率が高い方)が申告した方が節税効果が大きくなります。ただし生計を一にしていることが前提です。

Q. 過去5年間の分も申告できますか?

A. 可能です。5年以内の過去分は「還付申告」として1月から随時申告できます。2019年分であれば2024年末まで申告可能です。

Q. 精子凍結保存費用は対象になりますか?

A. 不妊治療を目的とした精子凍結は医療費控除の対象です。がん治療前の妊孕性温存目的の凍結も対象(2023年からの助成制度と並行して活用できます)。

まとめ

男性不妊治療の費用は医療費控除の対象であり、夫婦合算で申告することで節税効果を最大化できます。2022年の保険適用拡大後も、自己負担分・先進医療費は引き続き控除対象です。高額療養費・助成金と重複しないよう正確に集計し、毎年忘れずに申告することが重要です。

年間100万円規模の治療費がかかる場合、医療費控除だけで20〜30万円程度の節税になることがあります。少し手間がかかりますが、確実に取り組む価値のある手続きです。不明点は税務署の無料相談窓口(税務署・市区町村の税務課)を積極的に活用してください。

免責事項
本記事は2026年5月時点の税制・医療制度に基づく一般的な情報です。税務上の判断は個別の状況によって異なるため、確定申告については税務署または税理士にご確認ください。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2