つわりで料理がつらいときは、食べられそうな味・温度のものを少量から試して構いません。市販のおかゆや惣菜を使ったり、ほかの人に準備を頼んだりする方法もあります。吐きづわり・食べづわり等のタイプを診断して、必ず決まった食品を選ぶ必要はありません。
ただし、水分や食事を保てないほど吐く、尿が少ない・濃い、立つとふらつく、体重が減っている場合などは、レシピでの改善を待たず産科へ連絡してください。回数や体重減少の割合を満たすまで待つものではありません。
味・温度・量は、今日の体調で変えてよい
NHSは、つわりへの工夫として、少量を何回かに分ける、においで気持ちが悪くなる食品を避ける、温かい料理のにおいがつらければ冷たいものを試す、水分を少しずつ飲むといった方法を挙げています。ただし、全員に効く食品や方法はありません。
以下は家で組み合わせる献立例です。1回で食べ切る必要はなく、材料や量は食べられる範囲へ調整してください。アレルギーや持病による制限がある場合は、その指示を優先します。食品ごとに消費期限・保存条件・加熱の要否を確認しましょう。
少量から試せる10の献立例
1.豆腐の梅添え
材料例は小さめの豆腐、少量の梅肉、好みでしょうゆです。そのまま食べられる表示の豆腐を器に出し、梅肉を少し添えます。酸味がつらければ梅を省いてください。要加熱の豆腐は表示どおりに調理し、開封後は早めに食べます。
2.バナナとプレーンヨーグルト
食べられそうな量のバナナを切り、殺菌された乳を使ったプレーンヨーグルトに添えます。牛乳やヨーグルトのにおい・酸味がつらい日は、無理に組み合わせなくて構いません。乳アレルギー等がある場合は避けます。
3.冷やしそうめん
乾麺を袋の表示どおりにゆで、水で冷まして水気を切ります。濃縮つゆは表示の倍率で薄め、少量を添えます。ゆでた麺を長時間室温へ置かず、食べる量だけ準備しましょう。
4.市販のおかゆに少量の梅肉
レトルトのおかゆを、その製品の表示に従って準備します。要加熱なら十分に温め、食べやすい温度へ少し冷ましてから、好みで梅肉を添えます。梅を加えれば吐き気が治るという意味ではありません。
5.うどんと薄めのつゆ
冷凍・冷蔵のうどんを、商品の表示どおりに加熱します。少なめのつゆと合わせ、温かいものがつらければ食べやすい温度に調整します。「ゆでうどんだから流水だけで食べられる」とは限りません。そのまま食べられる製品以外は、加熱を省かないでください。
6.市販の焼きいもを少しずつ
食べ切りやすい焼きいもを用意し、小さく切るかスプーンで取ります。商品に加熱・保存の指示があれば従い、食べられる分を取り分けます。腹持ちや食物繊維のために無理にたくさん食べる必要はありません。
7.調理済みの茶碗蒸し
卵が十分加熱された市販品を使い、商品の表示を確認します。そのまま食べられる品か、再加熱が必要かを区別してください。自宅の電子レンジで何分なら必ず卵が安全に固まる、と共通の時間だけで判断するものではありません。
8.果物またはフルーツゼリー
生の果物を使う場合は、切る前によく洗い、清潔な器具で食べやすい大きさにします。市販のゼリーや缶詰の果物も選択肢です。開封後の残りは表示どおり保存し、古くなったものを食べ続けないでください。
9.小さなおにぎり
ご飯を少量ずつ清潔なラップで包み、好みで少量の塩や梅肉を使います。買ったおにぎりを使っても構いません。作ったものを長く持ち歩いたり室温に置いたりせず、早めに食べます。「冷蔵庫なら何時間でも安全」という作り置きにしないでください。
10.食パン・トーストを小さく切る
食べられそうな食パンを小さく切る、好みならトーストして少し冷ますなどの方法があります。バターやジャムは好みに合わせ、においがつらければ何も付けずに試せます。これだけで必要な栄養がすべてそろうという献立ではありません。
冷たいもの・作り置きも、食品の表示と衛生を優先する
| 準備する場面 | 注意すること |
|---|---|
| 要加熱の表示がある | 冷蔵の麺や惣菜でも、必要な加熱を省略しない。調理済みかどうかを見た目で決めない。 |
| 肉・魚介類・卵を使う | 十分に加熱し、生の材料を扱う器具と食べる器具を分ける。冷製料理という理由で生・半生にしない。 |
| 野菜・果物を生で食べる | 水道水等でよく洗い、手と調理器具も清潔にする。 |
| 残りを保存する | 商品表示・期限を確認。冷蔵庫を過信せず、長く置いた作り置きや古い食品は使わない。 |
農林水産省は、妊娠中はリステリア等の食中毒に注意し、加熱調理用の食品は十分に加熱すること、生の野菜・果物は洗うこと、冷蔵庫内でも長期保存を過信しないことを案内しています。「冷やした豆腐のほうが加熱より安全」「妊娠中はにおいを避けるためすべて加熱しない」という区別にはなりません。
食べられない日が続くときは、食事だけで解決しようとしない
つわりが強いときに、理想の献立を作れない自分を責める必要はありません。一方、「妊娠初期は栄養の蓄えがあるから、何日食べられなくても大丈夫」と安全を保証することもできません。
飲食を保てない、尿が少ない、ふらつき、体重減少、強い痛み、発熱や吐血などがあれば、産科へ連絡してください。水分をどう摂るか、点滴等の治療が必要かを含めて相談できます。意識や呼吸に異常がある、動けないなど緊急時は119へ連絡します。
サプリメントを重ねて食事の代わりにしたり、ビタミンB6等の量を増やして吐き気を治そうとしたりしないでください。処方薬や葉酸等のサプリが飲みにくい場合も、製品名と実際に飲めている量を医師・薬剤師へ伝え、対応を相談しましょう。
確認した資料
2026年10月24日に確認。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。