
授乳中にハーブティーを楽しみたいと思っても、「どれが安全でどれが危険なのか」がわからず迷う方は多いです。ハーブには薬効成分が含まれるものも多く、授乳中は特に慎重な選択が必要です。この記事では、授乳中に飲んでよいハーブティーと避けるべき種類を、作用別に分かりやすく整理します。
この記事のポイント
- 授乳中に安全とされるハーブ:ルイボスティー、カモミール(少量)、ジンジャー、レモンバーム
- 授乳中に避けるべきハーブ:セージ、ペパーミント(大量)、パセリ、エルダーベリー
- 母乳量に影響するハーブ:フェヌグリーク(増加)、セージ・ペパーミント(減少)
- 「ナチュラル=安全」ではない。成分・量・個人差を考慮して選択する
授乳中に安全とされるハーブティー5種
以下のハーブティーは、授乳中の適量摂取において安全性が比較的確認されています。ただし「大量摂取は安全」ではなく、1日1〜2杯程度を目安にしてください。
- ルイボスティー:カフェインゼロ、タンニン低含有。ポリフェノールを含み、鉄分の吸収を妨げにくい。授乳中の代替飲料として最も推奨されやすい
- カモミールティー:リラックス・抗炎症作用がある。1日1〜2杯程度なら安全とされる。キク科アレルギーのある方は注意。大量摂取(1日4杯超)は子宮収縮を促す可能性がある
- ジンジャーティー:消化促進・吐き気緩和に使われる。授乳中も少量なら安全とされている。生姜の辛味成分(ショウガオール・ジンゲロール)が母乳に移行する量はごく微量
- レモンバーム:リラックス作用がある。カフェインゼロ。ストレスが多い授乳期のリラクゼーションに向いている
- ハイビスカスティー:ビタミンC・クエン酸を含む。カフェインゼロ。ただしシュウ酸を含むため過剰摂取は尿路結石のリスクがある。1日1〜2杯は問題なし
授乳中に避けるべきハーブティーとその理由
以下のハーブには母乳量を減らす成分や、赤ちゃんへの安全性が未確認の成分が含まれるため、授乳中は摂取を避けることを推奨します。
ハーブ | 懸念される作用 | 判断 |
|---|---|---|
セージ(サルビア) | エストロゲン様作用、母乳量減少 | 授乳中は避ける |
ペパーミント(大量) | 母乳量減少(断乳目的で使われることも) | 大量摂取は避ける |
パセリ(大量) | アピオールによる子宮収縮促進 | 料理の少量使用はOK。大量摂取NG |
エルダーベリー | 授乳中の安全性データ不足 | データ不足のため避ける |
バレリアン(セイヨウカノコソウ) | 鎮静作用が赤ちゃんに影響する可能性 | 授乳中は避ける |
センナ(下剤系ハーブ) | 母乳を通じて赤ちゃんに下剤効果 | 授乳中は使用しない |
母乳量に影響するハーブ:増やすものと減らすもの
ハーブには母乳分泌を促す「催乳ハーブ(ガラクタゴーグ)」と、逆に母乳を減らす「抑乳ハーブ」があります。
母乳量を増やすとされるハーブ(限定的なエビデンス):
- フェヌグリーク:種子・葉を使う。最もよく知られた催乳ハーブ。汗や母乳がメープルシロップのような匂いになることがある。一部研究で母乳量増加を示すが、効果は個人差が大きい
- ミルクシスル(マリアアザミ):肝臓保護作用もある。催乳効果のエビデンスは限定的だが副作用報告も少ない
- タンポポ(根・葉):伝統的に催乳ハーブとして使われてきた。科学的エビデンスは不十分
母乳量を減らすとされるハーブ:
- セージ:断乳希望者が意図的に使う場合もある
- ペパーミント(大量):少量のペパーミントティー1〜2杯程度なら通常問題ないとされる
- パセリ(大量):料理での通常使用は問題なし
ハーブティーブレンド製品の注意点
市販のハーブティーブレンドは複数のハーブを組み合わせているため、個別成分の確認が必要です。
- 授乳ケアティー・母乳ティーという商品名でも成分を確認する。フェヌグリーク・ネトル・フェンネルなどが含まれることが多い
- リラックス系ブレンドにバレリアンが含まれている場合は避ける
- ダイエットティー・デトックスティー:センナ・カスカラ・アロエエモジンなどの下剤成分が含まれる場合がある。授乳中は使用しない
- 妊活・美容系ブレンド:エストロゲン様物質を含むハーブが入っていることがある
不明な成分が含まれる製品は、授乳中は避けるか、購入前に成分リストを医師・薬剤師に確認することを推奨します。
ハーブティーを安全に楽しむための実践ルール
授乳中にハーブティーを楽しむための基本的な安全ルールをまとめます。
- 1種類ずつ試す:新しいハーブを試す際は1種類ずつ。赤ちゃんの様子を2〜3日観察してから次に試す
- 1日2杯以下から始める:最初は少量から様子を見る
- 赤ちゃんの変化を観察する:ぐずり・睡眠パターン・便の変化・皮膚の発疹などに注意
- 成分不明の場合は飲まない:ネット購入の個人輸入品は成分の信頼性が低い場合がある
- 薬との相互作用に注意:産後に服用中の薬がある場合、ハーブとの相互作用を医師に確認する
カモミールティーと赤ちゃんへの影響の考え方
カモミールは最もポピュラーなリラックス系ハーブティーですが、授乳中のリスクについて正確に理解しておくことが大切です。
1日1〜2杯(150ml程度)のカモミールティーは、授乳中のほとんどの人に問題ないとされています。ただし以下の場合は注意が必要です。
- キク科(ヒマワリ・デイジー・菊等)のアレルギーがある場合:アナフィラキシーリスクあり
- 1日4杯以上の大量摂取:アピゲニン(鎮静作用)の過剰摂取になる可能性
- 抗凝固薬(ワーファリン等)服用中:出血リスク増加の可能性
よくある質問(FAQ)
「授乳中OK」と書いてある市販のハーブティーは安全?
「授乳中OK」の表示は一般的な安全性を示しますが、個人の体質・服薬状況・摂取量によって影響が変わります。表示を過信せず、成分を確認した上で少量から試すことを推奨します。
フェヌグリークで母乳量を増やしたいのですが?
フェヌグリークはサプリメントや乾燥ハーブとして利用されますが、甲状腺機能低下症・糖尿病の方は注意が必要(血糖値に影響する可能性)。使用を検討する場合は助産師や医師に相談することを推奨します。
ペパーミントティーを1杯飲んだら母乳が出なくなる?
1〜2杯程度では通常、母乳量への影響は軽微です。大量摂取(1日4杯以上を継続)した場合に母乳量の低下を感じるケースがあります。授乳を積極的に続けたい場合は念のため制限するのが無難です。
麦茶・コーン茶はハーブティーとして飲んでいい?
麦茶・コーン茶はカフェインゼロで授乳中の水分補給に適しています。成分的に問題となるものは含まれず、積極的に活用できます。
ハーブティーを飲んだ後、赤ちゃんに発疹が出た場合は?
すぐにそのハーブティーの摂取を中止し、発疹の状態を確認してください。急速に広がる・呼吸困難などが伴う場合は速やかに医療機関を受診してください。軽度の発疹であれば小児科に相談しつつ様子を観察します。
まとめ
授乳中のハーブティーは「ナチュラル=安全」ではなく、種類・量・個人差を考慮した選択が重要です。ルイボスティー・麦茶・レモンバームなどカフェインゼロで安全性の高いものから始めるのが賢明な方法です。セージ・ペパーミント(大量)・バレリアン・センナ系は授乳中に避けるべきハーブとして覚えておいてください。
母乳量の増減が気になる場合は、ハーブに頼る前にまず授乳回数の調整・水分摂取の見直し・睡眠の確保を優先させることをお勧めします。
免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療上のアドバイスではありません。ハーブティーの安全性は個人の健康状態・服薬状況によって異なります。不安な点は医師・薬剤師にご相談ください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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