
天然サプリと合成サプリの違いは「原料の由来」にある
天然サプリメントは野菜・果物・海藻などの食品素材から栄養成分を抽出して製造されます。一方、合成サプリメントは化学的に合成された成分を使用しています。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、ビタミンやミネラルの推奨量は食事由来を基本としつつ、不足分をサプリメントで補うことを想定しています。
両者の主な違いは以下の通りです。
比較項目 | 天然サプリ | 合成サプリ |
|---|---|---|
原料 | 食品由来(野菜・果物・海藻等) | 化学合成された成分 |
含有成分 | 補因子・微量成分も含む | 単一成分が中心 |
吸収率 | 食品マトリクスにより吸収されやすい傾向 | 成分による(葉酸は合成型の方が高い) |
価格帯 | 月額3,000〜8,000円が目安 | 月額500〜3,000円が目安 |
含有量の安定性 | ロットにより多少の変動あり | 均一で安定 |
吸収率は「成分ごと」に異なる|一概にどちらが優れているとは言えない
「天然の方が吸収率が高い」という説は一部の成分には当てはまりますが、全てに当てはまるわけではありません。例えば、葉酸については合成型(モノグルタミン酸型)の方が天然型(ポリグルタミン酸型)より約1.7倍の生体利用率があると報告されています(厚生労働省 食事摂取基準2020)。
ビタミンEでは天然型(d-alpha-tocopherol)が合成型(dl-alpha-tocopherol)の約2倍の生理活性を持つとされています。ビタミンCについては、天然・合成で化学構造が同一のため、吸収率に有意差はないとする研究が複数あります。
つまり、「天然が常に優れている」という単純な図式ではなく、摂取したい栄養素ごとに最適な形態を選ぶことが重要です。
天然サプリを選ぶメリット|食品由来の補因子が栄養素の働きを助ける
天然サプリの最大のメリットは、食品に含まれる補因子(フラボノイド、カロテノイドなど)が一緒に摂取できる点です。これらの微量成分は主要栄養素の吸収や代謝を助ける可能性があると考えられています。
天然サプリが適しているケースは以下の通りです。
- 食事に近い形で栄養を補いたい方:食品マトリクスごと摂取できるため、食事の延長として取り入れやすい
- 複数の微量栄養素を同時に摂りたい方:1つのサプリに多種類の成分が含まれていることが多い
- 化学合成品に抵抗がある方:原料が食品由来のため心理的な安心感がある
- 妊活中・妊娠中で食事全体の質を高めたい方:ビタミンE、鉄、亜鉛など食品由来の方が穏やかに作用する成分もある
ただし、天然サプリは価格が高い傾向にあり、1粒あたりの含有量が少ないため、必要量を摂るには複数粒の服用が必要になることもあります。
合成サプリを選ぶメリット|コスパと含有量の正確さで選ぶなら合成型
合成サプリは化学的に合成されるため、成分含有量が正確に管理されています。「1粒に葉酸400μg」といった表示通りの量を確実に摂取できるのが強みです。
合成サプリが適しているケースは以下の通りです。
- 特定の栄養素を確実に必要量摂りたい方:葉酸、鉄、ビタミンDなど不足が明確な場合
- 費用を抑えたい方:月額500〜1,500円で基本的な栄養素をカバーできる
- 妊娠初期に葉酸を確実に摂りたい方:厚労省は合成型葉酸(モノグルタミン酸型)400μg/日を推奨
- 医師から特定のサプリを指示されている方:処方に近い形で正確な用量管理が必要
注意点として、合成サプリは単一成分のため、過剰摂取のリスクが天然サプリより高くなる場合があります。特にビタミンA、ビタミンD、鉄は上限量に注意が必要です。
妊活・妊娠中のサプリ選び|葉酸は合成型、それ以外はケースバイケース
妊活中・妊娠中のサプリ選びでは、栄養素ごとに天然・合成の使い分けが推奨されます。
栄養素 | 推奨形態 | 理由 |
|---|---|---|
葉酸 | 合成型(モノグルタミン酸型) | 厚労省推奨。生体利用率が天然型の約1.7倍 |
鉄 | どちらでも可(ヘム鉄が吸収しやすい) | ヘム鉄は天然由来で胃への負担が少ない |
ビタミンD | 合成型でも可 | D3の形態であれば天然・合成で差は小さい |
ビタミンE | 天然型(d-alpha)が望ましい | 合成型の約2倍の生理活性 |
亜鉛 | どちらでも可 | キレート加工されていれば吸収率は同等 |
DHA/EPA | 天然由来(魚油)が一般的 | 合成型は流通が少ない |
複数の栄養素をまとめて摂りたい場合は、葉酸が合成型で配合されたマルチビタミンサプリを選ぶのが効率的です。
品質の見分け方|GMP認証・成分表示・第三者検査をチェック
天然・合成に関わらず、サプリメントの品質を判断するポイントは共通しています。以下の5項目を確認してください。
- GMP認証の有無:国内GMP認証工場で製造されているか。パッケージに「GMP」マークがあるか確認
- 成分含有量の明記:「ビタミンC配合」ではなく「ビタミンC 1,000mg」のように定量表示があるか
- 原材料表示の確認:天然サプリなら原料の食品名(例:アセロラ由来ビタミンC)が記載されているか
- 添加物の種類と量:着色料、香料、保存料が最小限か。原材料欄の後半に添加物が並ぶ製品は注意
- 第三者機関の検査:重金属、農薬残留、微生物検査を実施しているか。検査証明書の公開があると信頼性が高い
価格が極端に安い製品は、原料の品質や検査体制に懸念がある場合もあります。1日あたり100〜300円程度が品質と価格のバランスが取れた目安です。
よくある質問
天然サプリの方が体に良いですか?
一概にそうとは言えません。栄養素によって天然型・合成型の優劣が異なります。例えば葉酸は合成型の方が吸収率が高く、ビタミンEは天然型の方が生理活性が高いとされています。摂りたい栄養素に応じて選ぶことが重要です。
合成サプリは危険ですか?
適切な用量を守れば、合成サプリが危険ということはありません。医薬品として使われるビタミン剤も多くは合成型です。ただし、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)は過剰摂取のリスクがあるため、上限量を守ってください。
天然と合成を見分ける方法は?
原材料表示を確認してください。天然サプリは「アセロラ末」「レモン果汁末」など食品名が記載されます。合成サプリは「L-アスコルビン酸」「ピリドキシン塩酸塩」など化学名が記載されています。
妊活中はどちらを選ぶべきですか?
葉酸は厚生労働省が合成型(モノグルタミン酸型)400μg/日を推奨しています。それ以外の栄養素は、食事で不足している分を天然・合成問わず補えば十分です。迷った場合は、葉酸が合成型で配合されたマルチビタミンが無難です。
天然サプリと合成サプリを併用しても大丈夫ですか?
併用自体は問題ありませんが、同じ栄養素が重複して過剰摂取にならないよう注意してください。特に鉄、亜鉛、ビタミンA、ビタミンDは上限量を超えないよう、各サプリの含有量を合計して確認しましょう。
まとめ
天然サプリと合成サプリは、原料の由来が異なるだけで、どちらが一方的に優れているわけではありません。葉酸のように合成型が推奨される栄養素もあれば、ビタミンEのように天然型が有利な栄養素もあります。自分に不足している栄養素を把握し、その栄養素に適した形態を選ぶことが最も合理的な判断です。妊活中・妊娠中の方は、まず葉酸(合成型400μg/日)を確保した上で、食事で不足する栄養素をサプリで補うという優先順位で考えてください。品質はGMP認証・成分定量表示・第三者検査の3点で判断できます。
※本記事は一般的な栄養情報の提供を目的としており、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。サプリメントの選択・使用については、かかりつけの医師または管理栄養士にご相談ください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
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