稽留流産、進行流産、不全流産、完全流産は、妊娠や子宮内の状態を表す言葉です。出血の量や痛みだけで種類を自己判断することはできません。診断を受けたら、今の状態と、治療・経過観察で何を確認するのかを聞きましょう。
出血が多い・強い痛みがあるときは、種類の確認より受診を優先します
妊娠中に出血があれば、少量や茶色でも診療先へ連絡して受診時期を確認します。多い出血、出血に強い腹痛・肩の痛み・ふらつきや失神が伴う場合は、救急受診を含めすぐに助けを求めてください。NHS:妊娠中の出血と緊急症状
出血したから必ず流産、出血が止まったから完全流産、とは決められません。異所性妊娠など別の確認が必要な場合もあります。すでに診断や処置を受けた後も、強い痛み・多い出血・発熱や体調悪化は診療先へ連絡してください。
4つの呼び方は、主に妊娠や子宮内の経過を表します
| 呼び方 | 一般的に表す状態 |
|---|---|
| 稽留流産 | 妊娠の発育が止まっているが、子宮内に残っている状態。自覚症状がないこともある |
| 進行流産 | 出血などとともに、子宮内容の排出が進んでいる状態 |
| 不全流産 | 一部が排出された後も、子宮内に組織が残っている状態 |
| 完全流産 | 子宮内容がすべて排出されたと診察で確認された状態 |
埼玉医科大学病院の説明では、これらを区別し、状態と本人の希望に応じて治療や経過観察を選びます。名前だけで手術の必要性や緊急度が同じになるわけではありません。埼玉医科大学病院:流産の説明と治療
「切迫流産」は流産が確定した状態とは異なり、出血などがあっても妊娠を継続できる可能性がある状態です。ただし、安静や薬で必ず防げるという意味ではありません。活動や薬の必要性は、診療先の指示を確認します。
診断は超音波や経過で確認し、時期が必要なことがあります
医師は妊娠週数、過去の診察、超音波、必要に応じた血液検査などで確認します。早い段階では一度で判断できず、再診が必要なことがあります。胎嚢や心拍が見えないという言葉だけを、ネットの週数表で流産と結びつけないでください。RCOG:妊娠初期の流産の診断
妊娠反応が陽性でも、妊娠がどこにあるかをまだ確認できない場合があります。出血して組織らしきものが出た後も、自分で「完全に終わった」と判断せず、必要な再検査を確認します。RCOG:妊娠部位がまだ分からない場合の確認
治療や待機を選ぶ前に、見通しと連絡先を聞きます
自然な排出を待つ、手術を行うなどの対応は、診断・出血・感染の心配・体調や本人の希望に応じて相談します。海外の資料にある流産治療薬や使い方を、そのまま日本で自己使用するものではありません。
- 今は何が確認できていて、何がまだ分からないか。
- 選択肢の利点・負担、途中で方針を変える場合の対応。
- 予想される出血や痛み、すぐ連絡する症状。
- 次の診察・検査の目的と、夜間や休日の連絡先。
完全流産と診断された場合も、医師から案内された確認や、悪化時の連絡を省かないようにします。病名ごとに「安堵するはず」「衝撃が強いはず」と、気持ちを決める必要もありません。
生化学的妊娠や、繰り返す場合の相談を分けて考えます
生化学的妊娠は、妊娠反応が陽性になったものの、超音波で胎嚢を確認する前に妊娠が終了することを指します。ただし、陽性後に胎嚢が見えない段階だけで、自分で終了したと決めることはできません。
こども家庭庁は、2回以上の流産・死産の既往を不育症と説明し、生化学的妊娠はその流産回数に含めないとしています。これはつらさの大小を決める基準ではありません。繰り返す場合や不安がある場合は経過を持って相談し、全員に同じ免疫検査や治療を追加しないようにします。こども家庭庁:不育症の定義と相談
心の負担も、今の状態で相談できます
診療先の医師・助産師や、流産・死産等を経験された方への公的な相談窓口に、体調や生活の困りごとを伝えられます。次の妊娠の時期も一律に月経1〜2回とせず、処置と回復、薬、本人の希望を踏まえて担当医と相談してください。
出典と確認日
2026年10月26日に上記の名称・診断・治療相談・受診・支援の該当節を確認しました。英国と日本の週数区分や治療薬を混同せず、流産の種類や気持ちを症状表だけで自己判定する案内にはしていません。医師による本記事の個別監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。