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卵管閉塞と妊活|FTカテーテルと体外受精

2026/4/19

卵管閉塞と妊活|FTカテーテルと体外受精

卵管閉塞(卵管が詰まっている状態)は、不妊原因の約25〜35%を占める主要な因子です。卵子と精子が出会えないため、自然妊娠が難しくなりますが、FTカテーテル(卵管鏡下卵管形成術)や体外受精という有効な治療法があります。この記事では、卵管閉塞の原因・診断方法から、FTカテーテルと体外受精それぞれの特徴・成功率・費用まで、治療選択に必要な情報を整理します。

この記事のポイント

  • 卵管閉塞の原因はクラミジア感染が最も多く、約60%を占める
  • FTカテーテルは日帰り手術で卵管の再開通が可能。術後6ヶ月の自然妊娠率は約30〜35%
  • 体外受精は卵管を介さずに妊娠を目指せるため、重度の閉塞や再閉塞の場合に選択される

卵管閉塞とは — 不妊との関係

卵管閉塞とは、左右いずれかまたは両方の卵管が詰まっている状態で、卵子と精子の移動・受精が妨げられるために不妊の原因となります。

卵管の役割

卵管は卵巣から排卵された卵子をキャッチし、精子と出会わせて受精させ、受精卵を子宮まで運搬する管状の器官です。長さは約10〜12cm。卵管が閉塞していると、この一連のプロセスが成り立ちません。

片側閉塞と両側閉塞の違い

状態

自然妊娠の可能性

治療の選択肢

片側閉塞

可能(健側の卵管で妊娠可能)

タイミング法・人工授精の継続も選択肢

両側閉塞

自然妊娠は極めて困難

FTカテーテルまたは体外受精

卵管水腫を伴う閉塞

着床にも悪影響

卵管切除後の体外受精が推奨される場合あり

卵管閉塞の原因

卵管閉塞の原因として最も多いのはクラミジア感染症で、全体の約60%を占めます。無症状のまま進行し、気づかないうちに卵管に炎症と癒着を起こしていることが多い点が特徴です。

主な原因一覧

  • クラミジア感染症:性感染症の中で最も頻度が高い。感染しても約80%の女性が無症状のため、検査を受けるまで気づかないケースが多い
  • 子宮内膜症:内膜組織が卵管周囲に癒着し、卵管を巻き込んで閉塞を引き起こす
  • 骨盤内の手術歴:虫垂炎や卵巣嚢腫の手術後に、術後癒着が卵管に影響することがある
  • 子宮外妊娠の既往:卵管で妊娠が成立した場合、治療(手術・薬物療法)後に卵管が損傷・閉塞することがある
  • 骨盤内炎症性疾患(PID):クラミジア以外の細菌感染による骨盤内の炎症

卵管閉塞の診断方法

卵管の通過性は、子宮卵管造影検査(HSG)で確認するのが標準的な方法です。痛みへの不安を持つ方が多い検査ですが、卵管通水法やMRIなどの代替手段もあります。

検査の比較

検査法

方法

精度

痛み

費用目安

子宮卵管造影(HSG)

造影剤を注入しX線撮影

高い

個人差あり(軽度〜中程度)

約5,000〜1万円(保険適用)

超音波下卵管通水法

生理食塩水を注入し超音波で確認

やや低い

比較的少ない

約3,000〜5,000円

腹腔鏡検査

腹腔鏡で直接観察

最も高い

全身麻酔が必要

約15万〜25万円(保険適用)

HSGは検査後に卵管の通りが良くなる「治療的効果」も報告されており、検査後6ヶ月以内に自然妊娠するケースもあります。

FTカテーテル(卵管鏡下卵管形成術)の詳細

FTカテーテルは、細いカテーテルを卵管に挿入して閉塞部位を物理的に開通させる、保険適用の低侵襲手術です。日帰りまたは1泊で受けられます。

FTカテーテルの概要

項目

詳細

正式名称

卵管鏡下卵管形成術(Falloposcopic Tuboplasty)

保険適用

あり(2022年4月から不妊治療として保険適用)

費用目安

片側約15万〜20万円、両側約25万〜35万円(3割負担・高額療養費適用前)

入院期間

日帰り〜1泊

麻酔

局所麻酔または静脈麻酔

手術時間

約30分〜1時間

再開通成功率

約80〜90%

術後の自然妊娠率

約30〜35%(術後6ヶ月以内)

FTカテーテルが適している人

  • 卵管の近位部(子宮に近い部分)の閉塞
  • 年齢が比較的若い(35歳以下が特に良い適応)
  • 他の不妊原因が少ない
  • 自然妊娠を希望する方

術後の注意点

FTカテーテル後の再閉塞率は約15〜20%とされています。術後6ヶ月以内が最も妊娠しやすい期間であるため、この間に積極的にタイミング法や人工授精を試みることが推奨されます。6ヶ月経っても妊娠しない場合は、体外受精へのステップアップを検討してください。

体外受精 — 卵管を介さない妊娠法

体外受精(IVF)は卵管を経由せずに受精・胚移植を行うため、卵管閉塞があっても妊娠を目指せる治療法です。両側閉塞や、FTカテーテル後に再閉塞した場合に選択されます。

卵管閉塞に対する体外受精の成績

  • 妊娠率:1回の移植あたり約30〜40%(年齢により大きく異なる)
  • 卵管因子のみの不妊:他の原因がなければ、体外受精の成績は比較的良好
  • 卵管水腫がある場合:卵管水腫の液が子宮内に逆流して着床を妨げるため、体外受精前に卵管切除やクリッピングが推奨される

費用の目安

体外受精は2022年4月から保険適用となっています。保険適用の場合、1回あたりの自己負担は約10万〜20万円(3割負担)。高額療養費制度を利用すれば、月の自己負担上限は年収に応じて約5.7万〜14万円程度に抑えられます。

FTカテーテルと体外受精の選び方

どちらの治療を選ぶかは、閉塞の部位・程度、年齢、他の不妊因子の有無を総合的に判断して決定されます。

選択の判断基準

条件

FTカテーテル向き

体外受精向き

閉塞部位

近位部(子宮側)

遠位部(卵巣側)・卵管水腫

年齢

35歳以下が特に有利

36歳以上は時間的効率から推奨

他の不妊因子

卵管因子のみ

男性因子・排卵障害を合併

自然妊娠の希望

強い希望あり

効率重視

費用

1回の費用は体外受精より低い

累計では差が縮まる場合も

判断に迷う場合は、まずFTカテーテルを試み、6ヶ月で妊娠しなければ体外受精にステップアップする段階的なアプローチも一つの戦略です。

よくある質問(FAQ)

Q. 卵管閉塞は自覚症状がありますか?

多くの場合、自覚症状はありません。月経痛がやや強い場合もありますが、卵管閉塞特有の症状はなく、不妊検査の一環として発見されるケースがほとんどです。

Q. クラミジアに感染したことがあると必ず卵管は詰まりますか?

必ずしもそうではありません。しかし、過去にクラミジア感染があった場合は卵管閉塞のリスクが高まるため、早めにHSG検査を受けることをおすすめします。

Q. FTカテーテルは痛いですか?

静脈麻酔で実施する施設が多く、手術中の痛みはほとんどありません。術後に軽い腹痛や出血が数日続くことがありますが、日常生活に大きな支障はないレベルです。

Q. 卵管閉塞でも人工授精は意味がありますか?

両側閉塞の場合、精子を子宮内に注入しても卵子に到達できないため、人工授精は適応になりません。片側閉塞であれば、健側の卵管で人工授精の効果が期待できます。

Q. 卵管水腫は放置しても大丈夫ですか?

放置すると水腫内の液が子宮に逆流し、自然妊娠だけでなく体外受精の成績も低下させます。体外受精を予定している場合は、事前に卵管水腫の処理が推奨されます。

まとめ

卵管閉塞は不妊の主要な原因ですが、FTカテーテルや体外受精という確立された治療法があります。近位部の閉塞にはFTカテーテル、遠位部や重度の閉塞には体外受精が適しており、年齢や他の不妊因子との兼ね合いで判断されます。クラミジア感染歴がある方やHSG検査でまだ確認していない方は、早めに卵管の通過性を調べることをおすすめします。

まずは専門医に相談する(Web予約)

免責事項

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を行うものではありません。卵管閉塞の診断・治療法の選択については、不妊治療の専門医にご相談ください。費用は医療機関により異なります。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2