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TORCH症候群とは?妊活前に知るべき感染症リスク

2026/4/19

TORCH症候群とは?妊活前に知るべき感染症リスク

妊活前・妊娠初期に「TORCH症候群」という言葉を耳にした方もいるかもしれません。TORCH症候群とは、妊娠中に母体が感染すると胎児に深刻な影響を与える可能性のある感染症群の総称です。この記事では、それぞれの感染症のリスク・検査・予防法を正確に解説します。

この記事のポイント

  • TORCH症候群を構成する感染症と胎児への影響
  • 妊活前に受けるべき抗体検査・ワクチンの種類
  • 感染が判明した場合の対応と受診先

TORCH症候群とは——胎児に影響する感染症の総称

TORCH症候群の「TORCH」は複数の感染症の頭文字を組み合わせたものです。これらの感染症は母体に軽症もしくは無症状でも、胎盤を通じて胎児に感染(先天性感染)し、流産・死産・先天性異常の原因となる可能性があります。

TORCHの構成疾患

頭文字

疾患名

病原体

T

トキソプラズマ症

Toxoplasma gondii(原虫)

O

その他(Others)

梅毒・水痘・B型肝炎・HIV等

R

風疹

Rubella virus

C

サイトメガロウイルス(CMV)感染症

Cytomegalovirus

H

単純ヘルペスウイルス感染症

HSV-1/HSV-2

各感染症の特徴とリスク——妊活前に知るべきこと

トキソプラズマ症

感染経路:生肉・加熱不十分な肉の摂取、猫の糞便との接触

胎児への影響:水頭症・網脈絡膜炎・脳石灰化・難聴(初期感染ほどリスク大)

妊活前の対応:抗体検査で免疫状態を確認。IgG陰性(未感染)の場合は生肉を避け、猫の糞便処理は手袋使用。ペットの猫は定期的に動物病院でチェック。

風疹(三日はしか)

感染経路:飛沫感染(感染者の咳・くしゃみ)

胎児への影響:先天性風疹症候群(CRS)——白内障・難聴・心臓奇形(妊娠初期の感染で85〜90%の発症率)

妊活前の対応:HI抗体価16倍未満(または風疹IgG陰性)の場合はMRワクチン接種を強く推奨。ワクチン接種後2ヶ月は避妊が必要。

サイトメガロウイルス(CMV)感染症

感染経路:唾液・尿・血液・性行為(小児との接触で感染することも多い)

胎児への影響:難聴・発達遅延・小頭症・肝脾腫(先天性感染の中で最も頻度が高い)

妊活前の対応:IgG陰性(未感染)の場合は乳幼児との接触後の手洗い徹底、食器・飲み物の共有を避ける。現時点でワクチンは未承認。

単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症

感染経路:直接接触(性行為・口腔接触)

胎児への影響:新生児ヘルペス——脳炎・皮膚感染・全身感染(分娩時の産道感染が主)

妊活前の対応:既感染者は妊娠中の再活性化に注意。分娩時に活動性病変がある場合は帝王切開が選択されることがある。

その他(O)——梅毒・水痘・B型肝炎

  • 梅毒:先天性梅毒(死産・新生児感染)——定期的な婦人科検査・パートナーともに検査
  • 水痘(水ぼうそう):先天性水痘症候群——未感染者は妊活前に水痘ワクチン接種(接種後1ヶ月避妊)
  • B型肝炎:垂直感染(母子感染)——HBs抗原検査・抗体確認。ワクチン未接種者はHBVワクチン3回接種

妊活前に受けるべき検査一覧

TORCH感染症の多くは自覚症状がない場合があります。妊活を始める前に産婦人科でスクリーニング検査を受けることが推奨されます。

検査項目

検査方法

対応

風疹HI抗体価・IgG

血液検査

16倍未満→MRワクチン接種

トキソプラズマ IgG・IgM

血液検査

陰性→予防行動の徹底

CMV IgG・IgM

血液検査

陰性→感染予防行動

HSV-1/HSV-2 IgG

血液検査

既感染者は再活性化に注意

梅毒(TPHA・RPR)

血液検査

陽性→専門医治療

HBs抗原・HBs抗体

血液検査

抗原陽性→専門医相談。抗体陰性→ワクチン検討

水痘 IgG

血液検査

陰性→水痘ワクチン検討

妊活前ワクチン接種のスケジュール

ワクチン接種後は一定期間の避妊が必要です。計画的に妊活を開始する場合は、少なくとも妊活開始の3〜6ヶ月前から行動してください。

避妊期間が必要なワクチン

  • MRワクチン(風疹・麻疹):接種後2ヶ月間は避妊
  • 水痘ワクチン:接種後1ヶ月間は避妊
  • HBVワクチン(B型肝炎):3回接種(0・1・6ヶ月)——避妊制限なし

ワクチンの種類・スケジュールは産婦人科または内科・感染症科に相談してください。

よくある質問(FAQ)

Q. TORCH感染症の検査は保険適用ですか?

妊娠中の定期検査(梅毒・風疹・B型肝炎等)は保険適用になります。妊活前の自費検査の費用は施設によって異なります(目安:風疹抗体検査1,500〜3,000円程度)。

Q. 猫を飼っていると妊活できませんか?

猫を飼っていてもトキソプラズマ感染の絶対的な禁忌ではありません。抗体検査で免疫状態を確認し、猫の糞便処理に手袋を使用することで感染リスクを大幅に下げられます。

Q. CMVは妊娠中に感染したらどうなりますか?

初感染(IgG陰性の人が妊娠中に感染)は胎児への影響が大きいとされます。妊娠中は乳幼児との接触後の手洗いを徹底し、保育士・看護師等の職業では職場での対策も重要です。

Q. 風疹の免疫があるかどうかわかりません。どうすればいいですか?

産婦人科・内科で血液検査(風疹HI抗体・IgG)を受けてください。抗体価が不十分な場合はMRワクチン接種を推奨します。

Q. パートナー(男性)もTORCH検査が必要ですか?

梅毒・B型肝炎・HSVはパートナー間で感染しうるため、カップルで一緒に検査を受けることを推奨します。風疹は男性からの感染拡大を防ぐためにも男性のワクチン接種が重要です。

まとめ——妊活前TORCH検査で安心して妊娠準備を

TORCH症候群を構成する感染症は、妊娠中に初感染すると胎児に深刻な影響を与える可能性があります。しかし事前の抗体検査・ワクチン接種・適切な予防行動によってリスクを大幅に低減できます。妊活を始める前に産婦人科でブライダルチェックを受け、必要なワクチン接種のスケジュールを確認してください。特に風疹・水痘は妊活開始の2〜3ヶ月前までにワクチン接種を完了する必要があります。

※本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の疾患の診断・治療を保証するものではありません。個別のご相談は必ず専門医にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2