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不妊治療の先進医療一覧|保険と併用できる技術

2026/4/19

不妊治療の先進医療一覧|保険と併用できる技術

2022年の保険適用拡大以降、不妊治療には「先進医療」として保険と併用できる技術が整備されています。何が保険と併用できるか、費用はどのくらいかかるかを一覧で解説します。

先進医療とは――保険診療との違い

先進医療とは、保険適用の有無が評価中の医療技術に対して、厚生労働省が認めた「保険との混合診療特例」です。保険診療と組み合わせて使えますが、先進医療部分の費用は全額自費です。

先進医療・保険・自費のちがい

区分

費用負担

代表的な技術

保険診療

3割負担(年齢制限・回数制限あり)

体外受精・顕微授精・凍結胚移植

先進医療

先進医療部分は全額自費+保険部分は3割

PICSI・子宮内膜受容能検査等

自費診療

全額自費

PGT-A(着床前染色体異数性検査)等

先進医療は「民間の医療保険(生命保険の特約等)」でカバーできる商品もあります。加入している保険の内容を確認しておくことをお勧めします。

2024年時点の不妊治療先進医療一覧

厚生労働省の先進医療会議が承認している不妊治療関連の先進医療技術です(2024年時点)。

主な先進医療技術

技術名

概要

費用目安

PICSI(生理学的卵細胞質内精子注入法)

ヒアルロン酸を使って成熟精子を選別してから顕微授精

1〜3万円/回

子宮内膜受容能検査(ERA/ERPeak)

移植の最適タイミングを個人ごとに特定

10〜15万円/回

子宮内フローラ検査(EMMA/ALICE)

子宮内細菌叢の評価・感染評価

5〜10万円/回

タイムラプス(胚発育モニタリング)

胚を培養器外に出さず継続的に観察

3〜8万円/回

子宮内膜スクラッチ(子宮内膜擦過)

移植前に子宮内膜に軽微な刺激を与え着床を促す

1〜3万円/回

二段階胚移植

分割期胚と胚盤胞を段階的に移植

1〜3万円/追加

技術の種類・費用は施設により異なります。先進医療として承認されているかどうかは施設によっても差があります。

各技術の対象者と有効性のエビデンス

先進医療は効果が期待されますが、全員に有効なわけではありません。各技術の対象者と現時点のエビデンスを整理します。

PICSI(生理学的顕微授精)

  • 対象:繰り返し受精障害・胚発育不良・高齢男性
  • エビデンス:通常ICSIと比較して妊娠率改善のランダム化比較試験あり(HYPER試験)。精子DNA断片化率が高い場合に有益とする報告

ERA(子宮内膜受容能検査)

  • 対象:良質な胚を移植しても着床しない反復着床不全(2〜3回以上)
  • エビデンス:着床不全患者への有効性を示す研究あり。全例への適応は証拠不十分

タイムラプス培養

  • 対象:全体外受精患者(特に複数回採卵しても成績が改善しない場合)
  • エビデンス:胚発育の継続観察が胚選択精度を高める可能性あり。妊娠率への有意な改善を示すRCTは賛否がある

先進医療を使う上での注意点

先進医療は期待を持てる技術ですが、慎重な判断が必要です。

注意点

  • 費用が高い:複数技術を組み合わせると1周期で30〜50万円以上の追加費用になることがある
  • 全員に有効ではない:対象となる適応(反復着床不全・精子異常等)がある場合に検討が推奨
  • 施設によって利用可否がある:先進医療の認定を受けていない施設では実施できない
  • 保険との混合診療のルール:先進医療を行う周期では保険診療部分と先進医療部分を正しく分ける必要がある

担当医から「この技術が有効と考えられる理由」と「期待できる改善幅」を説明してもらったうえで判断することが重要です。

先進医療と民間保険の活用

先進医療保障が付いた医療保険・女性保険では、先進医療に伴う自費部分の給付を受けられます。

先進医療保険活用のポイント

  • 不妊治療開始前に加入していることが条件(既往症扱いで加入制限がある場合あり)
  • 先進医療給付金は通算1,000〜2,000万円が上限の商品が多い
  • ERA検査(10〜15万円)・EMMA/ALICE(5〜10万円)など高額技術に特に効果的
  • 保険会社・商品により対象技術の範囲が異なるため事前確認が必要

「先進医療特約」として月500〜1,000円程度の保険料で加入できる商品があります。妊活を検討し始めた時点で加入を検討することをお勧めします。

保険診療の回数制限と先進医療の関係

2022年から保険適用された不妊治療には年齢・回数の制限があります。

保険適用の回数制限(2024年時点)

  • 体外受精・顕微授精:40歳未満は通算6回、40〜43歳未満は通算3回
  • 人工授精:6回まで
  • 43歳以上は保険適用外(全額自費)

保険回数を使い切った後は全額自費診療になります。先進医療はその状況でも保険適用の附則として利用できた技術から「全額自費の先進医療」へと扱いが変わります。担当クリニックに具体的な費用設定を確認してください。

よくある質問

Q1. 先進医療は全国どのクリニックでも受けられますか?

いいえ。先進医療の実施には厚生労働省への届け出と認定が必要です。受診するクリニックが特定の技術について先進医療として届け出ているか確認してください。

Q2. ERAは毎回の移植前に必要ですか?

ERAは原則1回の検査で「個人の着床ウィンドウ」を特定します。その結果は複数回の移植に応用できます。ただし子宮内膜の状態が変化した場合は再検査が推奨されることがあります。

Q3. タイムラプスとPICSIは同じ周期に併用できますか?

技術的には可能であり、実施している施設もあります。ただし費用が重なるため、適応と費用対効果を担当医と相談のうえ判断してください。

Q4. 先進医療は自費診療と何が違いますか?

先進医療は保険診療と「同一周期に」組み合わせることができます。通常の自費診療(保険外診療)と保険診療を同一周期に混在させると保険診療部分も全額自費になってしまいますが、先進医療は例外的に混在が認められています。

Q5. 先進医療を勧められましたが断っても大丈夫ですか?

先進医療は任意です。費用対効果・適応・自身の状況を考慮したうえで判断してください。断っても保険診療での治療継続は可能です。必要だと感じた場合は別の専門家のセカンドオピニオンを求めることも選択肢です。

まとめ

不妊治療の先進医療は、反復着床不全・精子異常など特定の状況で有効性が期待される技術が中心です。費用は全額自費ですが、民間保険(先進医療特約)での補填が可能です。治療方針の判断は「自分の状況に対して有効か」という視点で、担当医から具体的な説明を受けたうえで決めることが重要です。

【免責事項】本記事は2024年時点の情報に基づく一般的な情報提供です。先進医療の承認状況・費用は変更される場合があります。最新情報は厚生労働省のウェブサイトまたは受診クリニックにご確認ください。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2