妊活中の乳がん検診では、自覚症状のない人の「検診」と、しこりなどの症状を調べる「診療」を分けて考えます。症状がある場合は妊娠判定や次の検診を待たず、乳腺を診る医療機関へ相談してください。検査前には、妊娠の可能性や不妊治療の予定を伝えます。
しこり・ひきつれ・血性の分泌は、検診を待たず受診します
| 今の状況 | まず確認すること |
|---|---|
| しこり、皮膚のひきつれ、乳首から血の混じる分泌などがある | 検診の予約日を待たず、乳腺の診療を相談する |
| 症状がなく、定期検診を考えている | 対象年齢・前回の受診日、妊娠の可能性と受診先の条件を確認する |
| 要精密検査と言われている | 自己判断で延期せず、結果と妊娠・治療の状況を伝え、必要な検査を相談する |
国立がん研究センターは、症状がある場合は検診ではなく医療機関へ受診すること、要精密検査の結果なら症状がなくても精密検査を受けることを案内しています。「妊活中だから一律に延期」で済ませないことが大切です。がん情報サービス:乳がん検診と精密検査
症状がない人の検診は、年齢と受診間隔を確認します
国の乳がん検診は、40歳から2年に1度のマンモグラフィが基本です。超音波を加えれば全員の検診がよりよくなる、という案内ではありません。症状を調べる診療や、家族歴などによる個別の管理とは区別します。
妊娠している、妊娠の可能性がある、授乳中の場合は予約時にも伝え、検診施設や診療先と実施時期・方法を相談します。年齢だけで一律に若い人へ検診を追加せず、乳がん・卵巣がんなどの家族歴や過去の結果がある場合は、その情報を持って医師へ相談してください。
マンモグラフィと超音波は、役割が異なります
マンモグラフィは乳房専用のX線検査で、微細な石灰化などを見つける役割があります。超音波は放射線を使わず、しこりの性状などを調べる検査で、妊娠中も実施できます。ただし、一つの検査ですべてが分かるわけではなく、必要に応じて組み合わせや組織の検査などを判断します。がん情報サービス:乳がんの検査
乳房の撮影で受ける線量と、胎児が受ける線量を同じものとして単純比較し、安全性を自分で判定しないようにします。妊娠の可能性があるときの検査の必要性・方法は、診療先で確認してください。診療が必要な症状と、症状のない人の検診の日程調整は別です。
採卵・移植の予定や使っている薬を伝えます
乳腺の受診先には、最後の月経、妊娠の可能性、採卵・移植や判定日の予定、使っている薬、乳房の張りや痛み、過去の画像・結果を伝えられます。不妊治療の医師にも、乳腺の検査予定や精密検査の結果を共有してください。
「採卵周期なら全員検査不可」「判定待ちなら症状があっても延期」と固定せず、急ぐ理由や検査の目的を含めて両方の診療先と調整します。治療薬を自己判断で中止せず、変更の要否を両方の診療先へ確認してください。
がん治療と妊娠希望は、主治医と生殖医療の担当へ相談します
乳がんと診断された場合は、がんの治療を優先しながら、今後の妊娠の希望を早く主治医へ伝えます。胚や未受精卵子などの凍結を検討できる場合もありますが、病状や治療開始までの時間によって選択肢が変わり、将来の出産を保証するものではありません。
必要に応じて生殖医療の専門医の紹介を受け、治療前の温存、治療中・治療後の避妊、妊娠を考えてよい時期を個別に確認します。「治療後は全員2〜5年」などの共通日程にはせず、内分泌療法などの薬を自己中断しないでください。
相談しにくい場合は、がん相談支援センターも利用できます。がん情報サービス:女性の妊孕性と相談
出典と確認日
2026年10月26日に国立がん研究センターの検診・検査・妊孕性の該当節を確認しました。検診と症状の診療を区別し、放射線の数値だけで個人の検査可否を決めるものではありません。医師による本記事の個別監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。