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全胚凍結(Freeze All)とは?新鮮胚移植をしない理由

2026/4/19

全胚凍結(Freeze All)とは?新鮮胚移植をしない理由

全胚凍結(Freeze All)とは、体外受精・顕微授精で得られた受精卵・胚をすべて凍結保存し、同一周期に新鮮胚移植を行わない方法です。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の予防と、子宮内膜の受容性を最大化するために広く用いられています。

この記事のポイント

  • 全胚凍結が選択される医学的理由
  • 新鮮胚移植との比較・妊娠率
  • 全胚凍結後の凍結融解移植のスケジュール

全胚凍結が選択される理由

全胚凍結が推奨される主な理由は、OHSSリスクの回避と着床環境の最適化の2点です。採卵周期は排卵誘発剤によりホルモン環境が乱れており、子宮内膜の受容性が低下している場合があります。一周期おいて内膜を整えてから移植する方が着床率が高くなるケースがあります。

OHSSリスクが高い方の目安

  • AMH値が高い(多嚢胞性卵巣症候群・PCOS傾向)
  • 採卵数が多い(目安:15個以上)
  • 卵胞刺激ホルモン(E2/エストラジオール)が著しく高値
  • 過去にOHSSを経験した

新鮮胚移植と凍結融解胚移植の比較

比較項目

新鮮胚移植

凍結融解胚移植(FET)

移植タイミング

採卵周期(採卵後2〜6日)

翌周期以降(内膜調整後)

OHSS リスク

高(特に高反応例)

低い

着床率(一般的傾向)

やや低い

高い傾向(複数のメタアナリシスで報告)

移植までの期間

短い

1〜2カ月後

費用

凍結・保管費用なし

凍結・保管・融解費用が加算

全胚凍結後の移植スケジュール

全胚凍結後、翌月経周期以降に「凍結融解胚移植(FET)」を実施します。内膜調整方法は「自然周期」「ホルモン補充周期」の2種類があります。

自然周期FET

  • 排卵を超音波で確認しながら、排卵後のタイミングで移植
  • ホルモン剤の使用が最小限
  • 排卵の有無・タイミングのずれに影響されやすい

ホルモン補充周期FET

  • 月経3〜5日目からエストロゲン製剤で内膜を育て、プロゲステロン投与後に移植
  • 排卵の有無に関係なく移植日を設定できる
  • 内膜の厚さ・移植日のコントロールがしやすい
  • 現在の日本では主流の方法

費用と保険適用

2022年4月から不妊治療が保険適用となり、全胚凍結・凍結融解胚移植も保険内で実施可能です。

処置

保険適用(3割負担の目安)

胚凍結保存(1個)

1,000〜2,000円/個程度

凍結保管料(年間)

数千円〜1万円程度(施設による)

凍結融解胚移植(FET)

3〜6万円程度(内膜調整含む)

※保険適用の条件(年齢・回数制限あり)や実際の費用はクリニックにご確認ください。

全胚凍結後のFETの妊娠率

凍結融解胚盤胞移植(FET)の1回あたり妊娠率は、年齢によって大きく異なります。日本産科婦人科学会(2022年データ)によると、胚盤胞FETの妊娠率の目安は以下の通りです。

  • 35歳未満:1回あたり約50〜60%
  • 35〜39歳:1回あたり約35〜50%
  • 40〜42歳:1回あたり約20〜35%
  • 43歳以上:1回あたり約10〜20%

よくある質問(FAQ)

Q. 全胚凍結になると言われました。必ずそうしなければなりませんか?

基本的には医師の判断に従うことを推奨します。OHSSリスクが高い場合、新鮮胚移植は母体に危険を及ぼす可能性があります。納得できない場合はセカンドオピニオンを検討してください。

Q. 凍結した胚はいつまで保管できますか?

法的な保管期限はクリニックの規定によります。多くのクリニックでは患者の同意のもと、3〜5年単位で更新して保管します。使用しなくなった胚の廃棄・研究提供については、クリニックの説明を事前に確認してください。

Q. 全胚凍結にすると妊娠率は上がりますか?

OHSS高リスク例では、新鮮胚移植より全胚凍結→FETの方が着床率・妊娠継続率が高いというエビデンスがあります(例:2019年のLancet掲載RCT等)。ただし全員に当てはまるわけではなく、低リスク例では差がないという報告もあります。

Q. 移植まで何カ月かかりますか?

採卵翌月の周期からFETを開始するのが一般的です。内膜調整に1〜2周期かかる場合もあります。目安としては採卵から1〜2カ月後に移植となることが多いです。

まとめ

全胚凍結(Freeze All)はOHSSリスクの高い患者さんや着床環境を整えたい場合に推奨される方法で、凍結融解胚移植(FET)の方が新鮮胚移植より着床率が高い傾向があります。

  • OHSS予防・子宮内膜の受容性向上が主な目的
  • 2022年より保険適用で実施可能
  • 採卵翌周期以降にホルモン補充または自然周期でFETを実施
  • 妊娠率は年齢により異なり、35歳未満では50〜60%程度

※本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の治療法を推奨するものではありません。治療方針は必ず担当医にご相談ください。

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/5/2