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妊娠中の飛行機搭乗はいつまで?旅行の注意点と航空会社の規定

2026/4/19

妊娠中の飛行機搭乗はいつまで?旅行の注意点と航空会社の規定

妊娠中 飛行機 旅行を計画しているなら、まず「何週まで乗れるか」と「航空会社のルール」を確認することが最優先です。日本の主要航空会社は単胎妊娠で妊娠28週以降に診断書が必要となり、36週以降は原則搭乗不可となります。ただし、LCCは規定がより厳しいケースがあり、同じ週数でも会社によって対応が異なります。この記事では、ANA・JAL・Peach・LCC各社の最新規定、妊娠週数別の医学的リスク、海外旅行保険の妊婦適用条件、そして実際に搭乗する際のチェックリストを、産婦人科専門医の監修のもとに整理しました。

この記事のポイント3つ

  • 搭乗可能時期の目安:妊娠28週未満は多くの航空会社で書類不要。28〜35週は医師の診断書が必要。36週以降は原則不可(会社・条件により異なる)
  • 航空会社で規定が異なる:ANA・JALはほぼ同じ基準だが、PeachなどLCCは条件が異なる。予約前に必ず各社公式サイトを確認する
  • 海外旅行保険は「既往症扱い」に注意:妊娠中の搭乗は保険会社によって補償対象外になるケースがある。出発前に保険証券を確認する

妊娠何週まで飛行機に乗れる?週数別の搭乗ルール一覧

単胎妊娠・正常経過の場合、妊娠28週未満であれば多くの航空会社で医師の診断書なしに搭乗できます。28〜35週は診断書提出が必要となり、36週0日以降は原則として搭乗が認められません。双子・多胎妊娠はこれより4〜8週早い制限が設けられています。

妊娠週数別・搭乗可否の目安(単胎妊娠・正常経過)

妊娠週数

搭乗可否

必要書類

注意点

〜27週6日

◯ 可

不要(会社による)

安定期以降が望ましい。つわりが強い時期は避ける

28週〜35週6日

条件付き可

医師の診断書(搭乗日から7日以内発行が多い)

診断書に「搭乗可能」の明記が必要。ANA・JALは記載例あり

36週〜37週6日

原則不可(会社による)

診断書+産科医の同行が必要な場合も

一部国内線のみ例外あり。個別確認が必須

38週以降

✕ 不可

機内分娩リスクのため全社不可

多胎妊娠・合併症がある場合はさらに早い制限

双胎妊娠では国際線で妊娠32週以降、国内線で35週以降を搭乗不可とする航空会社が多く、単胎より約4週早く制限がかかります。切迫早産・前置胎盤・妊娠高血圧症候群などの合併症がある場合は、週数に関わらず医師の判断を優先してください。

ANA・JAL・Peach・LCCの妊婦搭乗規定を比較する

ANA・JALは同水準の規定を設けており、妊娠28週以降に診断書が必要、36週以降は搭乗不可という基準です。PeachはLCCの中では規定が明文化されており、28週以降は診断書+条件付きとなります。JetStar・Spring Japanなど他LCCは規定が異なるため、予約前に各社公式サイトで確認することが必須です。

主要航空会社の妊婦搭乗規定比較(2026年4月現在)

航空会社

診断書不要の上限

診断書が必要な期間

搭乗不可の週数

多胎妊娠の扱い

診断書の有効期間

ANA(全日本空輸)

27週以下

28〜35週

36週以降

32週以降不可(国際線)

搭乗日から7日以内発行

JAL(日本航空)

27週以下

28〜35週

36週以降

32週以降不可(国際線)

搭乗日から7日以内発行

Peach Aviation

27週以下

28〜35週

36週以降

32週以降不可

搭乗日から7日以内発行

JetStar Japan

27週以下

28〜36週

37週以降(国内線は36週以降)

28週以降は要診断書

搭乗前10日以内発行

Spring Japan(春秋航空)

27週以下

28〜35週

36週以降

個別確認が必要

搭乗前7日以内発行

ZIPAIR

27週以下

28〜35週

36週以降

28週以降は要診断書

搭乗日から7日以内発行

診断書に記載が必要な項目

ANAとJALが公式サイトで示している診断書の記載例には、以下の項目が含まれます。

  • 氏名・生年月日
  • 妊娠週数(搭乗予定日時点)
  • 単胎・多胎の別
  • 搭乗可能である旨の医師のコメント
  • 発行日・医師の署名・医療機関名

自由診療での発行となることが多く、費用は2,000〜5,000円が目安です。かかりつけの産婦人科に事前に相談してください。

妊娠週数ごとに変わる飛行機搭乗のリスク

飛行機内では気圧の低下・低湿度・長時間の座位が重なることで、深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)・早産誘発・切迫流産のリスクが上昇します。特に妊娠後期(28週以降)は子宮が大きくなり、同じ体勢の維持が困難になるため注意が必要です。

妊娠初期(〜13週):流産リスクと体調不良に注意

妊娠初期は流産の自然発生率が最も高い時期(約15〜20%)です。機内の気圧変化が直接流産を引き起こすエビデンスはありませんが、つわりによる体調悪化や脱水が起きやすい時期でもあります。長距離フライトは避け、短距離・国内線から検討するのが現実的です。

妊娠中期(14〜27週):最も搭乗リスクが低い時期

一般的に安定期と呼ばれる14〜27週は、流産リスクが下がり、体調も安定してくる時期です。日本産婦人科学会の見解でも、正常経過であれば国内外の旅行が許容されると示されています。ただし、1フライトあたり4〜5時間以内を目安に、長時間フライトは分割するか避ける判断が望まれます。

妊娠後期(28週以降):深部静脈血栓症のリスクが上昇

妊娠後期の長距離フライトでは、深部静脈血栓症(DVT)のリスクが非妊娠時の約5倍に上昇するとされています(Royal College of Obstetricians and Gynaecologists, 2015)。機内での対策として以下が推奨されています。

  • 着圧ソックス(弾性ストッキング)の着用:医療用グレードII(mmHg 20〜30)が推奨
  • 1〜2時間ごとに立ち上がって歩行する
  • 十分な水分補給(機内は湿度10〜20%と極めて乾燥している)
  • 通路側座席を選択し、足を動かしやすくする

妊婦が飛行機旅行を計画する前に踏む4つのステップ

旅行前にやることは「産婦人科への相談→航空会社への確認→保険の確認→荷物の準備」の4ステップです。この順序を守れば、当日のトラブルを大幅に減らせます。

ステップ1:かかりつけ産婦人科に相談する

旅行の目的地・距離・週数を伝え、搭乗可能かどうかを確認します。28週以降なら診断書の作成も依頼してください。「異常なし」でも口頭確認だけで終わらせず、書面をもらう習慣をつけましょう。

ステップ2:搭乗する航空会社の最新規定を確認する

前述の表はあくまで2026年4月時点の情報です。規定は随時更新されるため、予約前に必ず各社公式サイトの「妊婦のお客様へ」ページを確認してください。LCCは特に条件が厳しいケースがあります。

ステップ3:海外旅行保険の妊婦適用条件を確認する

海外旅行保険では、妊娠を「既往症」と定義し、妊娠に起因する疾病・医療費を補償対象外とする保険会社があります。特に「妊娠・分娩・流産」を除外事項として明記している商品では、機内・旅行先での切迫早産や早産対応の医療費が全額自己負担になります。出発前に保険証券の除外事項を確認し、必要であれば妊娠を補償対象に含む特約がある保険商品を選択してください。

ステップ4:緊急時の対応先を調べておく

目的地の医療機関を事前にリストアップし、JATA(日本旅行業協会)が提供する海外安全情報や在外邦人向けのクリニック情報を確認しておきます。特に海外旅行では、分娩が可能な施設の場所と連絡先を把握しておくことが重要です。

機内で実践すべき妊婦向けの過ごし方と持ち物リスト

機内では脱水・血栓・腰痛・気圧変化による体調変化が起きやすいため、搭乗前から準備が必要です。以下の持ち物と行動チェックリストを活用してください。

持ち物リスト

妊婦の機内必携アイテム

カテゴリ

アイテム

ポイント

書類

母子手帳、診断書(28週以降)、保険証・海外旅行保険証券

コピーを別の手荷物に入れておく

衣類

着圧ソックス(弾性ストッキング)、ゆったりしたウエスト

医療用グレードII(20〜30mmHg)推奨

水分補給

水またはノンカフェイン飲料(500ml以上)

カフェイン飲料は利尿作用があるため不向き

クッション

腰用クッション、ネッククッション

腰痛・骨盤への負担を軽減

かかりつけ医に処方された常備薬

市販の酔い止めは妊婦への安全性が確認されていないものが多い

連絡先メモ

産婦人科の緊急連絡先、旅行先の医療機関

スマホのバッテリー切れに備えて紙でも持参

機内行動チェックリスト

  • 着席時は通路側座席を選択する(移動しやすい)
  • シートベルトは骨盤(お腹の下)に締める(お腹に圧迫しない)
  • 1〜2時間ごとに立ち上がり、通路を歩く
  • こまめに水を飲む(目安:1時間に150〜200ml)
  • 足首を10回以上ゆっくり回す運動を繰り返す
  • 腹痛・出血・強い頭痛・むくみの急激な悪化があればすぐに客室乗務員に申告する

妊娠中の海外旅行保険:補償対象になる条件と落とし穴

妊婦が海外旅行保険を選ぶ際には、「妊娠・分娩・流産を除外事項としていない」商品を選ぶことが最重要です。多くの一般的な旅行保険では妊娠関連の医療費は補償対象外のため、出発前の保険証券確認が欠かせません。

補償対象になりやすい条件

  • 妊娠週数が制限内(多くの保険会社は妊娠32週または35週まで)
  • 「妊娠・出産に関わる医療費を含む」特約が付帯されている
  • 海外旅行保険の「疾病治療費用」が妊娠合併症(妊娠高血圧症候群・切迫早産など)を含む設計

注意すべき除外事項の例

  • 「正常な妊娠・分娩に関わる費用は除外」— 切迫早産でも「正常妊娠の経過」と判定されることがある
  • 「既往症の治療費は除外」— 妊娠前から通院していた疾患(子宮筋腫など)は既往症扱い
  • 「妊娠36週以降の搭乗に起因する医療費は除外」— 規定週数を超えた搭乗では全額自己負担

旅行前に保険会社のカスタマーサポートに電話し、「妊娠中の搭乗で、旅行先で切迫早産になった場合は補償されますか?」と具体的に確認することを強く推奨します。

旅行先で体調が悪化したときの対応と受診判断

旅行先で下腹部痛・出血・強い頭痛・急激なむくみ・動悸が起きた場合は、自己判断で様子を見ずに速やかに医療機関を受診してください。これらの症状は切迫早産・妊娠高血圧症候群・深部静脈血栓症の兆候である可能性があります。

すぐに受診すべき症状

  • 規則的な子宮収縮(10分以内に1回以上)
  • 性器出血(少量でも)
  • 強い頭痛・視野のかすみ・上腹部痛(妊娠高血圧症候群の疑い)
  • 足のむくみの急激な悪化+ふくらはぎの痛み(DVTの疑い)
  • 胎動の著しい減少(28週以降)

海外での受診時に役立つ英語フレーズ

産婦人科受診時の英語表現

状況

英語フレーズ

妊娠週数を伝える

I am [30] weeks pregnant.

腹痛を伝える

I have lower abdominal pain and I am pregnant.

出血を伝える

I have vaginal bleeding.

母子手帳を見せる

This is my maternal health record book from Japan.

よくある質問(FAQ)

Q1. 妊娠初期(8週)でも飛行機に乗って大丈夫ですか?

医学的に「飛行機が流産を直接引き起こす」というエビデンスはなく、正常経過であれば搭乗自体は禁忌ではありません。ただし妊娠初期は流産の自然発生率が最も高い時期のため、長距離フライトは避け、つわりが落ち着いてから旅行を計画することを産婦人科医は推奨しています。搭乗前にかかりつけ医に相談するのが最優先です。

Q2. 診断書は産婦人科でもらえますか?費用はいくらですか?

産婦人科での診断書発行は可能です。費用は自由診療となり、クリニックによって異なりますが2,000〜5,000円が目安です。航空会社が求める記載内容(妊娠週数・単胎/多胎の別・搭乗可能の可否)を事前に医院に伝えると、スムーズに作成してもらえます。ANA・JALはそれぞれ公式サイトに診断書の記載例を公開しています。

Q3. 妊娠中に新幹線や国内旅行なら飛行機より安全ですか?

新幹線は気圧変化がなく、自由に動けるため、飛行機よりも身体的負担は小さいとされています。ただし長時間の座位・振動・疲労は共通の注意点です。体調の急変時に停車・下車できる利点がある一方、移動時間が長くなるケースもあります。旅行先の距離・体調・担当医の判断を総合して選択してください。

Q4. 国際線と国内線で規定は違いますか?

はい、多くの航空会社で国際線のほうが制限が厳しくなっています。たとえばANA・JALでは多胎妊娠の場合、国際線は32週以降搭乗不可ですが、国内線では35週まで許容されるケースがあります(要診断書)。長距離の国際線ほどフライト時間が長く、医療対応が困難なため、規定が厳しく設定されています。

Q5. LCCと大手航空会社でどちらが妊婦に向いていますか?

座席の広さ・サービス面では大手航空会社のほうが快適性は高く、緊急時の対応も手厚い傾向があります。LCCは規定が大手と似ている会社も増えていますが、個別確認が必要なケースも多いです。長距離・長時間フライトでは大手航空会社の利用が推奨されます。

Q6. 妊娠中の飛行機搭乗でエコノミークラス症候群になった事例はありますか?

妊娠中は凝固能が亢進するため、非妊娠時と比較してDVT(深部静脈血栓症)リスクは約5倍高いとされています(RCOG Green-top Guideline, 2015)。特に4時間以上のフライトでリスクが上昇します。弾性ストッキングの着用・定期的な歩行・水分補給の3点が予防の基本です。過去にDVT・肺塞栓症の既往がある場合は渡航前に必ず産婦人科医・内科医に相談してください。

Q7. 妊娠35週で海外出張が必要になりました。どうすればよいですか?

妊娠35週は「診断書があれば搭乗可能」な週数ですが、産婦人科医への相談が最初のステップです。医師が搭乗可能と判断した場合、診断書を取得し、航空会社の最新規定を確認します。36週を超える帰国便になる可能性がある場合は、旅程を短縮するか、現地での分娩対応を視野に入れた保険の手配が必要です。無理な出張は避け、上司・会社に状況を説明することを優先してください。

Q8. 搭乗拒否された場合、払い戻しは受けられますか?

航空会社の規定に基づく搭乗拒否の場合、払い戻しのルールは各社の運送約款によって異なります。ANAやJALでは妊娠を理由とした搭乗拒否については、条件を満たした場合に払い戻し対応がある旨を案内しています。詳細は予約時に各社に確認するか、旅行保険の「旅行キャンセル費用」特約でカバーできるかを事前に確認してください。

まとめ

  • 妊娠28週未満は書類不要で搭乗可能な会社が多いが、28〜35週は医師の診断書が必須。36週以降は原則搭乗不可。
  • ANA・JAL・Peachはほぼ同水準の規定だが、JetStarなどLCCは細部が異なるため、予約前に各社公式サイトで確認する。
  • 妊娠後期の長距離フライトはDVTリスクが5倍以上になる。弾性ストッキング・歩行・水分補給の3点が予防の基本。
  • 海外旅行保険は「妊娠を除外事項としていない」商品を選び、出発前に補償範囲を保険会社に直接確認する。
  • 旅行の計画段階で産婦人科医に相談し、医師の承認を得てから予約・手配を進めることが最も重要。

妊娠中の旅行・お出かけについて、産婦人科に相談しましょう

「この時期に旅行しても大丈夫か」「診断書を作成してほしい」「旅行先で体調が変化したら」——こうした不安はすべて産婦人科医が答えられます。週数・体調・旅程の詳細を持参して、ぜひ一度ご相談ください。

MedRoot掲載クリニックでは、妊娠中の旅行に関するご相談を受け付けています。お近くの産婦人科を探して、安心して旅行計画を進めましょう。

免責事項

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の医療行為・治療法を推奨するものではありません。航空会社の搭乗規定は予告なく変更される場合があります。記載内容は2026年4月時点の情報に基づいており、最新情報は各航空会社の公式サイトでご確認ください。妊娠中の旅行・搭乗については、必ずかかりつけの産婦人科医にご相談ください。本記事の情報を参考にした行動によって生じた損害について、当サイトは責任を負いかねます。

参考文献・情報源

  • Royal College of Obstetricians and Gynaecologists (RCOG). Air Travel and Pregnancy. Green-top Guideline No.1. 2015.
  • American College of Obstetricians and Gynecologists (ACOG). Committee Opinion: Air Travel During Pregnancy. 2018.
  • 日本産婦人科学会・日本産婦人科医会. 産婦人科診療ガイドライン産科編2023.
  • ANA公式サイト「妊娠中のお客様へのご案内」(2026年4月確認)
  • JAL公式サイト「ご妊娠中のお客様へ」(2026年4月確認)
  • Peach Aviation公式サイト「ご搭乗に際してのご案内」(2026年4月確認)

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この記事を書いた人

EggLink編集部

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公開:2026/4/19更新:2026/4/28