妊娠中には体に水分がたまりやすくなり、足や指等が徐々にむくむことがあります。ただし、顔・手・足のむくみが急に増えたときや、強い頭痛、見え方の異常等を伴うときは、次の健診を待たず、すぐに産科へ連絡してください。
朝か夕方か、押した跡や体重の増え方だけで、生理的か病的かを自分で確定することはできません。むくみへの対処より、診療が必要な変化を見逃さないことが大切です。NHS:妊娠中のむくみと、すぐ連絡する症状
急な変化と、一緒に出ている症状を伝えます
| 確認したいこと | 診療で相談すること |
|---|---|
| 顔・手・足のむくみが急に増えた | 次の健診を待たず、すぐに産科へ連絡する |
| 強い頭痛、見え方の異常、肋骨の下の強い痛み等 | むくみや血圧の値にかかわらず、直ちに診療先へ連絡し対応を確認する |
| けいれん、意識の異常、強い呼吸困難・胸痛等 | 急いで救急の対応を求める |
| 片脚が腫れ、痛みや赤み等がある | 血栓等も考えるため速やかに診療につなぐ |
| むくみが徐々に増え、困っている | 経過とほかの症状を伝え、診療の必要性と無理のない対処を確認する |
妊娠高血圧症候群は、むくみだけで診断しません
日本妊娠高血圧学会は、妊娠中の高血圧について、上の血圧が140mmHg以上、または下が90mmHg以上と説明しています。すべての方が自覚症状を感じるわけではなく、妊婦健診等で分かる場合もあります。日本妊娠高血圧学会:病気と症状の説明(PDF)
家庭で測っている方は、診療先が示した連絡基準に従います。上記のような高い値が出たら診療先へ伝え、一度の値だけで病名や薬の変更を自分で決めないでください。強い症状があれば、測定や再測定のために連絡を遅らせません。
診療では血圧だけでなく、尿・血液検査や赤ちゃんの状態等も合わせて確認します。「血圧が高くなかった」「尿蛋白を指摘されていない」だけで、今の強い症状を放置しないでください。日本妊娠高血圧学会:診療で確認すること(PDF)
強い頭痛・視覚症状・腹痛等は、すぐに相談します
強い頭痛、目がかすむ・光がちらつく等の見え方の変化、肋骨の下の強い痛み、強い体調不良等は、妊娠高血圧腎症等でみられることがあります。症状がそろうまで、または「今日中」の終わりまで待つという意味ではありません。
けいれん、意識がおかしい、強い呼吸困難や胸痛等があれば、119番等で救急の対応を求めます。原因をHELLP症候群等と自己診断せず、いつから・どの症状があるかを伝えてください。妊娠高血圧腎症には、肝臓や血液の異常等の重い合併症もあります。NHS:妊娠高血圧腎症の注意症状と合併症
片脚の腫れや痛みは、別の原因も確認します
片脚が腫れて痛む、赤みや熱感がある場合等には、深部静脈血栓症も考える必要があります。左右差だけで診断せず、速やかに診療先へ相談してください。胸痛や息苦しさを伴えば、急いで救急の対応を求めます。NHS:深部静脈血栓症の症状と緊急性
対処は、診療先に確認した範囲で行います
緊急の症状がない場合も、むくみが気になるときは経過を伝えて相談します。長く立ち続けるのを避ける、足を上げて休む、締め付けない靴や靴下にする等の工夫があります。活動の制限を指示されている方は、その説明に従ってください。
水分や塩分を極端に制限したり、利尿薬・漢方薬・サプリを自己判断で追加したりしません。着圧用品や運動も、本人の病状に合うかを確認します。むくみが軽くなることと、病気がないことは同じではありません。
産後も、急な変化を我慢しません
妊娠高血圧腎症は産後に現れたり、症状が続いたりする場合があります。出産したから大丈夫と決めず、同じような頭痛・視覚症状・急なむくみ等が出たらすぐ連絡してください。診断を受けている方は、退院後も血圧や検査の経過観察を続けます。
相談時は、妊娠週数・出産した日、むくみが始まった時期と変化、頭痛や見え方等の症状、分かる範囲の血圧・薬を伝えます。記録をそろえるために受診を遅らせる必要はありません。
出典と確認日
2026年10月30日に日本妊娠高血圧学会Q1・Q3の各1頁と、NHSのむくみ(2024年4月)・妊娠高血圧腎症(2026年3月)・血栓症の採用節を確認しました。個別の診断や医学監修を行った記事ではありません。
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この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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