産後の性行為は、出産から決まった週数が過ぎたら再開しなければならないものではありません。傷や体調の回復を診療で確認し、本人が望むか、痛みや不安がないかを大切にしてください。
日本家族計画協会は、産後の定期健診で回復を確認し、会陰が痛まず気持ちの準備もできてからと説明しています。帝王切開等の経過や、医師からの個別の指示も確認してください。日本家族計画協会:産後の性生活の回復と相談
再開の時期より、今の状態と希望を確認します
| 確認したいこと | 診療で相談すること |
|---|---|
| 健診後だが、まだしたくない・不安がある | 急ぐ必要はなく、再開しない・途中でやめることも本人の希望で決める |
| 触れる・挿入すると痛む、乾燥が気になる | 痛みを我慢して続けず、傷や乾燥等の原因と対処を相談する |
| 出血や発熱・腹痛等がある | 傷の刺激だけと決めつけず診療先へ。多量の出血や強い悪化は急いで診療へ |
| 生理がなく、授乳している | 妊娠しないとは限らないため、再開する前から避妊を考える |
| 薬や子宮内の器具で避妊したい | 産後の回復、授乳、血栓や感染等に応じた適否と開始時期を確認する |
痛み・乾燥は、我慢せず原因を相談します
産後はホルモンの変化等で腟が乾燥しやすくなることがあります。会陰の傷等も含め、痛みの原因は一つとは限りません。「半年までは普通」「断乳すれば必ず治る」と固定して待つ必要はありません。
痛いときは中断し、必要に応じて潤滑剤が合うかも確認します。使う場合は製品の説明を読み、コンドーム等との併用に適しているかを確認してください。傷を強く押す自己マッサージやホルモン薬の追加を自分で始めず、続く痛みは診療先へ相談します。NHS:産後の痛み・乾燥と、再開を急がないこと
出血を、傷跡からの少量出血と決めつけません
性行為後に出血したときは中断し、量・続く時間、痛みや発熱等の症状を伝えて相談してください。出血の原因を自分で傷跡だけと決めつけるものではありません。
急に多く出血する、ふらつきや動悸がある、発熱と腹部の痛み等がある場合は、速やかに診療につなぎます。強い体調悪化は救急の対応を求めてください。NHS:出産後の出血・感染等の注意症状
避妊は、産後6週まで不要という意味ではありません
月経がまだ戻っていなくても、授乳中でも妊娠する場合があります。次の妊娠を望まない場合は、性行為を再開するときから避妊を考えます。産後6週になってから始めればよい、と解釈しないでください。
コンドーム等も含め、どの方法が本人に合うかを産後の診療で相談します。授乳だけを確実な避妊と決めず、使い方や失敗したときの相談先まで確認しておきます。性感染症予防も、妊娠を防ぐこととは別に考える必要があります。
避妊薬や子宮内の器具は、方法ごとに確認します
避妊方法は、授乳の有無、産後の回復、持病・血栓や感染等のリスク、次の妊娠の希望で選びます。海外の開始時期や有効年数を、国内のすべての薬・器具へ当てはめません。
例えば国内のミレーナの添付文書は、分娩後は子宮の回復(6週間以上)を待ち、授乳中は穿孔等への注意が必要と説明しています。授乳婦には第一選択としない旨も記載されています。
手術後の回復等も含め、本人に適しているかを医師が確認します。「1か月健診が終われば誰でも装着できる」とはしません。PMDA:ミレーナの分娩後・授乳中の注意
避妊できなかった、コンドームが外れた等の場合は、次の生理を待たず、できるだけ早く婦人科等へ連絡し、緊急避妊が必要か相談してください。こども家庭庁:避妊がうまくいかなかったときの相談
本人の希望と、必要な支援を共有します
「まだしたくない」「痛いのでやめたい」は、それだけで伝えてよい希望です。医学的な理由を証明したり、別のスキンシップで埋め合わせたりする義務はありません。休息や育児の分担等、今必要なことを相談してください。
性に関する痛みや不安、気分の落ち込み、望まない行為への圧力等で困っている場合も、産科・婦人科や助産師等へ相談できます。健診まで待たず、本人が話しやすい方法で支援につながってください。
出典と確認日
2026年10月30日に日本家族計画協会(2025年3月)、NHSの産後の性行為・体の変化、PMDAミレーナ(2023年6月改訂)の分娩後と授乳の節、こども家庭庁(2025年12月更新)の採用節を確認しました。個人の再開許可や処方・医学監修を行った記事ではありません。
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この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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