妊娠初期のおりものの特徴|色・量の変化と注意すべきサイン
2026/4/14

妊娠初期のおりもの|色・量・においの変化と注意すべきサイン
妊娠初期にはホルモンバランスの大きな変化に伴い、おりもの(帯下)の性状が変わることがあります。生理的な範囲の変化と、受診が必要な異常サインを正しく区別することが大切です。本記事では産婦人科の知見をもとに、妊娠初期のおりものの特徴・色・量の変化から、着床との関連、注意が必要な茶色のおりものまで詳しく解説します。
妊娠初期のおりものが変化する仕組み
妊娠が成立すると、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が急増します。特にエストロゲンは子宮頸管からの粘液分泌を促進するため、おりものの量が増える傾向があります。また、子宮頸管粘液の性状が変化し、細菌の侵入を防ぐ「粘液栓(ねんえきせん)」を形成する準備が始まります。
これらの変化は胎児を守るための正常な生理的反応であり、多くの場合は心配不要です。ただし、色やにおいに異常がある場合は感染症などの可能性があるため、早めに産婦人科を受診しましょう。
妊娠初期のおりものの特徴
項目 | 妊娠前(通常時) | 妊娠初期 |
|---|---|---|
量 | 排卵期に増加し、それ以外は少量 | 全体的に増加する傾向 |
色 | 透明〜白色 | 白色〜クリーム色(やや白みが強い) |
粘度 | 排卵期はさらさら、黄体期はやや粘性あり | やや粘性があり、伸びにくい |
におい | ほぼ無臭〜わずかに酸味 | ほぼ無臭〜わずかに酸味(変化なし〜やや強まる) |
量の変化
妊娠初期はエストロゲンの作用で子宮頸管粘液の分泌が増加するため、おりものの量が増えます。下着が濡れるほど増えることもありますが、色やにおいに問題がなければ正常な範囲です。通気性の良い下着やおりものシートを使って対応しましょう。
色の変化
正常な妊娠初期のおりものは透明〜白色、またはクリーム色です。黄緑色や灰色、強い黄色のおりものは感染の可能性があるため注意が必要です。
着床時期のおりもの変化
受精卵が子宮内膜に着床する際(排卵後約6〜12日)に、ごく少量の出血(着床出血)が起こることがあります。この場合、おりものにうっすらピンク色や薄茶色が混じることがあります。着床出血は通常1〜2日で止まり、量もごく少量です。
注意が必要なおりものの色とサイン
おりものの色 | 考えられる原因 | 対応 |
|---|---|---|
茶色〜暗赤色 | 着床出血、古い血液の排出、切迫流産の兆候 | 少量で短期間なら経過観察、持続・増加する場合は受診 |
鮮やかな赤色 | 切迫流産、子宮外妊娠、絨毛膜下血腫 | 速やかに産婦人科を受診 |
黄緑色 | 細菌性腟症、トリコモナス腟炎など | 産婦人科で検査・治療 |
灰色・魚臭 | 細菌性腟症 | 産婦人科で検査・治療 |
白色・豆腐状(かゆみあり) | カンジダ腟炎 | 産婦人科で検査・治療 |
茶色のおりもので考えられること
妊娠初期に茶色のおりものが見られた場合、最も多い原因は古い血液が少量排出されたもので、心配のないケースが大半です。しかし、量が増える・腹痛を伴う・数日以上続く場合は切迫流産や子宮外妊娠の可能性もあるため、早めに産婦人科を受診してください。
妊娠初期のおりもので受診すべきタイミング
以下のような症状がある場合は、早めに産婦人科を受診しましょう。
- おりものが鮮やかな赤色で量が多い
- 茶色や赤色のおりものが3日以上続く
- 強いにおい(魚臭など)がある
- 外陰部にかゆみや灼熱感がある
- 下腹部痛や腰痛を伴う
- 発熱がある
妊娠初期のおりものケア
妊娠中は腟内の自浄作用を維持することが大切です。以下の点に注意しましょう。
- 腟内洗浄(ビデの過度な使用)は避ける — 常在菌のバランスを崩す原因になります
- 通気性の良い綿素材の下着を選ぶ
- おりものシートはこまめに交換する
- デリケートゾーンは外側のみ、ぬるま湯または低刺激のソープでやさしく洗う
よくある質問
妊娠初期におりものが増えないこともありますか?
はい。おりものの変化には個人差が大きく、妊娠していても量がほとんど変わらない方もいます。おりものの変化だけで妊娠の有無を判断することはできません。
おりものが水っぽくさらさらしていますが大丈夫ですか?
色が透明〜白色で、においに異常がなければ問題ないことが多いです。ただし、水のように大量に流れ出る場合は破水の可能性もあるため、すぐに産婦人科に連絡してください。
妊娠初期のおりものと生理前のおりものの違いは?
妊娠初期のおりものは量が多く、白っぽい色が持続する傾向があります。ただし見た目だけで確実に判別することは困難なため、妊娠の可能性がある場合は妊娠検査薬の使用をおすすめします。
茶色のおりものが1日だけ出ました。受診は必要ですか?
ごく少量で1日で止まった場合は着床出血の可能性があり、多くは心配ありません。ただし、その後も繰り返す場合や腹痛がある場合は受診してください。
関連記事
免責事項:本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。症状がある場合は必ず産婦人科を受診してください。
最終更新:2026年4月14日
参考文献:日本産科婦人科学会編「産婦人科診療ガイドライン―産科編 2023」、ACOG Practice Bulletin "Early Pregnancy Loss" (2018)、Williams Obstetrics 26th Edition
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
産婦人科・婦人科に関する正確で信頼性の高い情報をお届けします。医療監修のもと、女性の健康に役立つコンテンツを制作しています。