帝王切開後は、傷や痛みの状態、体調、手術の経過に合わせて回復を確認します。「6週なら運動可」「3か月で完全復帰」と、全員が同じ日程で進むものではありません。退院時の指示を手元に残し、痛みや生活の困りごとは健診まで我慢せず相談してください。
発熱や傷の悪化は、48時間続くまで待ちません
| 気になる症状 | 連絡・受診の考え方 |
|---|---|
| 息苦しさ、胸の痛み、片脚の腫れや痛み | 血栓などの確認が必要なことがあり、直ちに医療機関へ。強い症状や急な体調悪化は救急要請を含め助けを求める |
| 多い出血、強い痛み、発熱や具合の悪さ | 退院した施設などへすぐに連絡し、症状と始まった時期を伝える |
| 傷の赤み・腫れ・熱感や痛みが増す、膿や悪臭のある液が出る、傷が開く | 感染などの診察が必要な場合があるため、早く診療先へ連絡する |
ケンブリッジ大学病院の退院後の案内は、発熱感・体調不良、新たな痛みや痛みの悪化、傷の感染の兆候を早く相談するよう説明しています。息切れ、呼吸時の胸痛、脚の腫れや痛みには緊急の連絡を案内しています。発熱が48時間続くまで待つ基準ではありません。ケンブリッジ大学病院:帝王切開後の連絡が必要な症状
排尿時の痛みなども相談できます。退院時の説明にある症状や、それ以外でも強い不安・悪化がある場合は、予定の健診日を待たず連絡してください。NHS:帝王切開後の診療相談
退院前に、次の診察と家での指示を確認します
入院日数や歩行・食事・シャワーの開始は、施設の方針と本人の状態によって異なります。例えば国立成育医療研究センターは独自の入院中スケジュールを公開していますが、同じ日程を全施設に当てはめることはできません。
英国の短期退院の案内を、日本の平均入院日数として扱うこともできません。国立成育医療研究センター:入院中と退院後の生活の説明
- 処方薬の名前・飲み方・困ったときの連絡先。
- 傷と被覆材の手入れ、シャワーや湯船の再開、抜糸等の予定。
- 歩行・抱っこ・家事で、今できることと手助けが必要なこと。
- 次の診察日と、夜間・休日に連絡する先。
痛み止めは、授乳や持病も伝えて使い方を確認します
痛みは退院後もしばらく残ることがありますが、我慢する必要はありません。処方された薬で十分か、動いたり授乳したりするのが難しいかを伝えます。薬は授乳の状況、持病、ほかの薬も踏まえて選ぶため、ネットの薬剤表だけで追加・併用・増量しないでください。
処方された飲み方を確認し、効かない・副作用が心配なときは医師や薬剤師へ相談します。
血栓予防など別の薬が出ている場合も、体調がよくなったからと自己中止せず、必要な期間を処方医に確認します。ケンブリッジ大学病院:痛みの管理と血栓予防
傷の手入れと、傷跡の見た目のケアを分けます
傷の洗い方や乾かし方、被覆材を替える時期は退院時の指示に従います。赤み・熱感・腫れ・痛みの増加や膿を、治りかけだから正常と決めつけないでください。
傷が閉じてからの傷跡のケアには、シリコーン製品などが選択肢となることがあります。ただし全員が術後4〜6週に同じ製品を始めるものではなく、開いた傷へ自己使用したり、傷が十分治る前にマッサージしたりしないでください。
盛り上がりやかゆみ、見た目が気になる場合は、産婦人科や形成外科へ、開始できる時期と方法を相談できます。手入れをしなかった本人の責任と考える必要はありません。NHS:傷跡のケアと診療相談
家事・運動・性生活は、日数だけで再開を決めません
回復中は、案内された範囲の歩行など軽い活動から、無理なく進めます。重い買物や上の子の抱っこ、負荷の強い運動は手助けも頼り、痛みや出血の変化があれば相談してください。
運転は緊急時の操作もできるか、薬の影響や保険条件も含めて確認します。性生活も本人の心身の準備と症状を大切にし、無理に急ぐ必要はありません。NHS:日常活動への復帰
仕事は回復の見通しと勤務内容に加えて、休業制度を確認します。日本の労働者の産後休業は原則として出産翌日から8週間で、6週間経過後に本人が請求し、医師が認めた業務に就ける例外があります。
「デスクワークなら6週で復帰」と一律には案内できません。体調に応じた勤務の相談や必要な措置も、医師と勤務先へ確認できます。厚生労働省:産後休業と復職時の母性健康管理
次の妊娠の希望や、出産体験の気持ちも相談できます
次の妊娠を希望する場合は、手術の記録、子宮の切開方法、合併症と回復、年齢や本人の希望を踏まえて妊娠前から相談します。一般的な月数の表だけで、子宮破裂の確率や安全を自己判定しないでください。妊娠間隔の調整を希望する場合は、避妊も合わせて相談できます。
次の出産では、前回の理由や子宮の手術方法、今回の妊娠などで選択肢が変わります。経腟分娩を試みるか、予定帝王切開にするかは、受入施設の体制も含めて個別に話し合います。RCOG:帝王切開後の次回出産で確認する条件
出産体験への気持ちは人によって違います。眠れない、つらくて育児や生活が難しいなどの困りごとは、産婦人科・助産師・地域の産後支援へ、その時点で相談できます。一定の期間を過ぎるまで待つ必要はありません。
出典と確認日
2026年10月26日に上記の回復・症状・傷のケア・活動・制度・次回出産の該当節を確認しました。海外の投薬や退院日程を日本の全施設へ転用せず、回復日程や次回妊娠の安全を保証するものではありません。医師による本記事の個別監修はありません。

この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
公的機関や医学会などの情報をもとに、女性の健康と医療の選択に役立つ情報を整理しています。