「NIPTっていつから受けられるの?」——妊娠が判明して出生前診断を考え始めたとき、最初に浮かぶ疑問ではないでしょうか。結論から言えば、NIPTは妊娠10週0日から受検可能です。ただし、人気のある施設は予約が埋まりやすく、検査を希望するなら妊娠8週頃から動き始めるのが理想的。
この記事では、NIPTを受けるベストタイミングから検査の流れ、結果が届くまでの日数、受検が遅れた場合のリスクまで、時系列に沿って整理しました。「いつまでに何をすればいいか」が一目でわかるスケジュール表も掲載しています。
この記事のポイント
- NIPTは妊娠10週0日から受検可能。推奨は10〜16週の間
- 予約は妊娠8週頃が理想。認可施設は遺伝カウンセリング予約も必要
- 結果は採血から約1〜2週間で判明。陽性時は確定検査へ進む期間も考慮を
NIPTは妊娠10週から——なぜ10週なのか
妊娠10週を過ぎると、母体血中の胎児由来セルフリーDNA(cfDNA)の割合が検査に十分な量(約4%以上)に達するためです。cfDNAは胎盤から母体の血液中に放出されるDNA断片で、妊娠週数が進むにつれて濃度が上昇します。
10週未満だとどうなるか
妊娠10週未満ではcfDNA濃度が不十分で、検査精度が低下する可能性があります。多くの検査機関では「cfDNA割合が基準値に満たない場合は再検査」となるケースも。余計な不安と追加費用を避けるためにも、10週以降の受検が推奨されています。
検査を受けられる上限は何週まで?
医学的には妊娠中いつでもNIPTの採血は可能ですが、実際には妊娠16〜18週頃までに受けることが推奨されます。理由は、陽性時に確定検査(羊水検査:15〜18週)を受け、その結果をもとに判断する時間を確保するため。遅すぎると選択肢が狭まる可能性があります。
NIPT受検までのスケジュール表
以下は、妊娠判明からNIPT受検・結果受領までの推奨タイムラインです。
妊娠週数 | やるべきこと | ポイント |
|---|---|---|
4〜6週 | 妊娠判明・産婦人科初診 | 心拍確認で妊娠確定 |
6〜8週 | NIPT受検の情報収集・施設選定 | 認可施設 or 認可外施設を比較検討 |
8〜9週 | NIPT予約・遺伝カウンセリング予約 | 認可施設は予約枠が少ないため早めに |
10〜14週 | NIPT受検(採血) | 所要時間:採血自体は約10分 |
11〜16週 | 結果受領(採血から1〜2週間) | 陰性なら通常の妊婦健診へ |
15〜18週 | (陽性の場合)羊水検査による確定診断 | 結果はさらに2〜3週間後 |
予約はいつ取るのがベスト?施設タイプ別の注意点
妊娠8〜9週に予約を入れるのがベストタイミングです。特に認可施設は遺伝カウンセリングとセットで予約が必要なため、早めの行動が重要になります。
認可施設(日本医学会連合認定)
- 遺伝カウンセリングが検査前後に必須。カウンセリング枠が限られるため、予約が2〜4週間先になることも
- かかりつけ産婦人科からの紹介状が必要な場合がある
- 費用は約15万〜22万円(カウンセリング込み)
認可外施設
- 予約の自由度が高く、最短で翌日〜1週間以内に受検可能な施設も
- 遺伝カウンセリングが簡略化、または別料金の施設がある
- 費用は約5万〜15万円と施設により幅がある
産婦人科で直接受けられるケース
一部の産婦人科クリニックではNIPTを院内で実施しています。かかりつけ医に対応の有無を確認してみるのも一つの方法です。通い慣れた場所で受けられる安心感があります。
NIPT当日の流れと所要時間
検査自体は通常の採血と同じで、所要時間は受付から退出まで約30分〜1時間程度です。食事制限や特別な準備は不要で、普段通りの生活をして来院できます。
当日の持ち物
- 健康保険証(自費検査だが本人確認に必要な場合あり)
- 母子手帳
- 紹介状(認可施設で求められる場合)
- エコー写真や妊娠週数がわかる書類
検査の具体的な流れ
- 問診・同意書記入(約10〜15分):検査の目的・限界の説明を受け、同意書にサインする
- 遺伝カウンセリング(約20〜40分、認可施設の場合):遺伝の専門家が検査の意味や結果の解釈について説明
- 採血(約5〜10分):腕の静脈から約10〜20mLの血液を採取。痛みは通常の採血と同程度
- 会計・次回予約:結果の受け取り方法(来院 or 郵送 or Web)を確認
結果はいつ届く?判定パターンと次のステップ
一般的に採血から7〜14日で結果が届きます。施設によってはWeb上で確認できるところもあれば、来院して医師から直接説明を受ける形式もあります。
結果の3パターン
判定 | 意味 | 次のステップ |
|---|---|---|
陰性(低リスク) | 染色体異常の可能性は極めて低い | 通常の妊婦健診を継続 |
陽性(高リスク) | 染色体異常の可能性が高い | 確定検査(羊水検査)を検討 |
判定保留 | cfDNA濃度不足等で判定不能 | 再採血または他の検査を検討 |
陽性だった場合のタイムリミット
陽性結果を受けて羊水検査に進む場合、検査可能時期は妊娠15〜18週です。さらに羊水検査の結果が出るまでに2〜3週間かかります。NIPTを受ける時期が遅いほど、確定診断後の判断に使える時間が短くなります。早めの受検が推奨される最大の理由はここにあります。
NIPTの受検が遅れるとどうなるか
受検が妊娠16週を超えると、陽性時に確定検査と意思決定に十分な時間を確保しにくくなります。
18週を過ぎた場合
NIPTの採血自体は18週以降も可能ですが、陽性だった場合に羊水検査の適正時期を過ぎてしまう可能性があります。確定診断の機会を逃すと、不確定な情報のまま出産を迎えることになりかねません。
NIPTを受けない選択もある
出生前診断を受けること自体は任意であり、義務ではありません。「結果を知ったとしても妊娠継続の方針は変わらない」という考えで検査を受けない選択をする方もいます。どちらが正しいという問題ではなく、夫婦で十分に話し合ったうえでの決断が最も大切です。
よくある質問(FAQ)
Q. NIPTは保険適用ですか?
現時点(2026年5月)ではNIPTは保険適用外の自費検査です。費用は施設によって約5万〜22万円と幅があります。医療費控除の対象になるかどうかは税務署にご確認ください。
Q. 双子の場合もNIPTは受けられますか?
二絨毛膜双胎(DD双胎)の場合、対応している検査機関であれば受検可能です。ただし、一絨毛膜双胎(MD双胎)や品胎以上では対応できない場合があります。事前に施設に確認してください。
Q. NIPTの精度は100%ですか?
NIPTの感度は99%以上ですが、100%ではありません。偽陽性(実際は異常なしだが陽性と出る)や偽陰性(異常があるのに陰性と出る)の可能性がわずかにあります。そのため、陽性の場合は必ず確定検査で確認が必要です。
Q. 夫の同意は必要ですか?
法的な義務はありませんが、多くの施設では夫婦での来院や同意書への署名を推奨しています。検査結果をどう受け止めるかは夫婦の問題であるため、事前に話し合っておくことが望ましいでしょう。
Q. 結果が「判定保留」だった場合はどうなりますか?
cfDNA濃度が基準値に満たなかった場合などに判定保留となります。多くの施設では無料で再検査を行いますが、再採血までに1〜2週間の間隔を空ける必要があります。
Q. かかりつけの産婦人科でNIPTは受けられますか?
一部の産婦人科では院内でNIPT採血を実施しています。まずはかかりつけ医に確認し、対応していない場合は紹介状をもらって認可施設を受診する流れが一般的です。
まとめ
NIPTは妊娠10週から受検可能で、推奨時期は10〜16週。予約は妊娠8週頃に動き始めるのがベストです。特に認可施設は遺伝カウンセリング枠が限られるため、早めの行動が安心への第一歩となります。結果は1〜2週間で届き、陽性の場合は確定検査へと進む時間的余裕を確保するためにも、後回しにしないことが大切です。
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※本記事は医療情報の提供を目的としており、診断・治療の代替となるものではありません。検査の要否や具体的な方針は、必ず担当の医師にご相談ください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
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