妊活中のリフレーミングは、つらい気持ちを無理に明るく変える課題ではありません。浮かんだ考えと、確認できた事実を分け、今できる行動を探す方法です。気持ちが変わらなくても失敗ではなく、負担が増すときは中断したり、人の支えを借りたりできます。
まず、気持ちを否定せずに始める
「悲しい」「不安だ」という気持ちは、そのまま言葉にして構いません。体調の問題や費用・仕事の困難を、すべて考え方のせいにしないことも大切です。診療や実際の調整が必要なことは、それぞれ相談します。
眠れない、食べられない、生活に支障がある、自分を強く責めるときは、セルフワークを先に終える必要はありません。担当医や心理職、精神科・心療内科などへ相談できます。「死にたい」「消えたい」と感じるときは、期間を待たず電話・SNS相談などにつながってください。
ノートで整理する、5つの手順の例
- 出来事と考えを書く。何があり、どんな言葉が浮かんだかを、短く残す。
- 気持ちを書く。不安、悲しみ、怒りなど。強さを数字や言葉で残してもよいが、採点は必須ではない。
- 根拠を分ける。確認できた事実、推測、まだ分からないことを分ける。別の体験談を、自分の結果の証拠にしない。
- 別の見方や行動を探す。言い換えが難しければ、「次に何を確認するか」だけでもよい。
- 今の気持ちを確かめる。変わらなくても責めない。つらさが増すなら、続けるより支援を選ぶ。
例えば「陰性だった。自分はだめだ」なら、「今回の結果は陰性だった。自分の価値とは別のこと。薬や次の診療は施設へ確認する」と分けられます。これは編集上の例で、妊活向けに効果を検証した5段階の治療プログラムではありません。
妊活の10場面で、どう分けて考える?
自分に合う言葉だけを手がかりにしてください。同じ考え方にそろえたり、必ず前向きな結論にしたりする必要はありません。
結果・検査・治療についての5例
| 浮かんだ考え | 分けて考える例 |
|---|---|
| 陰性だから、もう諦めるべき | 今つらいことと、今後の治療の判断を分ける。見通しと負担は医師に聞ける。 |
| 採卵数が少ないから、絶対無理 | 採卵数だけで結果を断定せず、今回の所見と次の選択肢を確認する。 |
| 体外受精を勧められた自分は、おかしい | 提案の理由、期待できること、負担やほかの方法を質問できる。 |
| 年齢の節目で、すべて終わる | 年齢は見通しを考える要素。一般的な例で自分の可能性を決めず、個別の説明を聞く。 |
| 治療が長いのは、成功しない証拠 | 期間だけでは判断せず、何が分かり、何が不明かを医師と整理する。 |
人間関係・仕事・費用についての5例
| 浮かんだ考え | 分けて考える例 |
|---|---|
| 友人の妊娠で、自分だけ取り残された | つらい気持ちはあってよい。会う頻度や話題を調整してもよい。 |
| 職場で迷惑だと思われているはず | 実際の発言や困りごとと、想像を分ける。必要な調整や相談先を確認する。 |
| 治療費が増え、何もできない | 費用の不安は現実の課題。見積り、使える制度、家計への負担を個別に整理する。 |
| 休みたい自分は、本気ではない | 休息や終了を望む気持ちも話せる。休止による見通しは医師と相談する。 |
| パートナーは、真剣ではない | 相手の気持ちを決めつけず、自分が困っていることと、頼みたいことを伝える。 |
気づく手がかりになる、考え方の傾向
- 全か無か:一度の結果で、全部成功か全部失敗かと決める。
- 一般化:一つの出来事を「いつも」「必ず」に広げる。
- 最悪の予測:まだ分からない結論を確定したように扱う。
- 一部への注目:気になる情報だけを、判断のすべてにする。
- 相手の心の推測:確かめずに相手の気持ちを決める。
- 気持ちと事実の混同:不安であることを、悪い結果の証拠にする。
これは自分や相手を「歪んでいる」と診断する一覧ではありません。「こう考えていたかもしれない」と気づくための例です。「必ず妊娠すべき」などの言葉が苦しいときも、望みを否定せず、今必要な説明や支えを考えられます。
続けるなら、短いメモでも構わない
「出来事/気持ち・浮かんだ言葉/確認できたこと/次に聞くこと」の形で残す方法があります。紙でもスマホでもよく、毎晩・3分などの固定ルールにする必要はありません。自動的に言い換えられることや、感情が何%下がることを目標にしないでください。
NHSの思考記録は、出来事、気持ち、考え、その根拠や別の見方などを整理するセルフケアの一例です。書きにくければ気持ちの名前だけ残す、人と話すなど、別の方法も選べます。
うまくできないと感じるときの疑問
言い訳のように感じる・気分が変わらない
すぐに「その感じ方も間違い」と判定する必要はありません。納得できない言葉を採用せず、「今は分からない」「一人では整理が難しい」と残して構いません。固定の週数まで続けてから相談する必要もありません。
パートナーにも、同じ方法をしてほしい
相手の気持ちを訂正する道具として使わず、「今は聞いてほしいのか、一緒に整理したいのか」を確かめます。二人での相談や、別々に支援を受ける方法もあります。
心理療法や診療を受ける場合は?
CBTは、考え・気持ち・行動の関連を扱う心理療法です。この記事の言い換えだけがCBTのすべてではありません。担当者の経験や資格、内容、費用、治療施設との情報共有を確認します。書籍やワークシートも対象や著者の専門性を確かめ、負担が増す場合は中断して相談してください。
薬を使う場合は、妊娠の希望と不妊治療の状況を医師・薬剤師に共有し、自己判断で開始・中止しないでください。相談することや、明るく考えられないことを、妊娠結果の責任にする必要はありません。
参考にした資料
- NHS「Reframing unhelpful thoughts」、NHS「Thought record」:一般的なセルフケア。本文の妊活場面の例は編集したもので、NHSが効果を検証したものではありません。
- HFEA「Getting emotional support」、厚生労働省「まもろうよ こころ」:支援の相談。英国の利用条件は日本へ一律に当てはめていません。
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この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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