
流産や死産を経験した後、「きちんとお別れを伝えたい」「何か形に残したい」と思うことは、ごく自然な感情です。赤ちゃんへの追悼の形は人それぞれで、正しい・間違いというものはありません。
この記事のポイント
- 流産・死産後の追悼方法の選択肢(メモリアルグッズ・儀式・コミュニティ)
- グリーフ(悲嘆)のプロセスと「正常な悲しみ」の特徴
- 専門的なグリーフケアの相談先(国内の主な機関・支援団体)
グリーフ(悲嘆)のプロセスを知る
流産・死産後に経験する悲しみ・怒り・罪悪感・虚無感は、「周産期グリーフ(Perinatal Grief)」と呼ばれる正常な心理的反応です。早くに終わらせなければならないものではありません。
- ショック・否定:「信じられない」「本当のことなのか」という感覚
- 怒り・罪悪感:「なぜ自分だけ」「何か悪いことをしたのか」という感情
- 悲嘆・抑うつ:深い喪失感、泣き続ける、何もできない時期
- 適応・統合:悲しみと共存しながら前を向き始める段階
これらのプロセスは順番通りに起こるとは限らず、行ったり来たりすることも多くあります。
メモリアルグッズの選択肢
赤ちゃんの存在を形に残したいと思う方に向けた、メモリアルグッズの例です。用意することが助けになる方もいれば、逆に苦しくなる方もいます。自分の気持ちに正直に選んでください。
- メモリアルツリー(記念樹):庭や鉢植えに木を植え、成長を見守る形で追悼する
- 手形・足形アート:特に死産・後期流産の場合に、産院が対応してくれるケースがあります。事前に希望を伝えてください
- メモリアルジュエリー:誕生石・名前入りのジュエリーを作る専門業者があります
- メモリアルボックス:超音波写真・妊娠検査薬・手紙などを収めた記念の箱
- お星さまの命名書:戸籍には記載されない早期流産の赤ちゃんに「名前」を付け、手書きや印刷の命名書を作る
お別れの儀式・追悼の形
儀式的な形でのお別れが心の区切りになる方も多くいます。宗教的な形式にとらわれず、自分たちの感じ方に合ったお別れの方法を選んでください。
- 誕生予定日・流産した日に花を供える
- 海・川・山など好きな場所でお花を流す水葬
- 手紙を書いてキャンドルを灯す
- 天使の日(10月15日・国際妊娠・乳児喪失記念日)にキャンドルを灯す(全世界規模のイベント)
天使ママコミュニティ・ピアサポート
同じ経験をした方とのつながりが、孤立感を和らげる大きな助けになることがあります。日本では以下のような支援が利用できます。
- NPO法人「流産・死産の親の会(JAMS)」:オンライン・対面の自助グループ
- 天使ママのコミュニティ(SNS・オンラインサロン):Instagram・Twitterで「天使ママ」タグから同じ経験を持つ方とつながることができる
- 病院のグリーフケアプログラム:大学病院・周産期センターでグリーフカウンセリングを提供しているところがある
パートナーのグリーフにも配慮を
父親(男性パートナー)のグリーフは見えにくいですが、同様に深い悲しみを経験します。「強くあろうとして感情を出せない」ケースが多く、パートナーとグリーフの表れ方が違うことで孤立感を感じることがあります。お互いの悲しみ方が違っても、向いている方向は同じということを確認し合うことが助けになります。
専門的なグリーフカウンセリングの相談先
悲しみが日常生活に強く影響する場合や、抑うつ・不眠が続く場合は、専門家への相談を検討してください。
- 通院中の産婦人科・不妊クリニックのカウンセラー
- NPO法人Fine(妊娠・不妊・不育症経験者の支援、電話相談)
- 心療内科・精神科(周産期メンタルヘルスを専門とする医師)
よくある質問
Q:流産後、悲しんでいい期間はどのくらいですか?
悲しみに「正しい期間」はありません。周産期グリーフは半年〜1年以上続くこともあり、それは異常ではありません。ただし、日常生活に強い支障が出る場合は専門家へのサポートが助けになります。
Q:夫は「早く前を向こう」と言いますが、気持ちの整理がつきません。
男女でグリーフの表れ方や時間軸が異なることはよくあります。夫が「前向き」に見えても、内側では悲しんでいることが多くあります。「悲しみを終わらせるのではなく、共に持ち続ける」という形の前進もあることをパートナーと共有してみてください。
Q:また妊娠できるか不安で、追悼することが「諦め」のように感じてしまいます。
追悼はあきらめではありません。赤ちゃんの存在を認め、きちんとお別れをすることは、次の妊娠に向けた心の準備でもあります。次を目指すことと、悲しむことは同時に成立します。
まとめ
赤ちゃんへの追悼の形は、正しいも間違いもありません。メモリアルグッズ・儀式・コミュニティへの参加——どの方法も、あなたの気持ちに合った形で選んでください。グリーフのプロセスには時間がかかることがあり、専門家やコミュニティのサポートを借りることは強さの証です。
【免責事項】本記事は一般的な心理・医療情報の提供を目的としており、診断・治療の代替となるものではありません。精神的な不調が続く場合は専門医へご相談ください。
この記事を書いた人
EggLink編集部
医療・婦人科専門メディア
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